第四章
「隊長サマよぉ、あっちのガキはどうするんだ?」
「あぁアレは…ふっくくく。放っておいても問題ございませんよ この状況で逃げ切れるはずがないのですから……」
「ハッ!相変わらず性格悪ぃな!」
「そんなことありませんよ。ただワタシは思ったことを言っているだけです。」
「そうかい、そうかい」
イザヨイとセドは軽口を言い合いながら残りを仕留めるべく駆け出した。
『ほれ、童もしっかりせぬか!幸か不幸かワシらのことは眼中に無いみたいじゃから今のうち貴様も急ぐぞ』
カナメに肩を貸してもらいつつマチルダも遅れて移動を再開するが、
地面が隆起し倒木のせいで道も塞がれているところも多い為。移動に苦戦していると、その声を聞いていた撫子が足を止め呼びかける
『カナメ!こっちにまだ道があるからそこを通りなさい』
『!あぁすま……っ!撫子後ろじゃ!!』
カナメ達に意識を向けていたこともあり、背後に迫っているイザヨイの存在に気づくのが遅れてしまい、カナメの声で振り返ったと同時だった。小型のナイフに切り替えていた彼の手によって右眼が縦に切り裂かれてしまう。
『撫子っ!!!』
声を荒げカナメが叫ぶが、眼球を切り裂かれ視界が半分赤く失われた状態では満足に動くことも出来ず、鞘に収めた剣を横なぎに振るわれて脇腹を殴打されてしまう。
その衝撃で鈍い音を立てながら身体は隆起した倒木の方へ飛ばされてしまったが、近くを逃げていた辰冥がそれに気づき寸前のところで受け止めてくれた
だが勢いも強かったこともあり受け止めた衝撃で骨が軋み折れる音が響き、苦痛で表情を歪めたがお互いにすぐに体勢を整える
『ぐ……っはぁ…はぁ…ありがとう辰冥…さすがね』
『ふ、ふふ……。礼はお互いに生き残ったあとにしましょう。…それより』
先程までは一緒に手を繋いでいた辰冥だったが、撫子のフォローへ入った時に巳虚の手を離してしまっていたので、彼は血相を変えて巳虚の姿を探していると、少し離れた場所から必死に追いつこうと走る姿を見つける
『巳虚!私はここにいる!そのまままっすぐ進みなさい!』
『!うん!』
辰冥の声に気付き、こちらへ向かって走っている時だった。再び地鳴りを伴った地響きのせいで足元がぐらつき体勢を崩して転んでしまう。それでも懸命に立ち上がり走るのだが木の根で足を取られ再び転んでしまった巳虚は遂に不安と混乱がピークに達っしてしまい遂に泣き出してしまった
『!巳虚っ!!』
『ひぅっ……うぇぇえんっ!!怖いよぉっ!しん、めいぃっ…どこぉっ!?』
痛みよりも不安感の方が強く、恐怖心から更に涙腺が崩壊して頬に大粒の涙を流して嗚咽を上げながら泣いてしまった彼を宥めるべく辰冥は慌てて彼の元へ戻って抱き起こしてやる
本来なら誰か一人でも生き残る事を優先して、巳虚を置いていく方が最残なのかもしれないが…そんな非情な決断を下すことは彼にはできなかった。
『しー…っ泣くでない巳虚。大丈夫…大丈夫だからな』
『ひぅっ……でもっ……でもぉっ!!』
ぐずる巳虚を宥めるべく、焦りつつも視線を合わせながら話しかけているその姿に気づいたセドは、ニヤッと口角を上げると、標的を彼らへと変更し、少し大回りして気づかれないように戻って彼らの背後へ迫り
「そんなガキ一人に構ってる暇なあんかあるのか…よっ!!」
言い切ると同時に勢いよく巳虚の背中から一気に刀を突き刺し、その勢いを保ったまま同時に辰冥の胸部も貫き串刺しにした。
『あ……が……っ!?』
『ぐっ!?ぁ……がはっ!?』
突然の事に呆然と目を見開く二人。刀が深々と貫通したことで、二人の口からも血液が逆流し溢れ出し、激しく咳き込んだ事でさらに大量の血液が吐き出される。
その光景を目の当たりにしたセドは愉快そうに笑うと刀を引き抜いてから、再度とどめと言わんばかりに倒れた二人を斬りつけた
「あははははっ!やったぜっ!ようやく仕留めたぞっ!!」
二人の鮮血を浴びながらセドが歓喜に打ち震えている中、その光景を遠巻きにだが見てしまった水晶は声にならない悲鳴をあげる。
