ドラマティックな恋仕方
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数分後、お互い身支度が整った頃合いを見て改めて話す。
『えっと…夕べのことはどこまで覚えてます?』
「あー…確か相席居酒屋のキャッチに捕まって、通された席に居た女性がだいぶ酔ってらして…しばらくその人と飲んでたんですが、そのまま誘われて一緒に2軒目に飲みに行ったところからの記憶が…」
『多分その女性って私のことですよね…、私も2軒目にお誘いしてからの記憶がありません…』
彼女もばつが悪そうに目を逸らしながら言う。
お互い記憶がないということは現在の状況へと誘ったのはどちらか分からないということだ。
だがどうせ俺が悪いに決まってる。
「この度は大変申し訳ございませんでした!
酒に酔っていたとはいえ初対面の女性と、その…行為に及んでしまって…」
『あ、いえ、そんな、頭を上げて下さい!私にも非はありますから…』
「いや絶対に僕が悪いので謝らないで下さい本当に…!」
彼女も頭を下げてくれるが悪いのは俺に決まってる。
「それで、あの…ご迷惑でなければ…お詫びをさせていただきたいのと、その、連絡先を…」
『えっ…?』
「あっ、いえ、その!変な意味ではなくてですね!一応避妊はしていたみたいですが万が一の時のためにと思いまして…」
『え、あ、あぁ…そういうことでしたら…』
そう言って彼女はバッグからスマホを取り出すと、俺に向かって連絡先の画面を見せた。
『今更ですけど…弥勒院玲香と申します。』
「あ、ご丁寧にどうも…。観音坂独歩、です…。良ければ名刺も…」
『あ、どうも…。』
俺から受け取った名刺をしまうと、改めて弥勒院さんが俺に向き直る。
『念のため検査は受けますので、結果はちゃんと観音坂さんにもご報告します。
それと…もし何も無かった場合、今回の件はお互いなかったことにしましょう。』
「無かったことに…ってそれもそうですよね…酒の勢いとはいえこんな冴えない男と寝たなんて黒歴史なんてモンじゃないですし…弥勒院さんにとって忘れたい過去でしかないですよね…」
『…忘れたい過去なら他にもあるわよ。』
「えっ?」
『何でもありません。では、私はこれで。』
「あっ、待っ…」
弥勒院さんが最後に何か言ってたのは聞き取れなかったが、俺の傍をさっさとすり抜ける彼女がどこか泣きそうな顔をしていたのは一瞬だけ見えた。
「…俺も出ようかな」
そういえば今は何時だろう?
ふと気になって時間を確認しようとケータイに手を伸ばしたその時、
「うわっ」
画面いっぱいに表示される着信履歴。
全て一二三からの着信だ。
着信だけじゃない、メッセージの量もハンパじゃない。
これらは後で返事するとして、問題は今の時間だ。
とっくに9時を過ぎてる。
今から出社したところで遅刻は確定だ。
「(またハゲ課長にどんな嫌味を言われるんだろう…。)」
今日もまたキリキリと胃が痛む。
『えっと…夕べのことはどこまで覚えてます?』
「あー…確か相席居酒屋のキャッチに捕まって、通された席に居た女性がだいぶ酔ってらして…しばらくその人と飲んでたんですが、そのまま誘われて一緒に2軒目に飲みに行ったところからの記憶が…」
『多分その女性って私のことですよね…、私も2軒目にお誘いしてからの記憶がありません…』
彼女もばつが悪そうに目を逸らしながら言う。
お互い記憶がないということは現在の状況へと誘ったのはどちらか分からないということだ。
だがどうせ俺が悪いに決まってる。
「この度は大変申し訳ございませんでした!
酒に酔っていたとはいえ初対面の女性と、その…行為に及んでしまって…」
『あ、いえ、そんな、頭を上げて下さい!私にも非はありますから…』
「いや絶対に僕が悪いので謝らないで下さい本当に…!」
彼女も頭を下げてくれるが悪いのは俺に決まってる。
「それで、あの…ご迷惑でなければ…お詫びをさせていただきたいのと、その、連絡先を…」
『えっ…?』
「あっ、いえ、その!変な意味ではなくてですね!一応避妊はしていたみたいですが万が一の時のためにと思いまして…」
『え、あ、あぁ…そういうことでしたら…』
そう言って彼女はバッグからスマホを取り出すと、俺に向かって連絡先の画面を見せた。
『今更ですけど…弥勒院玲香と申します。』
「あ、ご丁寧にどうも…。観音坂独歩、です…。良ければ名刺も…」
『あ、どうも…。』
俺から受け取った名刺をしまうと、改めて弥勒院さんが俺に向き直る。
『念のため検査は受けますので、結果はちゃんと観音坂さんにもご報告します。
それと…もし何も無かった場合、今回の件はお互いなかったことにしましょう。』
「無かったことに…ってそれもそうですよね…酒の勢いとはいえこんな冴えない男と寝たなんて黒歴史なんてモンじゃないですし…弥勒院さんにとって忘れたい過去でしかないですよね…」
『…忘れたい過去なら他にもあるわよ。』
「えっ?」
『何でもありません。では、私はこれで。』
「あっ、待っ…」
弥勒院さんが最後に何か言ってたのは聞き取れなかったが、俺の傍をさっさとすり抜ける彼女がどこか泣きそうな顔をしていたのは一瞬だけ見えた。
「…俺も出ようかな」
そういえば今は何時だろう?
ふと気になって時間を確認しようとケータイに手を伸ばしたその時、
「うわっ」
画面いっぱいに表示される着信履歴。
全て一二三からの着信だ。
着信だけじゃない、メッセージの量もハンパじゃない。
これらは後で返事するとして、問題は今の時間だ。
とっくに9時を過ぎてる。
今から出社したところで遅刻は確定だ。
「(またハゲ課長にどんな嫌味を言われるんだろう…。)」
今日もまたキリキリと胃が痛む。