黎明ファンファーレ
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「綱海さん!」
私が止めたボールを立向居くんに託す。そのまま壁山くん、木暮くんと、どんどんパスが繋がり、最後に円堂くんへと繋がった。そして、並走する豪炎寺くんと雪吹くんにアイコンタクトをし、三人は円を作った。その円に応える様に8つの光が三人の周りに現れ、光はボールへ吸い込まれる。
「「「ジ・アース!!」」」
その光を力に、そして威力に換えて三人は同時にボールを蹴った。その必殺技はまるで雷門イレブンの繋がりであり、絆を表している様で。
恭馬やルル達が立ち塞がるも、止める事ができず吹っ飛ばされた。その瞬間、玲名とヒロトくんがボールを蹴り返そうと立ち塞がる。
「お父様の為に!」
「負ける訳にはいかない!」
「ヒロトくん…玲名…」
聞こえた切な思いに、玲名とヒロトくんの元へ駆け出したいのに足が言う事を聞いてくれない。このまま、何もしなくてもきっと、あの必殺技はゴールに入るだろう。それでこの試合は終了だ。なのに、
「…私の想い、まだ、伝えてない…」
「詩音?」
側に来た塔子が心配そうに私の顔を伺ったのに困った様にふにゃりと笑う。
「ねえ、塔子。……私も、」
「当たり前でしょ。あんたは元々、雷門なんだから」
誰も文句は言わないよ。言いたい事が分かったのか背中を思いっきり叩かれ笑われた。そんな塔子の姿に、やっぱり泣きそうになったのは私だ。
「ありがとう。…それから、ごめんね」
私の想い、届くかな。届くと良いな。そう願いながら地面を利き掌で円を描く様にそっと撫でる。
「…もう少しだけ、お願い。私の体、もって」
小さく吐き出す弱音と共に、私を囲う様に浮かぶ五線譜と躍り舞う音符達が現れたのを確認し、パンッと両手を合わせて目を瞑る。
「゛ギフト・コール゛」
目を開けるのと同時に必殺技の名を口にすれば、音符は矢となりボールめがけて飛んでいった。
「!……詩音……!」
「ゴォールッ!!風隠の必殺技がシュートチェインの様な働きをし、見事ゴール!そしてここで試合終了ッ!!4対3で雷門の勝利!!!」
ヒロトくんが私の名前を呼んだのと同時に、角間くんが遂に…遂にエイリア学園を倒しました!と熱の入る実況が響き渡ったのを最後に、私の意識は途絶えた。
ルシファー日和
(さらさらと砕けるエイリア石に)
(お疲れ様、役目果たせたかなぁ)
(何て聞いても返事はない)
20181202