黎明ファンファーレ
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「おーい!」
風隠ー!!工事中の校舎を眺めながら歩いていれば私を呼ぶ声が聞こえた。立ち止まってキョロキョロと見渡していれば突然掴まれた腕に肩を揺らす。掴んだ本人を見れば、ニヒッと眩しく笑って口を開いた。
「なにしてんだよ!お前以外いないだろー!早く来いよ!紹介したい奴らがいるんだ!」
「え、ええええ!?」
円堂くん!?何で!?私!?と引っ張られる様についていった先にはテレビ越しで見た事のあるメンバーが。おまたせ!とその人達に声をかけた円堂くんと私を見て首を傾げた皆にそりゃそうだ。と心で突っ込む。
「キャプテン、その子は?」
「風隠って言うんだ!サッカー部じゃないけど、よく手伝ってくれるんだ!」
「あ、風隠詩音です初めまして。……じゃないから!手伝いも1回しかしてないから!円堂くん!紹介するならちゃんとして!」
腕を離された事により円堂くんの両肩に手をついて揺らせば相変わらずニコニコ笑いながらなっ?面白い奴だろ?何て紹介するのに溜息しかでない。
「初めまして。僕は吹雪士郎。宜しくね、詩音ちゃん」
「アタシは財前塔子!よろしくね!」
「俺は綱海条介だ!」
「た、立向居勇気です!初めまして!」
「吹雪くん、財前さん、綱海さん、立向居くんね。こちらこそ宜しくね」
「で、あそこの一之瀬といるのがリカで、あっちで悪戯してるのが木暮だ!」
そう円堂くんからの補足にへぇ…。と相槌を打つ。そっか彼らが。彼らが新しい雷門イレブン。一人一人をじっと見つめていれば吹雪くんと目が合い、ニコリと笑われたのに慌てて目を反らす。
「ねえ、財前さんって堅苦しいからさ。塔子って呼んでよ」
「お!なら俺も!綱海でいいぜ詩音!」
「ええ……それは少し抵抗が……」
で、私も詩音って呼ぶからさ!ニッと笑った財前さんとなら好きに呼んでくれ!と言った綱海さんにそれじゃ、お言葉に甘えて。と笑い返して塔子。つ、綱にい…。と呼べば何、詩音?と二人に笑い返された。
「早速打ち解けてる様だな」
「あ、鬼道くん」
久し振り。塔子達に後で。と伝えて鬼道くんの元へ駆け寄ってそう言えば、久し振り。と返され、じっと見つめられたのに首を傾げる。
「どうしたの?」
「余り驚いていないなと思ってな」
「驚く?何を?」
意味が分からないと更に首を傾げれば相変わらずだな。と笑われた。
「…新しいメンバーが増え、そして去っていったメンバーがいる、という事だ」
「…ああ、風丸、だね」
「…知っていたか」
静かに吐かれた息と同時に発せられた言葉には覇気がなくて。まあね。と返した自分の言葉も何だか弱々しく聞こえた。
「風隠、」
「豪炎寺くん!」
久しぶりだな。そう言って笑った豪炎寺くんは私達の元へ歩み寄った。
「あの日以来だね」
「そうだな」
「何だ。風隠、お前何か知っていたのか」
二人の会話についていけないと眉間に皺を寄せた鬼道くんに豪炎寺くんと顔を見合わせて笑う。
「詳しい内容は知らないよ?でも、ここに豪炎寺くんがいるって事は、ちゃんと道は交わったって事でしょ?」
ね?何て笑いかければフッと笑う豪炎寺くんと、そうだな。と鬼道くんは優しく笑いながら腕を組み直した。
「あ、ごめん。私だ」
その直後に鳴り響いた携帯の着信音に、謝りながら携帯を開けば送り主は姉さんで。何だろう。と内容を開けば表れたのは地図とここに来て。という短い文。
「?ごめん、私、いかなくちゃ」
「そうか。円堂が呼び止めてすまなかったな」
「いやいや!皆と久々に会えて良かったよ!」
またね!そう言って笑顔で手を振り、指定された場所へ向かう。筈だった。
「!?ぅ……あ……」
首の強い衝撃に意識が遠退く。最後の力で見たものには覚えがあった。
曇天ギャラクシー
(ヒロト、くん……?)
20180902