InsteadLost
ブレイカに戻って来た勇司達。
明日からは武闘大会だ。
クストスに魔法便で手紙を送ったヴェルム。
その返事が来ていた。
「うふふ、兄上らしいわ。"決勝まで勝ち上がったら観にやってやる"…ですって。」
既に特別席は用意してあるらしい。
はしゃぐヴェルムに、ロンタゼルスは少し自慢げに話す。
「武闘大会には、我が国の騎士も何人か出場する。うちの騎士達はそう簡単には倒れないぞ?」
「そうだ、これは説明しておかなければな。魔術大会は完全なトーナメント制だったが、武闘大会は少し違う。予選のバトルロワイヤルで八名に絞ってからトーナメントで勝ち進んでもらう形だ。」
と、そこへ一人の男性がやってきた。
「お話中失礼します…第三騎士団、只今遠征より戻りました。こちらが報告書です…。」
その男性は派手な髪色、首に彫られた刺青、沢山のピアスから感じた怖い印象とは裏腹に、おどおどした態度をとっている。
「ご苦労であった。ああ、そういえば貴殿も大会に出場するのであったな。」
「は、はい…なんか酔ってるときに承諾してしまって…。」
「皆。彼はラファガ。第三騎士団の団長だ。」
「ど、どうも…。」
ラファガは小さめに挨拶をした。
「ラファガ、疲れているところ悪いのだが彼らにコロシアムの案内を頼めるか?」
「お、仰せのままに…。」
ラファガと談笑しながら王宮の廊下を歩いて行く。
勇司達のことは騎士団の中でも話題になっているとのことだ。
最初は勇司達のことも様付けで呼んでいたが、勇司が訂正すると申しなさげに改めた。
「じゃ、じゃあ、ユウジくん…で…。」
「あっれー?よわよわ先輩じゃないですかぁー?」
前方から一人の騎士が歩いてくる。
他の騎士より露出が多めな、中性的で整った顔立ちの男性だった。
それより気になるのが…。
「やっと遠征から帰ったんですねー、よわよわなのに死なずに帰って来られて良かったじゃないですかー。」
このラファガに突っかかるようなこの横柄な態度。
「この子はスピサ。今年入った新米騎士。おれの後輩だよ。」
「あ、この子供達が話題の救世主さんですかー。じゃあオレは用事あるんで。」
スピサは勇司達にはあまり興味を示さずにすれ違うようにその場を去った。
が、すれ違い際勇司を睨んだような気がした。
それは勇司の勘違いではなかったようで。
「あの人今、あたし達四人のこと思い切り睨まなかった?」
クレイも、誠也もヴェルムも同じように感じたと言った。
「うちの後輩がごめんね。でも、スピサってああ見えて可愛いとこあるんだよ。」
スピサの背中を見送るラファガは本当に彼を可愛がってるようだ。
「ラファガくん、今日はありがとう。」
「そ、そんな大したことしてないよ、おれは。ヴェルムさんも明日の大会頑張ってね…?」
ラファガと別れた後。
「ラファガさんて、多分強ぇ人だよな。」
勇司は光属性の直感でそう言った。
「そうかしら、なんか気弱で頼りなさげだったけど。」
クレイにはひ弱な印象が残っているようだが、ヴェルムがそれを否定する。
「いいえ、あの身のこなし。隙がなかったわ。流石、騎士団の団長なだけあるわ。」
「ま、ヴェルムは強いし大丈夫だろ!」
「いつも締めが甘いなぁ、勇司は。」
その晩。酒場にて。
酔っ払った二人の騎士の姿があった。
その態度は双方、昼間とは打って変わっていて。
「いくら陛下のご友人だからって…しぇんぱい、へらへらしてぇ…せっかく遠征から帰ってきたから…会いに…行ったのにぃ…ひっく。」
「はは、ごめんよ?寂しかったか?…さて。」
