瀬名泉
名前
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※ヒロインは乱凪砂推し
―「何そのだらしない格好」
「なんで泉くんがうちにいるの?」
だらしないか…?誰かに見せる訳でもないし今日は30℃超えの夏日だし上はキャミソールで下はショートパンツという格好でもいいと思うんだけど。中学時代の同級生であり、勝手に家に入ってくるレベルで親しい間柄の瀬名泉は、私のこの姿を見て明らかに引いている。失礼すぎるだろ。意識高い系モデルめ。
「ねぇねぇ。昨日私が作った夏ゼリーがあるんだけど食べる?」
夏ゼリーとは、ゼラチンとかかき氷シロップとか使って作った清涼感あるキラキラしたゼリー(サイダー味)のことで、自分で自画自賛するくらい綺麗に作れたんだけど、泉くんには「えー。そんな得体の知れないものいらないんだけどぉ」とか言われた。酷すぎるだろ。泉くんは顔はいいけど、私への優しさに欠けるし、付き合いたいかと言われたらナシだ。
「うん。味は普通」
「優しくない泉くん嫌い」
勝手に冷蔵庫から出した夏ゼリーを口にしては辛辣コメントを告げられてついつい本音を吐いてしまった。アイドルの時の泉くんはかっこいいけど、こういうこと言うから好きじゃないし。「泉くんが義理の息子だったらいいわよねぇ」みたいなことを母は言っていたけど、私は嫌だ。付き合うならもっと優しい人がいい。
「名前って俺のこと嫌いなんだ?」
ソファーの上で背もたれに手をついた彼に追い詰められて距離がグッと近くなった。思わず目を閉じると左目と頬骨の中間辺りに彼の指が触れた。「睫毛ついてた」と。こんなにじぃっと見つめるってことは、私のすっぴんがブサイクすぎるってことなんだろうな。顔の事は何も言われてないのに勝手にダメージを受けていたら泉くんの笑う声が聞こえた。
「どうせすっぴんブサイクですよ」
「名前って肌綺麗だねって褒めようと思ったけどやめた」
あの泉くんが褒めてくれただと…?歓喜したのも束の間…私のときめきはすぐに消え去った。「まぁ、俺のゆうくんには劣るけどねぇ」とか言いやがったから。百年の恋も冷めるわ。私べつに泉くんに恋してないけど。やっぱり凪砂くんしか勝たんな。何を隠そう私の推しはEdenの乱凪砂くんなのだ。
「ねぇ。このクッション…Edenの奴じゃん」
「やめて。そんな乱暴に扱わないで」
凪砂くんのビッグおまんじゅうクッションを手酷く扱う彼から取り返して、それをぎゅうっと抱きしめていたら呆れたような溜め息をつかれた。なんなんだよ。泉くんめ。「アンタ理想高すぎでしょ」とか「身近にいる俺よりもコイツのほうがいいわけぇ?」とか、何故か泉くんは不機嫌だし、凪砂くんのことコイツ呼びとか許せん。
「アンタさぁ…男の前なんだから露出度どうにかしなよねぇ」
からかいの延長にしてはタチが悪い。ソファーの上で押し倒されながら、軽口を叩ける雰囲気じゃなくて口を噤んでいたけれど、ふいに唇が重ねられて私は跳ね起きた。そして泉くんに頭突きをカマしてしまった。わざとじゃないけど。だって泉くんが悪いし…。
「なぁに?ファーストキスだったの?」
「泉くんなんか嫌い!」
END