エピローグ(裏)
自分を追放した忌々しい場所であると同時に、生まれ故郷でもあった四季の森を壊滅させた魅禄は、王都への帰還後。ナイトへと成果報告を行った
遺体とはいえ、以前は神として崇められていた種族が手に入った事でコレクションが増えたと彼は大層喜んでいた。 そして四季の森も無くなったことで周辺の国々との行き来が便利になったおかげで、より一層自分の国は新しい文化を取り入れそして豊かになると語った。
その日の夜。ナイトは彼らを労うために、主要な人物だけを招いた祝宴を開いてくれた。
参加者はナイトと近衛兵隊長のイザヨイ、魅禄、フリージルと参加者は彼女の為にと少人数ではあるのだが、絢爛豪華な食事が並べられ高価なワインに舌鼓を打ちながら上機嫌な彼女は自分自身にも酔いしれていた。
『うっふふふ。あぁ…今日はなんて素晴らしい日なのかしら…っ!ようやく私の時が来たのね!』
グラス片手に悦に浸り、まるで愛おしい者でも見つめているかのように蕩けた目でワインを見つめては少しずつ口に含み、その芳醇な味わいを楽しんでいた。
『ふっくくく。賢者様は随分とご満悦のご様子ですねぇ』
イザヨイも上機嫌で笑っていると、彼女の様子を遠目から見ていたフリージルは、しばらく何か言いたげに口をモゴモゴと動かしていたが…やがて意を決して彼女へと話しかけた
『ね、ねぇマスター…』
遠慮がちに話しかけてきた彼に気が付いた魅録は、飲んでいたワインをテーブルに置くと 小動物を思わせるような可憐で愛らしい笑顔で振り向く
『あら?なぁにフリージル。今日は機嫌がいいから多少の無礼講ぐらいは許してあげるわよ?はぁぁぁ…っなんて素敵で幸福に満ちた時間なのかしら…っ♡』
完全に陶酔しきっている様子の彼女に内心でため息をついていたが、この際…どうしてもハッキリさせておきたいことがあった
『アタシとの契約…どうなるのかしら?一応はマスターの悲願が達成されれば満了って話だったけど…』
普段は恐ろしくて聞けないが、彼女が上機嫌で無礼講も(一応は)許すと言ってくれているのだ。今しか無いと思い尋ねると、彼女は『あぁそういえば…』と少し興味なさそうに呟いた。
『好きなようにしていいわよ。森が無くなったから、今の私も魔法は使えないもの 森で倒れていたみずぼらしいオウムのお前だったけど、それなりに使えたわ』
あっさりとした物言いだったが、それは事実上の契約破棄。つまり魅録は、今後自分に仕えるのは自由にして構わないと言ったも同然。 その意味を理解したフリージルは一瞬驚いた表情を見せたが、彼女の機嫌を損ねないようにその場からそっと離れると、入れ替わるようにナイトが彼女のもとへと歩み寄り空になったワイングラスへと酒を注ぎ足していく。
「僕の賢者様が上機嫌で何よりだよ…。君のおかげで、森を開拓する手間が省けたから明日から早速整備工事に取り掛かろうと思うよ」
優しく彼女を後ろから抱きしめるように密着しながら片方の指を絡め、耳元で囁くように語り掛けると、魅録はさっき注がれたワインを口にしながら視線だけを彼に向け優しく微笑む
『あら?貴方の為じゃないわ。私の目的はあくまでも私を迫害した奴らの殲滅ですもの…うっふふふ。国王陛下としても、古い信仰対象の奴らを一掃出来て幸せでしょう?』
「そうだねぇ……。君のお陰でこの国にとっても都合の良いことばかりだからね……。これからもよろしく頼むよ……賢者様」
彼女の赤く長い髪をサラサラと手で触りながら口角を上げ、露わになった白い首筋へ首筋にキスをしようとしたが…先に彼の唇に指を当てておあずけをすると、腕からスルッと簡単に抜け出してしまう。
その事に苦笑いを浮かべる彼であったが、「ふっ…あっははは。どうやら今夜はフラれてしまったなぁ…そんなに焦らされたらますます君を手放せなくなりそうだよ」
残念そうな口調とは裏腹に楽し気に笑うナイトに対して、魅録もくすりと小さく笑いながら軽く彼を挑発するかのように、その場で艶っぽく。あえて見せつけるようにドレスの裾を摘まみながらクルリと回り『今夜はだぁめ♡』と甘く囁いた。
それからは料理をつまんだり、ワインを嗜んでいる最中も周りからの酌を受けるなどして過ごしていき時間は瞬く間に過ぎ去っていき夜も更けて行ったころ……魅禄はほんのりと赤くなった頬に手を当て「ん~……」と眠た気にあくびをしてから、『少し気分転換でもしてくるわ』と告げて席を外した。