「───武闘大会が楽しみだ。」
明日からは武闘大会だ。
クストスに魔法便で手紙を送ったヴェルム。
その返事が来ていた。
「うふふ、兄上らしいわ。"決勝まで勝ち上がったら観にやってやる"…ですって。」
既に特別席は用意してあるらしい。
はしゃぐヴェルムに、ロンタゼルスは少し自慢げに話す。
「武闘大会には、我が国の騎士も何人か出場する。うちの騎士達はそう簡単には倒れないぞ?」
「そうだ、これは説明しておかなければな。魔術大会は完全なトーナメント制だったが、武闘大会は少し違う。予選のバトルロワイヤルで八名に絞ってからトーナメントで勝ち進んでもらう形だ。」
と、そこへ一人の男性がやってきた。
「お話中失礼します…第三騎士団、只今遠征より戻りました。こちらが報告書です…。」
その男性は派手な髪色、首に彫られた刺青、沢山のピアスから感じた怖い印象とは裏腹に、おどおどした態度をとっている。
「ご苦労であった。ああ、そういえば貴殿も大会に出場するのであったな。」
「は、はい…なんか酔ってるときに承諾してしまって…。」
「皆。彼はラファガ。第三騎士団の団長だ。」
「ど、どうも…。」
ラファガは小さめに挨拶をした。
「ラファガ、疲れているところ悪いのだが彼らにコロシアムの案内を頼めるか?」
「お、仰せのままに…。」
ラファガと談笑しながら王宮の廊下を歩いて行く。
勇司達のことは騎士団の中でも話題になっているとのことだ。
最初は勇司達のことも様付けで呼んでいたが、勇司が訂正すると申しなさげに改めた。
「じゃ、じゃあ、ユウジくん…で…。」
「あっれー?よわよわ先輩じゃないですかぁー?」
前方から一人の騎士が歩いてくる。
他の騎士より露出が多めな、中性的で整った顔立ちの男性だった。
それより気になるのが…。
「やっと遠征から帰ったんですねー、よわよわなのに死なずに帰って来られて良かったじゃないですかー。」
このラファガに突っかかるようなこの横柄な態度。
「この子はスピサ。今年入った新米騎士。おれの後輩だよ。」
「あ、この子供達が話題の救世主さんですかー。じゃあオレは用事あるんで。」
スピサは勇司達にはあまり興味を示さずにすれ違うようにその場を去った。
が、すれ違い際勇司を睨んだような気がした。
それは勇司の勘違いではなかったようで。
「あの人今、あたし達四人のこと思い切り睨まなかった?」
クレイも、誠也もヴェルムも同じように感じたと言った。
「うちの後輩がごめんね。でも、スピサってああ見えて可愛いとこあるんだよ。」
スピサの背中を見送るラファガは本当に彼を可愛がってるようだ。
「ラファガくん、今日はありがとう。」
「そ、そんな大したことしてないよ、おれは。ヴェルムさんも明日の大会頑張ってね…?」
ラファガと別れた後。
「ラファガさんて、多分強ぇ人だよな。」
勇司は光属性の直感でそう言った。
「そうかしら、なんか気弱で頼りなさげだったけど。」
クレイにはひ弱な印象が残っているようだが、ヴェルムがそれを否定する。
「いいえ、あの身のこなし。隙がなかったわ。流石、騎士団の団長なだけあるわ。」
「ま、ヴェルムは強いし大丈夫だろ!」
「いつも締めが甘いなぁ、勇司は。」
その晩。酒場にて。
酔っ払った二人の騎士の姿があった。
その態度は双方、昼間とは打って変わっていて。
「いくら陛下のご友人だからって…しぇんぱい、へらへらしてぇ…せっかく遠征から帰ってきたから…会いに…行ったのにぃ…ひっく。」
「はは、ごめんよ?寂しかったか?…さて。」
「───武闘大会が楽しみだ。」
