第3章 ~砂上の平穏~
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AM10:20 神奈川県横浜市 首都高湾岸線と東京湾岸道路の分岐点手前5000m…
宗谷『!』
零『お?』
首都高湾岸線を爆進し、横須賀市へ向かうBearCatの進行方向に無数の事故車両が見える。
亜貴『…事故車両ですか?』
宗谷『らしいな』
零『まぁ“コイツ”には関係無ぇぜッ』
ヴゥウウウウンッ
加速するBearCat。徐々に事故車両の大群が見えてくる。それは数台というレベルではなく、数十台が玉突き状態でスクラップ状態になっていた。
バコンッ
亜貴が天蓋を開けて車両の上部からそのスクラップ群を見る。
亜貴『…あの数は…ッ』
宗谷『…厳しいか?』
亜貴『……! 零ッ もうすぐ東京湾岸道路ですッ 分岐点が見えたら左に降りなさいッ』
零『了解ッ』
ヴゥウウウウンッ
零はBearCatを左に寄せる。
宗谷『…ッ』
零『ありゃ弾き飛ばすとかいう次元じゃねぇなッ』
亜貴『ッ…なるほど…あそこが原因ですか…』
ヴゥウウウウンッ
徐々に事故現場が近づいてくる。その数は数台十数台どころではなく、数十台にも及ぶ大規模な連続玉突き事故であった。
零『どした?』
亜貴『恐らく逃げるのに必死で逆走して上ってきた馬鹿がいたのでしょう。分岐点からスクラップ車両が詰まっています』
宗谷『…そこで車体が詰まってんなら、湾岸道路に降りるのも同じくらい車体にダメージがあるってことか…』
亜貴『ですが、ここでこのような事故が起きているということは、少なくともここから先は既に手遅れということでしょう。これ以上高速を使って奥に行っても無意味です。それにこの先も同じような事故現場が無いとも言えません。ならここで降りておいた方が賢明だと思います』
零『…よし。“コイツ”も相当やられるだろうけど、下に降りて様子を見るぞ。もしまだ前線がこの辺りにあるなら合流するッ』
宗谷『…解ったッ』
亜貴『えぇッ』
零はアクセルを踏み込んでBearCatを加速させる。
ウゥウウウウウウウンッ
110km/hまで加速し、猛スピードでスクラップ群に向かっていくBearCat。
零『衝撃に備えろよッ』
宗谷・亜貴『ッ』
ズドォン!!! ガシャアン!!! ギャドン!!!
零・宗谷・亜貴『ッ~~~』
砲弾や衝突物から乗員を守る頑丈な装甲車両の中でも特に高性能かつ堅固なBearCatと言えど、やはり乗用車との衝突は車内に大きな衝撃を与える。さらにそれが連続して伝われば、車内に伝わる衝撃は凄まじいものになる。
零『チッ』
ドゴン!! バリィン!! ジュドォン!!
宗谷『ッ~~~』
亜貴『これはなかなか…ッ』
凄まじい速度で衝突した為、スクラップ車両は次々と吹き飛ぶが、同時にBearCatも外装にダメージを蓄積していった。
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