ドラマティックな恋仕方
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玲香と2人並んで座るタクシーの後部座席。
気まずい沈黙が流れる車内で独歩は残業に疲れた脳を必死に働かせて思考を巡らせる。
「(なんで同乗なんかしてんだ俺は…いやけど弥勒院さんがいいって言ったから乗っただけなんだし別に悪いことしてなくないか?)」
チラッと横目で盗み見ると、タクシーの窓に頭を預けて寄りかかる玲香の姿が視界に入った。
彼女も残業で疲れているのだろうか、物憂げに目を伏せている。
「(この人に会ってから色々ありすぎて疲れた…って弥勒院さんは悪くないんだ、俺がそもそもやらかさなければ良かっただけであって彼女には何の落ち度もないんだ…)」
『…あ、』
「!!!!?」
不意に小さく声を漏らした玲香に動揺する独歩。
しかし玲香はそれを気にすることなく、ポケットの中で振動を続けるスマホを取り出す。
『…』
一瞬だけ盗み見た玲香のスマホの着信画面には翔大と表示されていて、その名前を見た途端に玲香は何も言わずに通話を切った。
「…出ないんですか?」
独歩がその言葉をかけたのはほぼ無意識だった。
その一言に不機嫌さを露わにした玲香と目が合い、我に返った独歩は慌てて謝罪の言葉を繋ぐ。
「すっ、すいませんすいません!!!プライベートなことに首を突っ込んでしまって…」
『いいんですよ、どうせこないだと同じ話しかしないんですから。』
「えっ…」
てっきり罵声でも浴びせられるものかと身構えていたが、玲香は意外にも冷静だった。
『元彼からの連絡がしつこいんです。まあ私が一方的に出て行ったからなんですけどね。』
「そ、そうだったんですか…」
あまり踏み込まないほうがいいと今度こそ口を噤もうとした独歩だったが、今度は玲香のほうから饒舌になる。
『もう付き合ってから結構経つんだから、いい加減将来のこと考えてくれないかなーと思った矢先に彼が浮気してるって知って、同棲してたマンションを飛び出してきたんです。』
「は、はぁ…」
『だからあの時、』
「お客さん、着きましたよ。」
玲香と話し込む内にいつのまにかタクシーは二人の住むマンションに着いていた。
料金を支払い、マンションのエレベーターへと足を運ぶ。
エレベーター内では玲香は再び寡黙に戻り、独歩も口を噤む。
「(何を言いかけたんだ…あの時…?いやいつのことだよ!?)」
エレベーターが開き、お互いの部屋の前にようやく到着した。
残業や帰宅でかなりの時間を割き、時刻はすっかり日付が変わっている。
「遅くまでお疲れ様でした。弥勒院さん、明日はゆっくり休んで下さいね。」
独歩の言葉に玲香は一礼だけして、部屋へと入っていった。
その姿を見届けると、独歩も自宅に戻る。
「(はー、疲れた…。明日休みで良かった…。)」
独歩と別れた後、玲香はスマホの着信履歴と未読のメッセージにため息をついた。
『…しつこいなぁ。』
気まずい沈黙が流れる車内で独歩は残業に疲れた脳を必死に働かせて思考を巡らせる。
「(なんで同乗なんかしてんだ俺は…いやけど弥勒院さんがいいって言ったから乗っただけなんだし別に悪いことしてなくないか?)」
チラッと横目で盗み見ると、タクシーの窓に頭を預けて寄りかかる玲香の姿が視界に入った。
彼女も残業で疲れているのだろうか、物憂げに目を伏せている。
「(この人に会ってから色々ありすぎて疲れた…って弥勒院さんは悪くないんだ、俺がそもそもやらかさなければ良かっただけであって彼女には何の落ち度もないんだ…)」
『…あ、』
「!!!!?」
不意に小さく声を漏らした玲香に動揺する独歩。
しかし玲香はそれを気にすることなく、ポケットの中で振動を続けるスマホを取り出す。
『…』
一瞬だけ盗み見た玲香のスマホの着信画面には翔大と表示されていて、その名前を見た途端に玲香は何も言わずに通話を切った。
「…出ないんですか?」
独歩がその言葉をかけたのはほぼ無意識だった。
その一言に不機嫌さを露わにした玲香と目が合い、我に返った独歩は慌てて謝罪の言葉を繋ぐ。
「すっ、すいませんすいません!!!プライベートなことに首を突っ込んでしまって…」
『いいんですよ、どうせこないだと同じ話しかしないんですから。』
「えっ…」
てっきり罵声でも浴びせられるものかと身構えていたが、玲香は意外にも冷静だった。
『元彼からの連絡がしつこいんです。まあ私が一方的に出て行ったからなんですけどね。』
「そ、そうだったんですか…」
あまり踏み込まないほうがいいと今度こそ口を噤もうとした独歩だったが、今度は玲香のほうから饒舌になる。
『もう付き合ってから結構経つんだから、いい加減将来のこと考えてくれないかなーと思った矢先に彼が浮気してるって知って、同棲してたマンションを飛び出してきたんです。』
「は、はぁ…」
『だからあの時、』
「お客さん、着きましたよ。」
玲香と話し込む内にいつのまにかタクシーは二人の住むマンションに着いていた。
料金を支払い、マンションのエレベーターへと足を運ぶ。
エレベーター内では玲香は再び寡黙に戻り、独歩も口を噤む。
「(何を言いかけたんだ…あの時…?いやいつのことだよ!?)」
エレベーターが開き、お互いの部屋の前にようやく到着した。
残業や帰宅でかなりの時間を割き、時刻はすっかり日付が変わっている。
「遅くまでお疲れ様でした。弥勒院さん、明日はゆっくり休んで下さいね。」
独歩の言葉に玲香は一礼だけして、部屋へと入っていった。
その姿を見届けると、独歩も自宅に戻る。
「(はー、疲れた…。明日休みで良かった…。)」
独歩と別れた後、玲香はスマホの着信履歴と未読のメッセージにため息をついた。
『…しつこいなぁ。』
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