黎明ファンファーレ
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「とうとう来たね、円堂くん」
「ああ、お前達を倒す為にな!」
ニヒルな笑みを浮かべて言うヒロトくんと力拳を作り、強く言い放つ円堂くん達をボーッと眺めながら、敵になったけどこうやってフィールドにいるの新鮮だなぁ何て場違いな事を思った。
「俺は、父さんの為に最強になる。最強でなければならないんだ」
ヒロトくんと円堂くん二人の会話がどんどん進み、強調された最強の言葉に円堂くんがお前自身はどうなんだ?とかけられた言葉には返事をせず、お互い信じるものの為に全力で戦おう。と鍔を返したヒロトくんに思わず溜息が出た。
「……あ!詩音!?」
何でお前が!突然の綱にいの大声で名前を呼ばれ、思わず肩を小さく揺らす。あーこれ、バレたなぁ。少し嫌な顔をしながら振り返れば目を丸くしている雷門一同に心の中で謝りつつも、いたって冷静に平然を装って静かに口を開いた。
「…私がこちら側にいて、何か問題が?」
「おい、何言ってんだよ!」
風隠!詩音!と私に気づいた面々が悲しそうな、悔しそうな顔をしながら名前を呼ぶのに本当ごめんね!と心の中で泣く。これ以上関わらないで、早く試合やろう。これ以上はボロが出る!何て内心焦ってるのがバレたのか、ヒロトくんが助け船を出してくれた。
「彼女、スピカは最初から俺達ジェネシスの仲間だよ」
「スピカ!?」
「仲間ってどういう…」
「そのままの意味だけど?」
「意味わかんないよ詩音!」
塔子の叫ぶような声に交ざった、この人サッカー出来るの?と呟かれた木暮くんの言葉に軽く睨み付け、ヒロトくんの説明に解せないと言う顔をする綱にいと塔子に不気味なくらいニコリと笑って鍔を返す。あの日たった一回、初めましてって自己紹介しただけなのに、こうも私の心配をしてくれる二人や皆に思わず泣きそうになったけど、そこをぐっと堪えて自分のポジションへ向かう。
「……スピカ」
「…分かってる」
大丈夫。心配そうに声をかけてくれたヒロトくんに、まるで自分に言い聞かせるかの様に優しく笑って伝えれば、一瞬眉を下げ、そして小さく頑張ろう。と呟いてポジションへついた。
「皆さんいよいよ世紀の最終決戦の時がやって参りました!」
何処からともなく現れた角間くんの実況がグラウンドに響き渡る。小さく深呼吸をして目の前の雷門イレブンを見れば、皆と視線が交わったのに驚いた。
「……本当、最高だね」
「?スピカ、何か言った?」
「ううん、何でもない」
側にいた玲名に軽く言葉を拾われたらしく、声をかけられたのに首を振って答えれば、そう。と返事を貰った。そのまま顔を雷門へ向けた玲名と同じ様に雷門へ顔を向ける。その際、ベンチにいる彼を視界に入れて。
「 さぁ!遂に運命のキックオフ!」
木霊する角間くんの声とホイッスルの音に、試合に集中し直す。私のやるべき事の為、ほんの少しの間で良い。お願いエイリア石、力を貸して。
幕開けフィーネ
(さあ、)
(物語を終わらせよう)
20181102