黎明ファンファーレ
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「私も試合に出させて!」
グラウンドで不適な笑みを浮かべるダーク・エンペラーズ、基、風丸達を横目に強く言い放つ。その言葉に誰よりも早く反応したのは鬼道くんだった。
「ダメだ」
「何で!?」
「…お前は、ジェネシス戦で体力を使いすぎた」
「あと一試合くらいは大丈夫だから!」
「出てどうするんだ!?また必殺技を使って動けなくなるのか!」
突然の鬼道くんの怒鳴り声に驚いて後退る。周りの皆も眉を下げて事の結末を待っていて。その表情をぐるりと見てから、じっと鬼道くんを見れば、ハァ…と溜息をついて静かに言葉を発した。
「…もう誰も、お前が傷つくのを見たくないんだ。分かってくれ…」
そう言って鬼道くんは拳を握った。それは力強く、震えていて。
「……それでも、出させて。足手まといになるのも充分分かってる。でも、彼処にいるのは!闇に飲み込まれてるのは!私の大切な友達なんだ!」
だから私は手を伸ばしたい!例え何も出来ないとしても!パッと手を広げて訴える。それが私の本音だった。
付き合いが短かったけれど、色んな事を言える仲になった半田くんと松野くん。お菓子を持っていくと凄く嬉しそうに笑っていた少林寺くん、栗松くん、宍戸くん、影野くん。余り喋った事はないけれど、皆の話から察するに、サッカーに熱い情熱を持っている染岡くん。転校初日にまだ整備されていないグラウンドで、雷門の皆とサッカーするのが楽しみだと言ってボールを蹴っていた闇野くん。杉森くんと西垣くんは他校だけれど、試合を観た事があるから分かる。サッカーが好きだって事。そして、風丸。君の事は傍で見てたから分かるよ。責任感の強い君の事だから、自分を追い詰めすぎて、息苦しくなってるんだよね。純粋に強くなりたかったんだよね。円堂くん達の、力になりたかったんだよね。皆分かってるよ。だから早く、皆の元へ戻ってこよう?
震え出した体を優しく抱き締められた。突然でよろけるも踏ん張って立ち止まる。緩んだ腕から抱き締めた本人を見ればニッと笑った。
「そうだよな詩音!大切な友達で、仲間だもんな!」
「一緒に救おう!動けなくなったら、アタシが守ってあげるよ!」
「綱にい……塔子……」
「てことで鬼道。アタシ達からもお願いだ!詩音を出させてよ!」
三人で訴えれば、二度目の溜息が聞こえた。そして次に、絶対守るんだぞ。と塔子に鬼道くんが呟いたのにありがとう!とお礼を言う。
「よし!それじゃ、皆!それから風隠!絶対勝つぞ!」
綺羅星ブラックボックス
(響き渡る声とホイッスルに)
(挫けない様にと背中を伸ばした)
20190220