瀬名泉
名前
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―「ファンの女子には「お姫様」とか言ってるくせに」
「だって名前って姫って柄じゃないじゃん?俺がそんなこと言ったらキモいとか言いそうだし」
お姫様はないわな。分かってるけど、喪女呼ばわりされるのは嫌すぎる。メディア向けの顔と私に対しての態度が違いすぎませんかねこの男。彼の名は瀬名泉。人気アイドルであり、私の幼馴染みでもある。「バレエやってたくせに体硬すぎじゃない〜?」なんて言いながらストレッチ中の私の背中をグッと押してくる。私がバレエやってたのなんて小学生の頃(大昔)だぞ。
「泉くんて私の扱い方ぞんざいだよね」
「なぁに〜?文句あんのぉ?」
泉くんは昔から全然優しくないな。Knightsの瀬名泉と幼馴染みであると言えば、世の女の子達から羨ましがられるが、現実はそうでもない。みんな少女漫画の見すぎである。しかし…私の理想が無駄に高くなってしまったのは、この、顔が良い幼馴染みのせい。という事にしておきたい。年齢=彼氏いない歴なのは悲しすぎる。
「そもそも、私の推しはレオくんだしなぁ」
「はぁ!?何それ、聞いてないんだけどぉ」
泉くんご乱心かよ。私がレオくんのファンだったら嫌だってこと?自分を差し置いて他のアイドルに惚れるのはプライドが許さないということ?だが、私も昔は泉くんに恋愛感情を向けていたこともなくはない。でもそれは小学生の頃の話。同じバレエ教室に通っていて、泉くんは今よりも私に優しかった。
―「女子ってすぐ小腹が空く生き物じゃん?」
「夕飯は俺が作るから、こういう油っこいもの禁止」
“おおきなハム卵パン”が人質に取られた…。本日、母不在で「適当に食べてて」と言われてジャンクなものを買い漁ってきた私。結構楽しみにしていたのに。ただ今、泉くんがお料理を作ってくれている。人気アイドルでモデルで才能にも恵まれているのに、料理も得意とか…自己肯定感下がるわ。
「私は女としての自信をなくした」
「はぁ!?何言ってんのぉ?」
泉くんに優しくされると惚れそうになるからやめてほしい。短時間で一汁三菜作れるとか女子力高すぎる。泉くんてすごい。って思うと同時に、自己肯定感が下がるな。そういえば、昔バレンタインデーに泉くんにチョコをあげたら鼻で笑われ「俺、チョコなんて食べないんだけどぉ」とか言われて玉砕した気がするな。泉くんは私よりもお料理が上手だ。泉くんの手料理美味しい。
「何その溜め息」
「油断すると恋に落ちそうになる自分が嫌…」
―「帰国して最初に会いに来てやってんだからもっと可愛い反応しなよぉ」
「私が可愛い反応なんてしたらウザいとかキモいとか言うじゃん…」
あれから月日は流れて、今や泉くんは海外を拠点に活動している。腐れ縁なだけで付き合ってるわけじゃない。それなのに「会いに来てやったんだからもっと喜びなよ」と。相変わらずの言動ながらも忙しいくせに会いに来てくれる。私が抱きついたら、彼はどんな反応をするんだろう。と、湧き上がる何かを押し殺して隣に座ると泉くんが私の膝に頭を乗せてきた。
「モチモチしてて丁度いい」
「百年の恋も冷める」
「俺がこれだけ大事にしてるんだから、気持ちに応えなよねぇ…」
「泉くんて普通の告白できないのか」
END