天翔音姫
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『君にとって、ポケモンとは?』
街頭テレビから聞こえてきた言葉に自然と眉間に皺が寄った。立ち止まって聞こえてきた方を向けば、何処かの地方の博士がニコニコと笑いながらポケモンの良さを語っていた。
ポケモン。ポケットモンスターという動物図鑑にも載っていない摩訶不思議な生き物で現在では600種類以上も発見されている。そして其処らかしこに彼らはいて、人間とポケモンは一緒に生活をしている、そんな世界。
誰でも10歳になればトレーナー免許の資格が貰えてポケモンと一緒に旅に出る。可愛い子には旅をさせろ、とはこの世界に住んでいれば嫌でも耳にする言葉だ。各云う私もその世界の1人で、トレーナー免許を貰ったので旅に出た1人だ。ふらふらと何処吹く風の様に、ジムを巡る訳でもなく、ただこの世界を見て回っている。
『君達には沢山の可能性がある。ポケモン達と旅をし、沢山の経験を積み、いつかまた私の所へ戻ってきた時、もう一度この言葉を君達に送ろう。その時君達の答えを楽しみにしているよ』
ーー君にとってポケモンとは、どんな存在かい?と。そう言い終わると街頭テレビはCMに入ったのかデパートの紹介やおいしい水の宣伝等が流れ出したのを見て再び歩き出す。
「私にとって、ポケモン達は…」
ぽつりと呟いて目を伏せる。その後に続く言葉が見つからない。別にポケモンが嫌いな訳ではない。寧ろ大好きだ。ただ、自分の生まれ持った体質の所為か距離を置いてしまっていて反応に困る、そんな所。
「…私は君達に、どんな存在でいてほしいんだろう」
そっと腰に付いたボールを触る。カタリと揺れたボールは、まるでのんびり探していこう。と伝えてくれたみたいで安心した。
「…さ、気を取り直して次の街へ向かおう。」
ポケギアを開いて地図を出す。ここから近いのは…。と確認して何処にも繋がっていないヘッドフォンを耳にかけ直した。
20180629
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