第四章
今すぐにでも何か手を打たねばならないと分かっているのに…自分たちの守ってきた森が、こんなにも簡単に奪われ壊されていく光景に、カナメ含め四季族の皆は逃げることも忘れ一様に言葉を失い呆然と立ち尽くしていた。 只一人を除いて…
『あっ…ははは!!あぁ…さいっこうの景色。何もかもこれで終われるのね…』
恍惚の表情を浮かべ、愉悦浸る彼女の元へもう一人の近衛兵であるリースも合流してしまう。
「あっつー…隊長サマが言うから俺ら言われた通り各所を爆破してたら急に火が燃え上がるわ地面揺れるわで大変やったで…」
ぶつぶつと文句を言いながら文句を述べてくるが、イザヨイは全く聞くつもりはないらしく無視して話を進めていく
「貴方が合流したと言うことは…ロビン、ヒスイ、フォルカスはまだあちらの任務中というわけですねぇ…。まぁ彼らなら、独自に行動も可能でしょうし、心配は無用ですね」
「その前に俺になんか言うことあるやろ?なぁって」
「おっせぇぞ!!リース!何やってたんだテメェ!!」
リースの話を遮って、セドは苛立った口調で彼を怒鳴りつけた。だが彼も予想済みだったようで全く動じる気配は無く、むしろ騒がしいなぁ…と言いたげに言い返そうとしたが、セドから少し離れたところに肩を負傷して座り込んでいるマチルダの姿を見つけてしいまい、彼は思わず言葉を漏らす。
「……。ほんま嫌やなぁ…」
ほんの数時間だけの交流だったといえ、リースにとってマチルダはなんとなく気になる存在っだったが故に、まさかこんなところで再会してしまうとは考えてもいなかったので気まずそうに頭をガシガシと乱暴に掻く
「俺、権力には逆らえへんから…まぁ恨まんといてとか許してとか都合の良いことは言わへんわ」
まるで自分に言い聞かせるかのように呟きながら、彼は腰に携えていた剣を引き抜き構えると、魅禄もイザヨイへと声をかける
『そろそろ時間が無いから貴方も行きなさい。 あ、でも…勿論だけどお姉様はちゃんと捕らえて頂戴ね?あとは…その刹羅は持って帰りましょう。国王陛下は綺麗なモノが好きだから…手土産にちょうど良いでしょう?残りも出来るだけ綺麗に仕留めなさいな』
魅禄の細かい注文に、イザヨイは肩をすくめて苦笑いをしつつ「仰せのままに」と返事をしてから、剣を構える。
「ワタシたちもこれ以上時間を掛けるのは危険なので…早く終わらせますよ」
イザヨイは剣を構えた状態から一歩踏み出すと、それを合図にセドとリースが同時に水晶を狙い襲いかかる。 森の魔力が暴走し、加護も薄くなっている今。動きににも鈍さが出ていたが、それでも彼ら三人を相手にしていても怯むことなく弓で応戦し続けた。
自分が引き付けている間に少しでも遠くに彼らが退避できるように、イザヨイもまた必死に立ち回っていたのだが、三人を一気に相手すると的が絞れず、彼女ょにも疲労の色が見え始めた隙にセドが間合いに入り込みそして横なぎに刀を力いっぱい振るう
『っ!?』
何とか回避しようとバックステップしたが避けきれず腹部から鮮血を散らしながら彼女の服や皮膚が裂ける。だが、致命傷は免れたものの追撃で肩も切り裂かれてしまい激痛が走る。
直ぐにでも立て直そうと考えていたが、地面に足が着地したと同時にセドの影からイザヨイが現れ、剣の柄頭の部位で腹部を突かれ、彼女はその衝撃で弓を落としてしまう。
『うっ…ゲホッ、ゴホッ…』
そのままよろめいた所を蹴り飛ばされてしまい、後方へ吹っ飛び木に強く体を打ち付けて、一瞬呼吸ができなくなるほど激しく咳き込むが、その痛みを堪えて再び起き上がろうとしたところで不意に腕が掴まれるとそのまま後ろ手に拘束され身動きが封じられてしまう
『く…っ!貴様、卑劣な真似をっ!!』
「うちの大将からの命令なんや…わるぅ思わんといてな…」
長である彼女が捕縛されてしまい、退避行動をしていた他の者達に動揺が生じ足を止めてしまう。
長である彼女の命令は絶対であるが、この状態でも彼女を置いて逃げるべきか戦うか…だが森の加護も魔力も得られない以上。返り討ちにあう可能性の方が高い。ならば…
『足を止めず森の出口まで向かいなさい!!』
撫子は悩んだ末に彼らへ撤退を命じる。今の状況で戦闘を行うリスクは大きすぎると判断を下すしかなかった…それに長の身を案じる彼らの気持ちも自分だって痛いほど理解している
しかし森の崩壊に伴い足場が悪くなり、まともに歩くことすらままならない状態だ。しかも各所で木々が倒れて道を埋めてしまっているため、走るのは困難を極めたがそれでも…今は何とか逃げなければならない
