第1章 ~終わりの始まり~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
10月25日 8:30東京都千代田区霞が関 外務省庁舎国際法局国際法課課長室…
宗谷『課長。戦後75年を迎える来年こそ、千島列島が日本固有の領土であることは歴史的・国際法的観点からも明らかであることを談話に明記すべきです!! その為にもこの企画は今年中に是が非でもッ』
外務省欧州局ロシア課の一角に設けられた小さな会議室で、ロシア課課長と宗谷が話し合っている。
課長「…お前も解っているだろう。いくら新型ウイルスの影響で国力が落ちているとは言え、ロシアは大国だ。今ロシアの機嫌を損ねれば四島どころか二島すらも帰ってこなくなる」
宗谷『そのような弱腰でいるから舐められるのです。そもそも総理は四島どころか二島返還に妥協するなどという愚行を犯そうとしてるではありませんかッ』
会議室の外にも聞こえるくらいの剣幕で激論を交わす2人。職員達は何事かという顔で会議室を見る者と、「例の件か」と理解した表情の者もいる。
課長「俺にはどうしようもないッ 我々は政府の方針に従って動くしかないんだッ」
宗谷『ならばせめて俺を外務大臣の参加する局長会議に参加出来るよう欧州局長に掛け合ってくださいッ 俺から直接局長と大臣に進言しますッ』
課長「お前は事実上EIDに出向中の身だぞッ 会議になど出せる訳がないだろうがッ」
宗谷『ッ』
課長「…お前の気持ちはよく解る。だがお前の主張を通したいなら政府を変えるしかない。少なくとも今の政府の方針は“北方四島”の返還であり、総理は二島にしてでも取り返すとお考えなのだッ」
宗谷『ッ〜〜チッ』
課長「おい神居ッ」
宗谷は舌打ちをして会議室を出た。
8:45 東京都文京区・大鵬製薬株式会社…
亜貴「それではまた…」
ガチャ…
「先方はなんと?」
亜貴「とにかく集められるだけのサンプルを送ってくれるそうです。具体的な数や日程が決まり次第、連絡が…」
「…期待できそうですか?」
亜貴「…50:50と言った所でしょう。このご時世です。空輸するのも一苦労ですから」
「このままではワクチン開発がストップします。各研究所から追加の要請が毎日のように…」
国内最大手の製薬企業・大鵬製薬株式会社の本社ビルのオフィスで、亜貴が部下の社員と話していた。
亜貴『えぇ……各研究所へは当面在庫を節約して使うようにと伝えて下さい。調達のメドが立ったら直ぐに手配すると。いずれにしてもサンプルが届かなければどうしようもありません』
「…我々がワクチンを開発する前に日本でウイルスが拡大しなければいいんですが…」
亜貴『…我々に出来るのはサンプルからワクチンを開発することだけです。封鎖と対処は政府の仕事です』
「…空港での水際対策もいつまで保つのか…」
亜貴『ウイルスの感染経路は空だけでありません。海からも入ってきます』
「…船…港湾ですか?」
亜貴『全国の港湾では毎日無数の船舶が海外から入港しています。仮に感染者がいて港から漏れ出れば、ウイルスは一気に広がります。現在警察が港の監視を強化しているようですが、警察では感染の拡大は止められないでしょう』
「…」
.