序章
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PM7:00 東京都港区…
???「…」
東京メトロ・赤坂駅に続く中規模の階段があるその広場から通りを挟んで反対側の歩道に、グレーのブラウスにコバルトブルーのワンピース姿、小さなバックを肩に下げたショートヘアーの女性が立っていた。
ヴー…ヴー…
女性のスマホにメッセージが届く。
???「…」
女性はメッセージを読むと、スマホのカメラで自撮り機能を使い、鏡代わりにして自分の髪型を整える。そしてリップを軽く塗ると、リップとスマホをポケットにしまう。
???「!」
その直後、女性を照らすように1台のAQURA・RDXがヘッドライトが近づいてくる。歩道に添って走りながら徐々に減速していく。女性が道路側に寄ると、インサイトは徐行しながら路肩に車体を寄せて、ハザードを点けて停車した。
ガチャッ
???「夏鈴。待たせたな」
運転席から、ダークブラウンのスーツを着た青年…神居宗谷が降りて来る。
???「ん~ん。私も今さっき来たとこ」
宗谷『…ずっと取材だったのか?』
???「そう…でも取材自体は夕方には終わったから、近くの喫茶店で記事をある程度書いてた」
宗谷『そうか…疲れてるのにすまんな』
???「ん~ん。私も宗谷と夕飯食べたい気分だったし♬」
宗谷と見つめ合って微笑む女性…藤吉夏鈴。インフルエンサーや人気アーティストの記事を書いている芸能ライター。宗谷とは中学時代からの付き合いで同級生・悪友の1人で、本作のヒロインの1人でもある。
宗谷『…したら行くか』
夏鈴「うん♬」
宗谷がガードレールの隙間を取って車道に降りる、夏鈴も後に続いて車道に降りる。宗谷は助手席のドアを開け、夏鈴を助手席に座らせる。その後、運転席に着く。
夏鈴「それで、今日はどこ行くの?」
宗谷『渋谷の和牛レストランだ。旨い肉を出してる』
宗谷は歩行者が来ないか周囲の安全を確認して発車する。
夏鈴「へ~…予約してるの?」
宗谷『あぁ。コースでな』
夏鈴「コース?」
宗谷『肉も旨いが、せっかくならワインやデザートも楽しみたいだろ』
夏鈴「…どうしたの? …何かいいことでもあった?w」
宗谷『…今日は夏鈴が自分で書いた記事が載った日だろ?』
夏鈴「…え?」
宗谷『大事な日はちゃんと祝うもんだ』
夏鈴「…よく覚えてたね…」
夏鈴が少し驚いたように宗谷を見る。
宗谷『お前が珍しく嬉しそうにしてた日だからな』
夏鈴「……ありがと////」
夏鈴がそっと微笑む。
宗谷『…とはいえ、こういうことは零や亜貴ほど慣れてるワケじゃないからな。スマートに出来てるとは思えんが…』
夏鈴「別にいいよw 宗谷のガラじゃないってことくらい解ってるし」
宗谷『なら良かった。俺も夏鈴が喜んでくれれば満足だ』
夏鈴「////」
不器用で無愛想な癖に……心が温かくなる優しさを持つ宗谷のことが夏鈴は好きだった。
2人を乗せたRDXはレストランのある渋谷に向けて走った。
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