おまけに森の魔力も弱くなってきているせいで、祭壇付近からも火の手が少しずつ上がり始めているので迷っている暇はなかった。
『あっ…ははは!!あぁ…さいっこうの景色。何もかもこれで終われるのね…』
恍惚の表情を浮かべ、愉悦浸る彼女の元へもう一人の近衛兵であるリースも合流してしまう。
「あっつー…隊長サマが言うから俺ら言われた通り各所を爆破してたら急に火が燃え上がるわ地面揺れるわで大変やったで…」
ぶつぶつと文句を言いながら文句を述べてくるが、イザヨイは全く聞くつもりはないらしく無視して話を進めていく
「貴方が合流したと言うことは…ロビン、ヒスイ、フォルカスはまだあちらの任務中というわけですねぇ…。まぁ彼らなら、独自に行動も可能でしょうし、心配は無用ですね」
「その前に俺になんか言うことあるやろ?なぁって」
「おっせぇぞ!!リース!何やってたんだテメェ!!」
リースの話を遮って、セドは苛立った口調で彼を怒鳴りつけた。だが彼も予想済みだったようで全く動じる気配は無く、むしろ騒がしいなぁ…と言いたげに言い返そうとしたが、セドから少し離れたところに肩を負傷して座り込んでいるマチルダの姿を見つけてしいまい、彼は思わず言葉を漏らす。
「……。ほんま嫌やなぁ…」
ほんの数時間だけの交流だったといえ、リースにとってマチルダはなんとなく気になる存在っだったが故に、まさかこんなところで再会してしまうとは考えてもいなかったので気まずそうに頭をガシガシと乱暴に掻く
「俺、権力には逆らえへんから…まぁ恨まんといてとか許してとか都合の良いことは言わへんわ」
まるで自分に言い聞かせるかのように呟きながら、彼は腰に携えていた剣を引き抜き構えると、魅禄もイザヨイへと声をかける
『そろそろ時間が無いから貴方も行きなさい。 あ、でも…勿論だけどお姉様はちゃんと捕らえて頂戴ね?あとは…その刹羅は持って帰りましょう。国王陛下は綺麗なモノが好きだから…手土産にちょうど良いでしょう?残りも出来るだけ綺麗に仕留めなさいな』
魅禄の細かい注文に、イザヨイは肩をすくめて苦笑いをしつつ「仰せのままに」と返事をしてから、剣を構える。
「ワタシたちもこれ以上時間を掛けるのは危険なので…早く終わらせますよ」
イザヨイは剣を構えた状態から一歩踏み出すと、それを合図にセドとリースが同時に水晶を狙い襲いかかる。 森の魔力が暴走し、加護も薄くなっている今。動きににも鈍さが出ていたが、それでも彼ら三人を相手にしていても怯むことなく弓で応戦し続けた。
自分が引き付けている間に少しでも遠くに彼らが退避できるように、イザヨイもまた必死に立ち回っていたのだが、三人を一気に相手すると的が絞れず、彼女ょにも疲労の色が見え始めた隙にセドが間合いに入り込みそして横なぎに刀を力いっぱい振るう
『っ!?』
何とか回避しようとバックステップしたが避けきれず腹部から鮮血を散らしながら彼女の服や皮膚が裂ける。だが、致命傷は免れたものの追撃で肩も切り裂かれてしまい激痛が走る。
直ぐにでも立て直そうと考えていたが、地面に足が着地したと同時にセドの影からイザヨイが現れ、剣の柄頭の部位で腹部を突かれ、彼女はその衝撃で弓を落としてしまう。
『うっ…ゲホッ、ゴホッ…』
そのままよろめいた所を蹴り飛ばされてしまい、後方へ吹っ飛び木に強く体を打ち付けて、一瞬呼吸ができなくなるほど激しく咳き込むが、その痛みを堪えて再び起き上がろうとしたところで不意に腕が掴まれるとそのまま後ろ手に拘束され身動きが封じられてしまう
『く…っ!貴様、卑劣な真似をっ!!』
「うちの大将からの命令なんや…わるぅ思わんといてな…」
長である彼女が捕縛されてしまい、退避行動をしていた他の者達に動揺が生じ足を止めてしまう。
長である彼女の命令は絶対であるが、この状態でも彼女を置いて逃げるべきか戦うか…だが森の加護も魔力も得られない以上。返り討ちにあう可能性の方が高い。ならば…
『足を止めず森の出口まで向かいなさい!!』
撫子は悩んだ末に彼らへ撤退を命じる。今の状況で戦闘を行うリスクは大きすぎると判断を下すしかなかった…それに長の身を案じる彼らの気持ちも自分だって痛いほど理解している
しかし森の崩壊に伴い足場が悪くなり、まともに歩くことすらままならない状態だ。しかも各所で木々が倒れて道を埋めてしまっているため、走るのは困難を極めたがそれでも…今は何とか逃げなければならない
おまけに森の魔力も弱くなってきているせいで、祭壇付近からも火の手が少しずつ上がり始めているので迷っている暇はなかった。
