第2章 ~砂上の平穏~
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これはまだ、私と宗谷くんが高校生だった頃の話。
私達は目標としていた大学に合格する為、受験に向けて最後の追い込みをかける為に予備校に通っていた。
そして、予備校で行われた全国模試の返却日。それまで努力の成果が出る重要な日…
「…」
模試が返ってきた夕方、私は教室の隅で一人、絶望に打ちひしがれていた…
「(…終わった…)」
全国模試の結果は、私の予想を遥かに下回るものだった。
全く予想していなかった低成績…答案が返ってきた時、一瞬間違いではないかと疑った……当然間違いなハズもなく、正真正銘私の答案だった。
「…」
…今まで私がやってきたことて何だったんだろう…
どんなに辛くても、弱音を吐かずに頑張ってきた……これがその結果…
「…グスッ…」
悔しくて苦しくて、立ち上がることもできない…
親友たちとの時間も削って、昼も夜も勉強に打ち込んだ。ひたすら予備校に通い詰めた努力が、全て無意味だったんだ…そう思った途端、とてつもない失望感に苛まれた。
「(……もう…泣きたい…)」
淡々と教室を出ていくライバル達に置き去りにされ一人残った私は、ただ絶望と孤独の海に沈んでいく…
???「山﨑?」
「!?」
暗い孤独の海に落ちそうになった私を呼ぶ優しい声が、廊下の方から聞こえた……神居くんの声…
宗谷『…帰らんのか? お前のクラスは今日答案返しだけだろ?』
「ッ」
神居くんの顔を見た途端、私は思わず彼に向かって駆け出し、彼の胸に飛び込んでいた。
宗谷『! 山﨑…ッ』
「…うぅ…」
普段誰にも弱さなんて見せないのに、神居くんの顔を見たら感情が溢れてしまった…
宗谷『…』
「……全然ダメだった…」
宗谷『……そうか…』
「…グス…うぅ…」
宗谷『…』
本当は、こんな姿なんて見られたくない…
一緒に頑張ってきた神居くんには……ずっとそばにいてくれた神居くんだから、こんな私のみっともない姿は見せたくなかった…
「…ごめん……ごめんね?……今だけ…少しだけでいいから…こうさせて…」
宗谷『…』
神居くんの優しい手が、私の頭を優しく撫でる。彼が来てくれなかったら、多分私は孤独感と失望感でどうしようもなくなってたと思う…
神居が来てくれて、本当に良かった…
「…グスン…」
宗谷『…』
どれくらいの時間が経っただろう。神居くんは何も言わず、ずっと優しく抱きしめてくれてた。私のすすり泣く声と、時計の音だけが教室の中で聞こえてた…
「…」
宗谷『…落ち着いたか?』
少しだけ抱きしめる腕を緩め、俯く私の表情を覗く神居くん。
「…」(コクン)
来てくれたこと、いきなり抱き着いてしまったこと、それでも受け止めてくれたこと、「ありがとう」と「ごめんね」を言わなくちゃいけないのに…
宗谷『…なら、とりあえず帰るぞ。ここにいてもしょうがない』
「…」(コクン)
私は力無く頷くことしかできない。神居くんに支えられながら教室を後にした。
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