瀬名泉
名前
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-「ひ…ぅ。泉さん…何か用?」
あんスタの世界にトリップできるとしたら、あんずちゃんと同じプロデューサーポジションがいいと思っていた。しかし、理想通りにはならないもので。ある朝、目覚めた部屋が自分の部屋ではなく。ここどこ!?と混乱して部屋を飛び出した私はぶつかった人物の顔を見て言葉を失った。金髪に綺麗な緑色の瞳の眼鏡男子。ゆうくんだ…。うん、遊木真くんだ。瀬名泉の被害者の…。
「名前ちゃん。どうかした?」
「な…んもないよ。ゆうくん」
瀬名泉の影響でゆうくんて呼んでたからつい癖で呼んでしまったら苦々しい表情をした弟に「その呼び方、泉さんに影響されすぎだよ」と文句を言われてしまった。真くんは姉である私のことを名前+ちゃん付けで呼んでるみたいだ。トリップしたらプロデューサーじゃなくてキャラの姉になった。ここまではまぁ、いいとして…問題なのが私の職業がモデルということで。何となく勝手に体が動いて、自分のやるべきことはできてるからいいけど。冒頭の台詞は、スタジオで瀬名泉と遭遇した時の私の第一声だ。
「用がないと話しかけちゃいけないわけぇ?」
瀬名泉ギャルみたいな話し方するな。と、笑いを堪えていたら「俺と会えて笑顔を抑えきれない名前は可愛いねぇ」と誤解された。この人のこと“クレイジーサイコホモ”とか思ってたから、どんな顔して接していいのかわからないんだよね。中身はあれだけど、顔がいい。だから照れる。「なぁに〜?そのよそよそしい呼び方」とか苦言を呈されて「泉くん」か「泉ちゃん」呼びかで悩んだ。個人的にはちゃん付けで呼びたいからそうしよう。それから彼と別れて、衣装に着替えてプロにメイクをしてもらうという体験をした。撮影とはいえ、私にとっては初めてのことすぎて特殊なポージングをしていたらしく、撮影中に泉さんが割り込んできた。
「その独創的なポージングどこで覚えてきたわけぇ?」
「いや…その、個性を出そうとしすぎた…かな?」
なんとその後、泉さんにポージングの指導をされた。「いつもは器用にこなしてるのに、今日はどうしたの〜?」とかグチグチ言いながらも優しく(?)レッスンしてくれる泉さん面倒見よすぎる。「教えてあげたこと一生恩に着てよねぇ?」とか言われ、「うんうん」と素直に頷く。厳しいかと思いきや「やればできるじゃん」とか褒めてくれるし何気に優しいな。「可愛い」と、私までゆうくんと同等の扱いをされて戸惑うけど。(ゆうくん以外には優しくない瀬名泉を希望)
「ちょっと目瞑ってじっとして」
撮影も終わって、さぁ帰ろうって歩いてたら同じタイミングで現れた泉さんに腕を掴まれて至近距離でそう告げられた。距離が近い。なんで目瞑らなきゃいけないの?もしかしてキス…?と、ドキドキしていたら右目の下の頬骨の辺りに指が触れた。「睫毛ついてた」とクスッと笑った彼は「キスされると思った?」と意地悪く口角を上げた。
「思ってないよ…っ。それに、泉ちゃんは真が好きなんでしょ?なんで私まで…っ」
「そんなこともわからないわけぇ?チョ〜うざぁい!」
チョ〜うざぁい!いただきました。言われたかったから密かに歓喜してるけど、泉さんの心理は全然わからん。あなたゆうくん一筋じゃないんですか?姉弟設定はあれど私と真くんは似ていないしな。ヒロインをいじめる悪女みたいな態度の瀬名泉が見たかったのに…。私に優しくしないで。
-さて、本日の仕事はランジェリーモデルということでポーズが決まってるだけ楽だった。それにしたってほぼ裸のような格好を撮られるのは抵抗がある。女性向け雑誌だしスタジオに泉さんが入って来られないのはわかってるけれど、今日も会いたい。弟の真は積極的に会おうとしない相手だが、私は会いたいと思う。ゆうくん語りがなければ常識人だし。それにしても、「ゆうくんに避けられて辛い」と、姉である私に相談してきたの面白かった。家でそのことを本人に伝えてみたら「名前ちゃんて泉さんのこと好きなの?」と聞かれて焦ったなぁ。
「キャラとしては…好きだけど。これは恋愛なのか…?」
「なにブツブツ言ってんの〜?」
噂をすれば影。姿を見ただけでブワッと顔中が熱くなる。「はい、邪魔ぁ〜。そんなとこに突っ立ってないでよね」とか、ちっとも優しくない言葉にときめく私は末期だろうか。なんだかいたたまれなくて逃げようとした私の手を握ったのは、瀬名泉その人で。誰もいないパウダールームに連れ込まれて密室で二人きりになった途端、泉さんの鋭い視線が私に向けられた。
「ねぇ、それ…誘ってるつもり?」
「そんな格好でウロウロして…」と上げきれていなかったパーカーのチャックを上げられて血の気が引いた。ということは…胸元丸見えの状態で泉さんと話してたってこと?後ろに立った泉さんが服のチャックを再び下ろしてくる。鏡越しに映る泉さんの瞳がギラついているようで、何も答えられずに視線を逸らした。
「ランジェリー雑誌の撮影だったから…」
「ふぅん。その下着やらしいねぇ」
「泉ちゃん。バストの大きさどれくらいが好み?」
「名前の胸くらいがいい」
こんなの私が知ってる瀬名泉じゃない。と混乱してビクビクしていたら晒された胸元に指先を滑らされてお腹の奥がきゅんきゅんしてくる。泉さんすごくエッチだ。その先を望んでいたのに、あっさりと離れていってしまって物足りない気持ちのまま彼を追ってパウダールームを出る。泉さんに絆されたのも束の間…次の撮影スタジオで私が仕事をしている時に、外では私を迎えに来た真くんと泉さんが追いかけっこしていたとは露知らず。
「名前ちゃん。あんな泉さんでいいの?」
「泉さんて面白いよね。だから好き」
END