黎明ファンファーレ
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「何あれ」
「反抗期かな」
ええーなにそれ…。下に見えるグラウンドにいる二人を指差してヒロトくんに聞けば、返ってきた返事にあの二人らしいなと妙に納得した。
「俺がジェネシスの称号を父さんから貰ったのが納得できないんだと思うよ」
ほら、バーンとガゼルって負けず嫌いな所あるから。私の方を向いてニコリと笑ったヒロトくんにそうだね。と返事を返してもう一度視線を下のグラウンドに戻す。
「……円堂くん、リベロなんだ」
ポロリと口から出た言葉に慌てて手で塞ぐ。よく見れば立向居くんがGKをしている。成程、色々と考えてのポジションチェンジか…。何て前回知り合った皆の顔を一人一人見ながら思う。と、そこでベンチを見て首を傾げた。
「?どうしたの」
「あ、いや…何でもないよ?」
首を傾げた瞬間を見られて声をかけられたのに少し動揺しながらもニコリと笑って平然を装う。そう?とヒロとくんは呟いて視線をグラウンドに戻したのを確認して、自分ももう一度視線をグラウンドに戻す。
「(やっぱりだ)」
吹雪くんが、ベンチにいる…。その理由がわからなくて腕を組む。何でだろう。どこか怪我してるとか…。でも会った時はそんな素振りなかったし…。
うーん。と考えても何も浮かばないし、試合は進むしで途中で考える事を止めて試合に集中する。グラウンドでは、あの帝国学園を再起不能にした神様、アフロディくんが一心不乱に突破口を掴もうと一人でDFに突っ込んでいた。
「っ!」
思わず目を背けた。痛々しい姿に思わず自分を重ねそうになるくらいに。このまま彼が突撃しまくれば、彼はきっと…。
「…大丈夫だよ」
「え……?」
思わず強く握っていた拳にそっと手を添えられた。背けた顔をヒロトくんに向ければ、彼は少し寂しそうに笑って今まさに衝突しそうなアフロディくん達の間にボールを蹴った。
偶像レクイエム
(楽しそうだね)
(そう言って下に降りたヒロトくんは)
(やっぱり昔と変わらない、優しい人だった)
20181006