アッカーマン整体院*
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「お風呂ありがとうございました。あれ?まだお仕事ですか?」
「あぁ。悪りぃな仕事持ち帰ってきて。これだけはどうしても今日中にやっちまいてぇんだが、どうもこの類は苦手でな…」
リヴァイさんはさっきからローテーブルの上に置いたパソコンとにらめっこしている。ブルーライトカットの為なのか、珍しく眼鏡をかけ頬杖を付いて、男らしい無骨な指に普段は滅多に吸わない煙草が挟まっていた。確か自分がお風呂に入る前も同じ格好だったから考え事がかなり煮詰まっているようだ。隣に座ったタイミングでチラリと画面を見ると、何か入力するような項目が並んでいる。
「お店の登録ですか?」
「さっき入力した内容が、何故か反映されねぇ…」
「ちょっと見てもいいですか?」
腕を組み小難しい顔をしているリヴァイさんの隣で、マウスで画面を少し操作する。これは慣れないと解りづらいサイトだ。
「私がやってもいいですか?」
「分かるのか?」
「言ってませんでしたっけ?私仕事でwebとかスマホアプリのデザイン作ってるんです。だからこういう画面とか作業には慣れてて…」
「マジか。そいつはすげぇな」
リヴァイさんは「俺にはさっぱりだ」とデジタルに強い人間を尊敬しているみたいで心底関心している。
リヴァイさんは機械系がちょっと苦手。スマホを使うのも電話とメールとラインのみで殆ど触らないし、今開いているパソコンも仕事や調べものを少しする以外では使わない。 今時そんな人珍しくて最初はびっくりしたが、本を読む姿はとても様になっているし、今みたいにパソコンを使う時だけ黒いフレームの眼鏡をかける姿を見たときの特別感は堪らない。
普段マッサージしてもらってばかりだからたまには彼の役に立ちたい。
「そういえば前から思ってたんですけど、お店のホームページとか作らないんですか?マップからウェブサイトにとべるとすごくわかり易いし、いいと思うんですけど…もしよかったら私作りますよ?」
「あ〜…それな…」
リヴァイさんは少し考える素振りを見せ、短くなった煙草の火を灰皿で揉み消している。妹のミカサちゃんと二人で切り盛りしているからまた人手が足りなくなるのを心配しているみたいだ。今は無理してお客さんを増やさなくてもいいのだろう。経営者は考える事が色々あって大変だななんて思いながら、今手伝えることをやろうとサクサクっとパソコンを操作して作業を終了した。
「出来ました。一度見てもらっていいですか?」
「もうできたのか?早ぇな。俺が悩んでた時間は一体何だったんだ…」
「ふふ」
「ありがとうな」
「ん」
肩越しにお礼代わりのキスを貰い、作業中に私の後ろに周り込み肩から画面を見ていたリヴァイがイタズラに耳に唇を押し当ててわざと囁く。
「考えたが、サイトはまだ作らねぇ」
「ん…どうして?」
「まずはスタッフを増やさねぇと。それにこれ以上客が増えるとお前をマッサージする時間が減る」
「あんっ」
コツリと小さな音を立ててパソコンの隣に逆向きに置かれた眼鏡。そして背後から風呂上がりの火照った身体を優しくマッサージしていた手が本性を現してきた。肩や、首筋、背筋から、脇を通って前の方へ…
「これ、まさか仕事中も机に乗っけてんじゃねぇだろうな」
「い、家だけですよ!こうすると肩凝らなくて楽だからっ!」
「無自覚も困ったもんだな。絶対職場の男に見せるなよ。あと、人前で背伸びもするな」
無防備に机の上に乗せていたたわわな胸がリヴァイさんのそっちのスイッチを押してしまったらしく、セットアップのニットキャミソールやショートボトムの中に手が伸びてきて悪戯が始まってしまった。こうなると私の身体はどうにもならないと、彼は知っているのだ。
「あん…リヴァイさん待って…こんなとこじゃ…」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど…」
「けど?」
「ベッドで、ゆっくりしたい…」
「わかった。ベッドでトロトロに解そうな」
「はい…」
おねだりが上手に出来るようになった私のおでこにリヴァイさんが愛おしそうにキスをする。そして私専用の特別なマッサージが本格的に始まる前に、逞しい腕にひょいっと抱き上げられた私は今日も寝室へ運ばれて行くのだった。
おしまい