第1章 ~終わりの始まり~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
10月25日12:11 神奈川県横須賀市・ABU本部…
「第一封鎖線の構築は89%ッ このペースでは間に合いませんッ」
「第4隊と第7隊の被害が拡大ッ 後退を始めますッ」
司令「第1隊を援護に向かわせろッ 第2隊と第6隊は作業を完了次第後退を開始だッ」
日韓新興感染症対策機構のバイオハザード対応部隊の本部では、感染地域に派遣された部隊の状況報告や感染状況がひっきりなしに届いていた。
「司令…本部より電話が…」
司令「…繋げろ」
司令の顔が険しくなる。司令室に設置された最も大きなモニターに、白髪の老人が映る。
???「牧野君。どうかね、状況は…」
司令「はい…現在、STFに首藤博士の保護を急がせております。また、各地の封鎖線構築にはABUを向けております」
白髪の男はスーツ姿で、先ほどのオペレーターの言葉や司令の接し方を見るに、どうやら日韓新興感染症対策機構本部の重役のようだ。
???「…しくじるなよ? ABUにどれだけ犠牲を出しても構わん。絶対に救出しろ」
司令「ッ」
???「成功以外の報告は聞きたくない。いいな?」
司令「…はっ…」
???「よろしい。それでは任務の成功を待つ」
モニターの映像が切られる。
司令「…古狸がッ…」
司令は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「…司令…」
この時、ABU及びSTFはとある任務を受けていた。
司令「…第3隊と第5隊の状況は?」
「現在、第3隊・第5隊は現地での捜索を開始しています。ただ感染者の数が多く、手間取っているようです」
司令「…もし人手が必要なら第8隊も向かわせろ。封鎖線の構築は第9隊にッ」
「ハッ」
司令「STFはッ」
「……交信が途絶えましたッ GPSは横須賀駐屯地から3km地点で止まったままですッ」
司令「ッ……」
ABU本部に次々と被害の報告が届く。対ゴーレム戦闘に特化した兵士達、とりわけ精鋭である特殊機動部隊(STF)との交信が途絶えたという報告は、司令にとって非常に痛いものだった。
「各部隊が後退の許可を求めていますッ」
「司令ッ このままではッ」
司令「……」
日韓新興感染症対策機構の保安部隊であるABUとSTFの本来の目的は、民間人の保護や封鎖線の構築などではない。あくまでゴーレムの処理やEIDの要人警護だ。元々人員自体多い訳でもない。封鎖線を作りながら感染者に対応するというのは非常に困難であった。
指令「…残存する全部隊に通達しろ。これより前線を放棄し、第2封鎖線である横須賀市内に後退せよ」
「「!!」」
指令「これ以上被害が出ればABUが崩壊する。それだけは絶対に避けねばならんッ 持ち場を放棄し、第2封鎖予定区域である横須賀市北端へ交代させろッ」
「ッ…了解ッ」
外務省…
欧州局長「大臣ッ STFに出向してる神居から報告がッ」
外務大臣・林義正「!」
欧州局長「『三浦半島の封鎖は失敗の見込み。神奈川県全体の封鎖が必要となる恐れあり。神奈川県内の海外領事館職員に一時的な神奈川県外脱出の呼びかけをされたし』…」
林「…神奈川県全体ッ…!?」
「大臣。すぐにでも各領事館に通達すべきかとッ 混乱が起きてからでは手遅れになりますッ」
林「…よし。すぐに通達を出せッ」
「はいッ」
.