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2019年10月11日20:00 東京都品川区・五反田…
西新宿に立ち並ぶ高層ビル群の中にある、一棟のタワーマンション…その一部屋の一室に、眼鏡をかけた青年が一人机のノートパソコンを見つめていた。
???「…」
眼鏡をかける青年が、椅子の背もたれに深く寄りかかる。
???「(世界的な新型ウイルス群の流行に対する有効なワクチン開発……威勢よく謳ったものの、実際は症状進行の遅延すらもままならないのが現実…)」
青年の向かうPCモニターには、ここ数年世界的に流行している複数の新型ウイルスのデータが映し出されていた。
???「(…海外支社も次々とやられ、サンプルも届かなくなってきてる…困りましたねぇ)」
2019年……世界では複数の新しいウイルスが猛威を振るっていた。治安・衛星環境が整っていない中南米やアフリカ諸国、中東、東南アジア、南アジアでいくつもの発展途上国が“消滅”していた。また、先進国でも米国やロシア、スペイン、イタリアなどでウイルスのパンデミックが発生し、内政が崩壊している国すらあった。
発生源の異なるそれらのウイルス群には、不思議と複数の共通点があった。
①致死率100%…
②感染者の血液・体液から感染する…
③死亡後に脳死状態で身体が活動を再開し、非感染者を襲う…
④ワクチンは無い…
???「(…宿主をコントロールさせるのは兎も角、死後に生命活動を再開させるなどあり得ない…)」
もう一つのモニターには、世界的な新型ウイルスの流行を受け、ウイルスや感染症の研究を目的に日本・韓国両政府が共同で設立した日韓振興感染症対策機構(EID)の情報が映っていた。
???「(もう少しテストをしたいですが、これ以上EIDからサンプルを持ち出すのは危険過ぎる…)」
???「亜貴くん?」
???「!」
青年のいた部屋のドアを静かに開ける女性。青年はそれに気づくと一瞬でパソコンの画面を関係のない動画配信サイトに移す。
???「ごはん…できたよ?」
???「あぁ、今行きます」
女性に笑顔を見せ、その青年はノートパソコンを閉じた……彼の名は進藤亜貴。
製薬企業・大鵬製薬株式会社の特別研究員の青年で、同社を業界トップに押し上げた功労者。日韓新興感染症対策機構の対テロバイオハザード部隊の精鋭=特殊機動部隊(STF)に潜入している、物語の主人公である。
???「…お仕事だった?」
亜貴『いえ、少し書類の確認をしてただけです』
PCを閉じ、椅子から立ちあがって部屋の電気を消して出てきた亜貴と手を繋ぐ女性……鈴本絢音。
儚げな雰囲気と凜とした顔立ちから、“日本文学の女神”と称される新人作家。デビュー作が本屋大賞を受賞し、優しい言葉選びと深みのある物語から一躍世間の注目を集めた。本作のヒロインの一人で、亜貴の恋人である。
絢音「ご飯、温かいうちに食べましょ?」
亜貴『えぇ、今行きます』
亜貴が絢音と手を繋ぎ、寄り添うように歩く。リビングに入ると、絢音の手料理がテーブルに並んでいた。
亜貴『おぉ!! これは美味しそうだ』
絢音「久しぶりだから奮発しちゃった////」
亜貴『早速頂きましょう♬』
亜貴と絢音がテーブルの席につく。
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