第3章 ~砂上の平穏~
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11月4日 PM11:40 神奈川県横須賀市…
???「準備はいいか?」
???「あぁ。バッチリだ」
???「いよいよ計画の第二段階。“最初に逝った”ヤツらの犠牲を無駄にしない為にも、絶対に成功させるッ」
ウイルスに汚染された地域を完全に封鎖する為、横須賀市を南北に分断するように張り巡らされたフェンス。そのフェンスのそばで、数人の男が集まっている。そこに、仲間と思われる男が走ってきた。
???「ハァッ ハァッ ハァッ」
???「! どうしたそんなに慌てて…何かあったのか?」
???「いや。この付近にいた厄介なABUの連中を東の市街地の方に向かわせてきたッ」
???「よくやったぞッ 連中に遭遇したら計画に大きな支障をきたす」
???「あと20分……全員覚悟は良いな?」
???「「「「「おうッ」」」」」
???「お母様の為にッ」
???「「「「「お母様の為にッ」」」」」
11月5日 AM0:12 東京都目黒区・亜貴と絢音の自宅…
絢音「ハ~……楽しかった~!!」
亜貴『久々に集まって吞みましたねぇ。少しは息抜きになりましたか?』
絢音「うん!! 疲れなんか飛んでっちゃった♪ これでまた頑張れる!!」
亜貴と絢音は、零や宗谷達とカラオケを楽しんだ後、23:30頃に解散した。2人は目黒区の自宅マンションまで、酔い覚ましにブラブラと歩いて帰ってきた。
亜貴『それは何よりです♬ お風呂はどうします? シャワーで済ましますか?』
絢音「ん~……シャワーでいいかな~…お風呂だと寝ちゃいそうだしw」
亜貴『確かにw ではお先に入ってきなさい?』
絢音「は~い」
亜貴『支えましょうか?』
絢音「大丈夫だよ~」
絢音はふら~っとバスルームに向かう。亜貴は絢音がバスルームに入ったのを確認すると、自室に移動して机のPCを開く。
亜貴『…』
メールボックスを開くと、所属元である大鳳製薬株式会社の本社からのメールが届いていた。
亜貴『…ッ』
メールの内容は、ゴーレムウイルスの漏洩に伴い、潜入研究員の安全が保障出来ないと判断した為、日韓新興感染症対策機構の特殊部隊であるABUから即時離脱するよう警告するものだった。
亜貴『…』
亜貴は椅子の背もたれに深く寄りかかり、瞳を閉じて思考を巡らせる。
確かにこの状況下でABUに所属し続ければ、どこかのタイミングで危険な汚染地域に派遣される可能性が極めて高い。自分も不死身ではない。普通の人間だ。危険な感染地域に派遣されれば、感染し、命を落とす可能性も充分にある。
亜貴『(…確かにここで離脱する方が賢明ですが…)』
もし自分に何かあれば絢音を悲しませることになるだろう。それだけは絶対に回避しなければならない。それに自分だけABUを離れ、もし零や宗谷に何かあったら、怜奈と小百合に申し訳が立たない。保護者面をしているワケではなく、1人の“友”として。
亜貴『…フッ…僕も存外人間臭いようですね…』
亜貴はメールを返すことなく、メールボックスを閉じてPCの電源を落とした。
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