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「秋だねー」
空を見上げて楽しそうに言う横顔にそうだな。と相槌を打つ。
ゆっくり彼女が歩くペースに合わせて一緒に歩く夜道の河川敷。今日は朝から雲一つない空が続き、夜には星が沢山瞬いていて。部活帰りのこの時間がいつも楽しみで、もっと続けば良いのになんて、密かに思っていたり。
「夏の暑さと夜の静けさも好きだけど、秋のこの涼しさと静けさも良いね」
ふわりと風が吹き、彼女の髪を揺らす。あ、鈴虫の声。何て呟く彼女は乱れた髪を耳に掛けながら、俺の方を向いて笑ったのに思わずドキッとして慌てて顔をそらす。
「風丸?」
「あ、いや。何でもない」
そう?首を傾げるも、深く聞いてこない彼女はもう一度空を見上げた。
「あ、月」
「月?」
満月だねー!綺麗!とテンションの上がった彼女が一歩前に出てくるりと振り返って立ち止まった。
「どうした?」
「うん。あのね、」
そう言って1度眉をハの字に曲げた彼女は小さく息を吐いて、俺と視線を混じらせた。
月が、綺麗ですね!
(ふわりと笑った彼女は元の道へと鍔を返し)
(全力で走り出したのを)
(にやけが止まらない顔のまま)
(彼女の元へ駆け出した)
20180924
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