サニーデイ・ソング
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「……で、こっちが化学室ね」
科目別で使う教室を一つ一つ説明していけば、一つ一つに簡単に返事を返してくた。その言葉を合図に次の教室へと歩みを進める。今朝のHRで紹介された編入生は見覚えがあって。そういえばこの間観に行った試合でも雷門のユニフォームを着ていたな。と他の誰よりも先に落ち着きを取り戻した。担任に自己紹介を促され、席に誘導される。それを視線で追っていたらまさかのお隣さんで。
「あ、」
「お、」
同時に発した言葉は意味を持たなくて、彼もこんな言葉を発するんだなと何だか楽しくなって笑っていれば眉間に皺が寄ったのが見えて、慌てて担任の方を向いた。それから授業を受け、昼休み。ご飯も食べ終わり、飲み物でも買ってこようかと席を立とうとした所で隣から声をかけられた。
「鬼道くん、どうしたの?」
「悪いが案内を頼めないか?」
「案内?私で良いの?」
隣のクラスにサッカー部いるよ?なんて続ければ、お前が良いんだ。と言葉を返される。まあ、鬼道くんが良いのなら…。と返事を返せば宜しく頼む。と肩を竦めて笑っていた。
「あと、案内してない場所は…」
「風隠」
「ん?」
大丈夫か。振り返れば発せられた言葉に一瞬立ち止まり、そして優しく微笑む。
「大丈夫って言えたら良いんだけどね。でも、あの日鬼道くんに話を聞いてもらって、心が軽くなったよ。それは本当。だからね、前を向いて、今の私に何が出来るか、探してる途中かな」
心配してくれてありがとう。そう言ってより笑顔を作れば、そうか。と鬼道くんも笑った。
「何かあれば遠慮はするな」
話は聞いてやる。そう続けられた言葉に、やっぱり鬼道くんは優しい人だ。と嬉しくなった。
「……あ!あそこまだ行ってない!」
突然思い出したまだ案内していない場所。そこへ足を向ける。ニコニコと笑いながら、鬼道くんに帝国では入れた?と聞けば、余り赴いた事はないな。と返された。
「到着!屋上で……あ、」
扉を開けて屋上に入れば先客が何人かいて、そのメンバーは見覚えがあった。
「鬼道!」
「円堂か」
じー。私の後ろにいた鬼道くんに気づいた円堂くんが鬼道くんと話してる横で注がれる視線。こいつは誰だ、とか何で鬼道と?だとかいう視線に居たたまれない。しかも、その中には風丸もいる訳で。
「鬼道くん、鬼道くん」
ちょんちょんと鬼道くんの制服を引っ張れば、こちらを向く鬼道くんに私戻るね。お話しあるでしょ?と伝えれば、すまないな。と返ってきたのにいーえ!と笑って答える。
「それじゃ、お邪魔しました!」
そう一言かけて扉へ向かう。戻る際、サッカー部の皆の方へ視線を向ければ、風丸と目が合った、様な気がした。
夏空シンドローム
(やっぱり楽しそうだったな)
(いいな……)
20180717