黎明ファンファーレ
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ホイッスルが鳴るのと同時にパスを受けた玲名がボールを持って上がった。そこから怒濤の攻めを雷門イレブンは必殺技で対抗するが、全て止められたり防がれたりして為す術なしといった感じで苦戦を強いられていた。苦虫を噛み潰した様な表情をする雷門の面々を眺めながら私はと言うと、そんな攻防を陣地のゴール付近から傍観していた。
「流星ブレード!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
止めろ立向居!叫ばれた円堂くんの声も虚しく、立向居くんの必殺技は崩れ、ヒロトくんの放った流星ブレードがゴールに決まる。
「先取点はジェネシスだー!!」
響き渡る角間くんの実況を背にヒロトくんが此方へ戻ってきた。それを視線の隅に捉えつつ、雷門ベンチにいる人物へと目を向ける。
「……」
彼をこのフィールドへ引っ張るにはどうすればいいか。そんな事を考えていたら突然此方を向いた彼、雪吹くんに一瞬驚いて肩を揺らした。そのままお互い視線を外す事をしない為、取り敢えずにこりと笑ってみる。すると今度は雪吹くんが目を丸くしていて。
「…あ、あーやらかした、かも……?」
「顔をあげなさい!」
何て呟いても今更か。そんな事を思ったのと同時に雷門ベンチから投げ掛けられた言葉に一斉にそちらへ向く。見れば姉さんが雷門イレブンを鼓舞していて。最後に聞こえた私は信じているわ!の言葉に雷門イレブン達の雰囲気が変わったのに少し、ほんの少しだけ皆が羨ましくなったのは秘密だ。
「先取点を奪われた雷門!」
ピピーッ!と試合続行のホイッスルが鳴り、角間くんの実況が再び再開する。先程よりも勢いが増した雷門イレブンが此方へ向かってきた。
「爆熱ストーム!」
ゴール前まで走ってきた豪炎寺くんが必殺技を放った。しかし、それはゴールへいかず、反対方向に向かって。何をやっているんだと思った時には円堂くんが此方へ向かって走っていた。
「行け、円堂!」
「はぁあああ!メガトンヘッド!!」
「プロキオンネット!」
流石にこのシュートチェインにはネロも必殺技でボールを阻止していて。手に収まったボールと眉間に皺を寄せた豪炎寺くんを見て、ネロは口許を緩ませていた。
「グランに渡すな!」
その直後に聞こえてきた鬼道くんの言葉とそれに反応してヒロトくんをマークする雷門イレブンに、ヒロトくんは可笑しそうに笑っていた。その反応を見てからチラリ、と玲名を見れば顎で上がれ。と指示されたのに小さく息を吐く。
「……行きますか」
その声はこの場には似つかない程、悲しさを含んでいて、そしてそれはすぐ空にとけていった。
恒星ラカージュ
(このまま私は、)
(何もできずに終わるのかな…)
20181112