Dawn of the Felines
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昔から私はお兄ちゃんが大好きだった。
だからお兄ちゃんと離れ離れになった日は人生で1番泣いたと思う。
政権は全て女性にあり、男性は身を削って税金を払わなければならない女尊男卑のこの世界が、私たち兄妹を引き離した。
お兄ちゃんはお父さんと、私はお母さんと暮らすと聞かされた時は抵抗しようのない理不尽さに泣き崩れるしかなかった。
「せめて俺たちだけでも会うようにしよう。」
お兄ちゃんが両親に聞こえないようにそう言ったおかげで私はその時泣き止むことができた。
それなのに…
12月13日-お兄ちゃん、今日は会う日だよね?-
1月13日-バイト忙しいの?せめて連絡くらいしてよ-
2月13日-お兄ちゃん?連絡見てないの?-
『おかしいな…』
3月13日-ねえ?何かあったの?-
そして今日も既読のつかないお兄ちゃんとの連絡
両親が離婚したあの日からずっと、毎月私とお兄ちゃんは必ず2人で会うと約束していた。
何度か都合が合わなくて日にちがズレたこともあったけど、それでもお兄ちゃんは必ず会いに来てくれていた。
お兄ちゃんが私との約束を破ったことは一度もなかったはずなのに、
去年からお兄ちゃんは約束の場所に居なかった。
電話も出ない、メッセージも既読にならない、お母さんの目を盗んでお父さんに連絡したのに「何も知らない」と言われた。
『どうしたらいいの…』
今の私の生活は、高い壁に囲まれた中王区と呼ばれる場所でお母さんと2人暮らし。
ここでは女性たちが優雅に暮らしてて、男の人は入ることは滅多にない。
中王区での生活には何の不自由はなく、お母さんの勧めで進学した女子校に友達もいる。
それでも私は満たされない。
たとえどんなに生活が満たされていても、たった1人のお兄ちゃんに会えないだけで寂しくて、悲しくて、毎日が物足りない。
お兄ちゃんに会いたい。
家を出るのにそれ以上の理由なんてなかった。
「待って!!待ってよ美央!!
お願いだからこの家を出ていくなんて言わないで!お母さんを1人にしないで!!!」
『離して!!邪魔しないでよ!!!』
「どうしてあの子に会う理由があるの!?」
『お母さん…私にはお兄ちゃんが大切なの、お願いだから分かってよ!』
見つからないように夜中に出ていこうとしたのに、お母さんに見つかってしまった。
子供の頃までは2人とも同じように可愛がってくれてたはずなのに、お兄ちゃんがガラの悪い友達とつるむようになってからお母さんの態度は一変した。
お母さんはお兄ちゃんを毛嫌いし、私から遠ざけるようになった。
「美央、お願いよ…!あんな子と一緒に居たら美央までダメな子になっちゃうわよ、ここでお母さんと暮らしていれば幸せなままで居られるのよ!!」
『お母さん…』
別にお母さんのことは嫌いなわけじゃないし、今の生活が嫌なわけでもない。
私はただ、せめてもう一度お兄ちゃんに会いたいだけ。
『ごめんなさい、お母さん。
お兄ちゃんに会えたら帰ってくるから。』
お母さんの震える手を振り払って私は家を出た。
呼び止める声がまだ聞こえるけど、今の私にはどうでもいい。
お兄ちゃんに会いたい。
聞きたいことも言いたいこともたくさんある。
手がかりも心当たりもないけど、一つだけお兄ちゃんに聞いた話だけは覚えてる。
その人は自慢の友達だとお兄ちゃんは会うたびにいつも話してた。
その人ならきっと、お兄ちゃんがどこにいるのか知ってるかもしれない。
『イケブクロディビジョン…』
会いに行こう、山田一郎さんに。
だからお兄ちゃんと離れ離れになった日は人生で1番泣いたと思う。
政権は全て女性にあり、男性は身を削って税金を払わなければならない女尊男卑のこの世界が、私たち兄妹を引き離した。
お兄ちゃんはお父さんと、私はお母さんと暮らすと聞かされた時は抵抗しようのない理不尽さに泣き崩れるしかなかった。
「せめて俺たちだけでも会うようにしよう。」
お兄ちゃんが両親に聞こえないようにそう言ったおかげで私はその時泣き止むことができた。
それなのに…
12月13日-お兄ちゃん、今日は会う日だよね?-
1月13日-バイト忙しいの?せめて連絡くらいしてよ-
2月13日-お兄ちゃん?連絡見てないの?-
『おかしいな…』
3月13日-ねえ?何かあったの?-
そして今日も既読のつかないお兄ちゃんとの連絡
両親が離婚したあの日からずっと、毎月私とお兄ちゃんは必ず2人で会うと約束していた。
何度か都合が合わなくて日にちがズレたこともあったけど、それでもお兄ちゃんは必ず会いに来てくれていた。
お兄ちゃんが私との約束を破ったことは一度もなかったはずなのに、
去年からお兄ちゃんは約束の場所に居なかった。
電話も出ない、メッセージも既読にならない、お母さんの目を盗んでお父さんに連絡したのに「何も知らない」と言われた。
『どうしたらいいの…』
今の私の生活は、高い壁に囲まれた中王区と呼ばれる場所でお母さんと2人暮らし。
ここでは女性たちが優雅に暮らしてて、男の人は入ることは滅多にない。
中王区での生活には何の不自由はなく、お母さんの勧めで進学した女子校に友達もいる。
それでも私は満たされない。
たとえどんなに生活が満たされていても、たった1人のお兄ちゃんに会えないだけで寂しくて、悲しくて、毎日が物足りない。
お兄ちゃんに会いたい。
家を出るのにそれ以上の理由なんてなかった。
「待って!!待ってよ美央!!
お願いだからこの家を出ていくなんて言わないで!お母さんを1人にしないで!!!」
『離して!!邪魔しないでよ!!!』
「どうしてあの子に会う理由があるの!?」
『お母さん…私にはお兄ちゃんが大切なの、お願いだから分かってよ!』
見つからないように夜中に出ていこうとしたのに、お母さんに見つかってしまった。
子供の頃までは2人とも同じように可愛がってくれてたはずなのに、お兄ちゃんがガラの悪い友達とつるむようになってからお母さんの態度は一変した。
お母さんはお兄ちゃんを毛嫌いし、私から遠ざけるようになった。
「美央、お願いよ…!あんな子と一緒に居たら美央までダメな子になっちゃうわよ、ここでお母さんと暮らしていれば幸せなままで居られるのよ!!」
『お母さん…』
別にお母さんのことは嫌いなわけじゃないし、今の生活が嫌なわけでもない。
私はただ、せめてもう一度お兄ちゃんに会いたいだけ。
『ごめんなさい、お母さん。
お兄ちゃんに会えたら帰ってくるから。』
お母さんの震える手を振り払って私は家を出た。
呼び止める声がまだ聞こえるけど、今の私にはどうでもいい。
お兄ちゃんに会いたい。
聞きたいことも言いたいこともたくさんある。
手がかりも心当たりもないけど、一つだけお兄ちゃんに聞いた話だけは覚えてる。
その人は自慢の友達だとお兄ちゃんは会うたびにいつも話してた。
その人ならきっと、お兄ちゃんがどこにいるのか知ってるかもしれない。
『イケブクロディビジョン…』
会いに行こう、山田一郎さんに。