「あぁアレは…ふっくくく。放っておいても問題ございませんよ この状況で逃げ切れるはずがないのですから……」
「ハッ!相変わらず性格悪ぃな!」
「そんなことありませんよ。ただワタシは思ったことを言っているだけです。」
「そうかい、そうかい」
イザヨイとセドは軽口を言い合いながら残りを仕留めるべく駆け出した。
『ほれ、童もしっかりせぬか!幸か不幸かワシらのことは眼中に無いみたいじゃから今のうち貴様も急ぐぞ』
カナメに肩を貸してもらいつつマチルダも遅れて移動を再開するが、
地面が隆起し倒木のせいで道も塞がれているところも多い為。移動に苦戦していると、その声を聞いていた撫子が足を止め呼びかける
『カナメ!こっちにまだ道があるからそこを通りなさい』
『!あぁすま……っ!撫子後ろじゃ!!』
カナメ達に意識を向けていたこともあり、背後に迫っているイザヨイの存在に気づくのが遅れてしまい、カナメの声で振り返ったと同時だった。小型のナイフに切り替えていた彼の手によって右眼が縦に切り裂かれてしまう。
『撫子っ!!!』
声を荒げカナメが叫ぶが、眼球を切り裂かれ視界が半分赤く失われた状態では満足に動くことも出来ず、鞘に収めた剣を横なぎに振るわれて脇腹を殴打されてしまう。
その衝撃で鈍い音を立てながら身体は隆起した倒木の方へ飛ばされてしまったが、近くを逃げていた辰冥がそれに気づき寸前のところで受け止めてくれた
だが勢いも強かったこともあり受け止めた衝撃で骨が軋み折れる音が響き、苦痛で表情を歪めたがお互いにすぐに体勢を整える
『ぐ……っはぁ…はぁ…ありがとう辰冥…さすがね』
『ふ、ふふ……。礼はお互いに生き残ったあとにしましょう。…それより』
先程までは一緒に手を繋いでいた辰冥だったが、撫子のフォローへ入った時に巳虚の手を離してしまっていたので、彼は血相を変えて巳虚の姿を探していると、少し離れた場所から必死に追いつこうと走る姿を見つける
『巳虚!私はここにいる!そのまままっすぐ進みなさい!』
『!うん!』
辰冥の声に気付き、こちらへ向かって走っている時だった。再び地鳴りを伴った地響きのせいで足元がぐらつき体勢を崩して転んでしまう。それでも懸命に立ち上がり走るのだが木の根で足を取られ再び転んでしまった巳虚は遂に不安と混乱がピークに達っしてしまい遂に泣き出してしまった
『!巳虚っ!!』
『ひぅっ……うぇぇえんっ!!怖いよぉっ!しん、めいぃっ…どこぉっ!?』
痛みよりも不安感の方が強く、恐怖心から更に涙腺が崩壊して頬に大粒の涙を流して嗚咽を上げながら泣いてしまった彼を宥めるべく辰冥は慌てて彼の元へ戻って抱き起こしてやる
本来なら誰か一人でも生き残る事を優先して、巳虚を置いていく方が最残なのかもしれないが…そんな非情な決断を下すことは彼にはできなかった。
『しー…っ泣くでない巳虚。大丈夫…大丈夫だからな』
『ひぅっ……でもっ……でもぉっ!!』
ぐずる巳虚を宥めるべく、焦りつつも視線を合わせながら話しかけているその姿に気づいたセドは、ニヤッと口角を上げると、標的を彼らへと変更し、少し大回りして気づかれないように戻って彼らの背後へ迫り
「そんなガキ一人に構ってる暇なあんかあるのか…よっ!!」
言い切ると同時に勢いよく巳虚の背中から一気に刀を突き刺し、その勢いを保ったまま同時に辰冥の胸部も貫き串刺しにした。
『あ……が……っ!?』
『ぐっ!?ぁ……がはっ!?』
突然の事に呆然と目を見開く二人。刀が深々と貫通したことで、二人の口からも血液が逆流し溢れ出し、激しく咳き込んだ事でさらに大量の血液が吐き出される。
その光景を目の当たりにしたセドは愉快そうに笑うと刀を引き抜いてから、再度とどめと言わんばかりに倒れた二人を斬りつけた
「あははははっ!やったぜっ!ようやく仕留めたぞっ!!」
二人の鮮血を浴びながらセドが歓喜に打ち震えている中、その光景を遠巻きにだが見てしまった水晶は声にならない悲鳴をあげる。
