InsteadLost
「え…っとぉ、此処は…?」
カイスを出て三日目。
獣系統の魔物をと対戦を重ねるうちに食料も底を尽きそうだった日の事。
その日は霧が濃く、道から外れた森に迷いこんでしまっていた。
「たく、早く霧晴れねぇかな。これじゃあ何処進んでるのか分かんねぇ。」
手探りで茂みをかき分けながら進んでいくと、漸く出口らしき光を見つける。
光へ小走りで向かうと―――――
「!!」
幻想的な景色が開ける。
不思議な風が吹き、きらきらと光る泉。
何より目を引くのが、泉の中心にどういう仕組みで建っているのか分らない小さなドーム型の祠。
ユウジは取り敢えず祠まで泳ごうと思い服を脱ごうとした、その時。
「だいじょうぶだよ、歩けるよ。」
「誰だ、魔物か!?」
すると声はふてくされたように答える。
「失礼なー。ぼくたちは力。ぼくたちは知識。さぁ、歩くんだ。自分らしく。」
「自分…?」
その単語に少し疑問を抱いてしまう。
自分とは何か。
だが細かく考えるのは嫌いなユウジは
「取り敢えず…俺はユウジだ!」
勇気を出して泉に身を任せる。すると、本当に水面に立つことができた。
呆気にとられていると、
「せいかいだよ。それがきみ。さぁさぁ進んで、欲しいものを手に入れて。」
泉を歩いていき、祠に着く。
「欲しいもの?決まってる、俺の記憶だ!」
「欲張りだねぇー。でも、嫌いじゃない。」
刹那、世界が光に包まれる。
そして身体が熱くなり、頭が冴えていく。
「――――あ。」
全てを、思い出した。
「俺は真田勇司。」
「くすくす、また会えるかな?」
カイスを出て三日目。
獣系統の魔物をと対戦を重ねるうちに食料も底を尽きそうだった日の事。
その日は霧が濃く、道から外れた森に迷いこんでしまっていた。
「たく、早く霧晴れねぇかな。これじゃあ何処進んでるのか分かんねぇ。」
手探りで茂みをかき分けながら進んでいくと、漸く出口らしき光を見つける。
光へ小走りで向かうと―――――
「!!」
幻想的な景色が開ける。
不思議な風が吹き、きらきらと光る泉。
何より目を引くのが、泉の中心にどういう仕組みで建っているのか分らない小さなドーム型の祠。
ユウジは取り敢えず祠まで泳ごうと思い服を脱ごうとした、その時。
「だいじょうぶだよ、歩けるよ。」
「誰だ、魔物か!?」
すると声はふてくされたように答える。
「失礼なー。ぼくたちは力。ぼくたちは知識。さぁ、歩くんだ。自分らしく。」
「自分…?」
その単語に少し疑問を抱いてしまう。
自分とは何か。
だが細かく考えるのは嫌いなユウジは
「取り敢えず…俺はユウジだ!」
勇気を出して泉に身を任せる。すると、本当に水面に立つことができた。
呆気にとられていると、
「せいかいだよ。それがきみ。さぁさぁ進んで、欲しいものを手に入れて。」
泉を歩いていき、祠に着く。
「欲しいもの?決まってる、俺の記憶だ!」
「欲張りだねぇー。でも、嫌いじゃない。」
刹那、世界が光に包まれる。
そして身体が熱くなり、頭が冴えていく。
「――――あ。」
全てを、思い出した。
「俺は真田勇司。」
「くすくす、また会えるかな?」