瀬名泉
名前
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―「泉ちゃんはさ…私が下着モデルやるって言ったら止める?」
「なぁに?止めてほしいの?俺に…」
「い、泉ちゃんはどう思うかなぁ…って思っただけ」
嘘。本当は、彼が止めてくれるなら…と思っていた。所詮私の理想であって、現実はそう上手くいかない。特に、相手はあの瀬名泉である。私よりも遊木くんを大事にしていて彼にしか興味がない。そんな事分かっているのに、どうしてだろう。
「そもそも、処女に下着モデルなんか務まるわけないじゃん。馬鹿なの?」
「しょ、処女…だなんて、勝手に決めつけないでよ。泉ちゃんの馬鹿!」
二人きりのレッスン室から走り去った。本当に意地悪。あの頃から、彼の性格の悪さなんて分かっていたのに…不思議な事に、私は無意識に彼を目で追ってしまうくらい好きになっていた。逃げ込んだ教室がやけに肌寒く感じて涙が溢れてくる。
―「うぅ…シニカル王子なんて名ばかりのくせに…」
「俺の悪口?チョ~うざぁい」
瀬名泉の事なんか、嫌いになれた筈なのに…。馬鹿みたい。期待させないでよ。いつもの素っ気なさは何処に行ったの。言いたい事ならいくらでもあるのに…。
「相手って俺の知ってる奴?」
「泉ちゃんチョ~うざぁい。デリカシー無さすぎ」
「もしも…私が処女だったら、泉ちゃんが貰ってくれるの?」
いつもみたいに、冗談じみた口調だったのに…そんな真摯な眼差しで見つめないでよ。
「貰ってあげてもいいけど、名前って素直じゃなさすぎ」
「泉ちゃんにだけは言われたくない」
「今、此処で奪ってあげようか」
獰猛さを滲ませた視線を向けられて、何も言えずに頷いた。やっぱり瀬名泉なんて大嫌い…と、呪文のように心の中で繰り返していた。私の許可もなく唇に口付けを落として、何もかも見透かしたように唇に弧を描かれた。
貴方に嘘は通じない―
END