遺体とはいえ、以前は神として崇められていた種族が手に入った事でコレクションが増えたと彼は大層喜んでいた。 そして四季の森も無くなったことで周辺の国々との行き来が便利になったおかげで、より一層自分の国は新しい文化を取り入れそして豊かになると語った。
その日の夜。ナイトは彼らを労うために、主要な人物だけを招いた祝宴を開いてくれた。
参加者はナイトと近衛兵隊長のイザヨイ、魅禄、フリージルと参加者は彼女の為にと少人数ではあるのだが、絢爛豪華な食事が並べられ高価なワインに舌鼓を打ちながら上機嫌な彼女は自分自身にも酔いしれていた。
『うっふふふ。あぁ…今日はなんて素晴らしい日なのかしら…っ!ようやく私の時が来たのね!』
グラス片手に悦に浸り、まるで愛おしい者でも見つめているかのように蕩けた目でワインを見つめては少しずつ口に含み、その芳醇な味わいを楽しんでいた。
『ふっくくく。賢者様は随分とご満悦のご様子ですねぇ』
イザヨイも上機嫌で笑っていると、彼女の様子を遠目から見ていたフリージルは、しばらく何か言いたげに口をモゴモゴと動かしていたが…やがて意を決して彼女へと話しかけた
『ね、ねぇマスター…』
遠慮がちに話しかけてきた彼に気が付いた魅録は、飲んでいたワインをテーブルに置くと 小動物を思わせるような可憐で愛らしい笑顔で振り向く
『あら?なぁにフリージル。今日は機嫌がいいから多少の無礼講ぐらいは許してあげるわよ?はぁぁぁ…っなんて素敵で幸福に満ちた時間なのかしら…っ♡』
完全に陶酔しきっている様子の彼女に内心でため息をついていたが、この際…どうしてもハッキリさせておきたいことがあった
『アタシとの契約…どうなるのかしら?一応はマスターの悲願が達成されれば満了って話だったけど…』
普段は恐ろしくて聞けないが、彼女が上機嫌で無礼講も(一応は)許すと言ってくれているのだ。今しか無いと思い尋ねると、彼女は『あぁそういえば…』と少し興味なさそうに呟いた。
『好きなようにしていいわよ。森が無くなったから、今の私も魔法は使えないもの 森で倒れていたみずぼらしいオウムのお前だったけど、それなりに使えたわ』
あっさりとした物言いだったが、それは事実上の契約破棄。つまり魅録は、今後自分に仕えるのは自由にして構わないと言ったも同然。 その意味を理解したフリージルは一瞬驚いた表情を見せたが、彼女の機嫌を損ねないようにその場からそっと離れると、入れ替わるようにナイトが彼女のもとへと歩み寄り空になったワイングラスへと酒を注ぎ足していく。
「僕の賢者様が上機嫌で何よりだよ…。君のおかげで、森を開拓する手間が省けたから明日から早速整備工事に取り掛かろうと思うよ」
優しく彼女を後ろから抱きしめるように密着しながら片方の指を絡め、耳元で囁くように語り掛けると、魅録はさっき注がれたワインを口にしながら視線だけを彼に向け優しく微笑む
『あら?貴方の為じゃないわ。私の目的はあくまでも私を迫害した奴らの殲滅ですもの…うっふふふ。国王陛下としても、古い信仰対象の奴らを一掃出来て幸せでしょう?』
「そうだねぇ……。君のお陰でこの国にとっても都合の良いことばかりだからね……。これからもよろしく頼むよ……賢者様」
彼女の赤く長い髪をサラサラと手で触りながら口角を上げ、露わになった白い首筋へ首筋にキスをしようとしたが…先に彼の唇に指を当てておあずけをすると、腕からスルッと簡単に抜け出してしまう。
その事に苦笑いを浮かべる彼であったが、「ふっ…あっははは。どうやら今夜はフラれてしまったなぁ…そんなに焦らされたらますます君を手放せなくなりそうだよ」
残念そうな口調とは裏腹に楽し気に笑うナイトに対して、魅録もくすりと小さく笑いながら軽く彼を挑発するかのように、その場で艶っぽく。あえて見せつけるようにドレスの裾を摘まみながらクルリと回り『今夜はだぁめ♡』と甘く囁いた。
それからは料理をつまんだり、ワインを嗜んでいる最中も周りからの酌を受けるなどして過ごしていき時間は瞬く間に過ぎ去っていき夜も更けて行ったころ……魅禄はほんのりと赤くなった頬に手を当て「ん~……」と眠た気にあくびをしてから、『少し気分転換でもしてくるわ』と告げて席を外した。
