瀬名泉
名前
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-「ゆうくんの良さが分からないなんて、俺の妹失格だねぇ」
彼、瀬名泉の妹は、兄がかつてのモデル仲間の遊木真に異常な愛情を注いでいるのに気付いており、我が兄ながら気持ち悪いな。と思っていた。「ゆうくんゆうくんて、うるさいんですけど」と怪訝な表情の彼女に「チョ~うざぁい」とムッとした反応を見せる泉が発した台詞が冒頭のものだ。売り言葉に買い言葉の舌戦が瀬名家のリビングで繰り広げられる。ソファーに座って彼女が読んでいる雑誌は泉が載っているものであり、自分の妹はブラコンなのかと思いきやそうではなかった。その雑誌には彼の後輩の鳴上嵐も載っており、どう見てもそちらが目的で雑誌を購入したとしか思えなかった。
「アンタ、あのくそオカマが好きとか頭どうかしてんじゃないの?」
「もぉ。嵐くんの悪口言わないでよ」
瀬名泉の不機嫌の元凶は自分の妹が鳴上嵐のファンであることだったりする。嵐の外見に惹かれているだけかと思えば、そうではなかった。以前、泉の撮影の際に同行していた彼女は嵐と会話した事があり、彼の人間性をある程度理解していたのである。「アンタがなるくんに夢中になってる意味が分かんない」と言う泉は、"ゆうくん"と自分の妹をくっつけたいとすら考えていた程だった。だが、実の所、彼女は妹の自分よりも遊木真を溺愛している兄に不満があっただけであり、内心"ゆうくん"をライバル視していた。「お兄ちゃんにとって、私よりもゆうくんのほうが可愛いんでしょ?」と不貞腐れたように唇を尖らせ雑誌を閉じる彼女に、くすりと笑った泉が彼女の頭にぽんと手を置いて顔を覗きこんだ。「なにそれ。焼きもち?」と。
「ゆうくんの事語ってるお兄ちゃん嫌い」
「それはこっちの台詞なんだけどぉ。俺よりなるくんのほうがいいんでしょ?」
ぷいっと顔を背けている彼女の背中に、そう投げかける泉は変な所に対抗意識を燃やしている妹が可愛くて仕方なかった。後ろから彼女の頬を両手で摘むと「だって…」と彼女の本音が明かされていった。「私、お兄ちゃんの妹なのに全然似てないし顔は綺麗じゃないし。だから、なんか劣等感しかない」と頬から手を離された彼女は振り向くと切なげに瞳を揺らして泉を見据えた。泉はそんな彼女の額を、指先でちょんとこずく。
「アンタ、自己評価低すぎ。俺の妹なんだから、可愛くないわけがないでしょ」
「私に甘いお兄ちゃんが好き…」
「どうせなるくんの次に、とか言うんでしょ?チョ〜うざぁい」
END