第四章
「!門が…!これって応えてくれたと言うことでしょうか?」
『もちろんじゃ ほれ、行くぞ』
カナメはいつになく嬉しそうにニカっと笑うと、石造りのアーチの門をくぐって先に行ってしまったのでマチルダも慌てて後を追って中に入ると、景色こそ先程まで歩いていた場所とは大差はないのだが、まるで意志を持った森が彼らを歓迎するかのように木々を揺らすことで葉っぱたちがこすれ合う。
先程よりもさらに大きな演奏が始まったかのような心地よい音楽が流れ、太陽の光も遮られていたはずなのに眩しいほど降り注いでいた
まるで絵画のワンシーンを再現したかの様な幻想的な光景に見惚れながら進んでいたが、しばらくしてフリージルとの約束を思い出し懐から折り畳まれた紙を取り出した
(あぁそうだった…ここの門が開いたら合図を送ってほしいって言われてたっけ…)
魔力が込められているモノらしく、空中に放つと鳥の姿になって戻ってくれる。と言われていたので…空に向けて投げると、まるで意志を持つように空中で勝手に開くと、鳥の姿へと変化して飛び立っていった
若干忘れてたり遅くなってしまったががまぁ…約束は守ったのだから良いとしよう
カナメの後ろを追いかけながら歩いていると、足元に広がる草花が目に留まった。花に関してはサンのおかげで少し知識はあったので、気になって観察してみるとそれらはホタルのように青白く発光しているらしい。一つ一つは小ぶりな花だが、この辺りでは数多く自生している様で、周囲を見回すと様々な箇所で青白く発光している姿はどこか神秘的だった。
(…サンちゃんにお土産としてあげたら…きっと喜んでくれたんだろうな……)
彼女の喜ぶ姿が浮かんだのだが…余計に虚しさがこみ上げてくるばかりだ 今更後悔しても遅いというのに…
『しっかし誰も迎えに来んのぉ…せっかくなら誰か出迎えの一つぐらいせいと言うのに』
ぶつぶつと文句を言い始めるカナメをいつものように宥めている時だった。突然彼らの周囲の木々がザワザワと揺れ始め、やがて強風と共に轟音をかき鳴らしながら二人の目の前に大きな影が降ってきた。
「うわっ!!?」
余りの出来事にびっくりして目をぎゅっと閉じながら、咄嗟に腕を前に構えて防御の姿勢を取ったがそれと同時。カナメの嬉しそうな声が響き渡る。
『おぉ懐かしい顔ではないか!!ずいぶん派手な登場をするから一瞬腰を抜かしそうになってしまったではないか!のぅ刹羅よ!!』
「…っ?」
カナメの嬉々とした声に恐る恐る目を開けると、彼女は色素の薄い黄金色のくせっ毛に白い肌と深緑色の瞳をした青年と談笑していた。
『やぁひさしぶりだねカナメ。…と言っても君がここに帰ってくるなんて何世紀ぶりだったかな?懐かしい声でいきなり門を開けろって呼びかけられたから、長からの命令で迎えに来たんだ』
ふわっとした優しい容姿に柔らかい笑顔を見せる“刹羅”と呼ばれた青年は、カナメとは色違いであるものの生地が前合わせの立て襟になっている衣装を身につけており、どことなく不思議なオーラを感じる人だと思いながら刹羅を見ていると不意に彼と目が合ってしまい思わず身構えたが穏やかに微笑まれた
『ところでカナメ、そちらの彼は…君の新しい彼氏かい?』
「は……っ?!えぇぇっ!!?」
ニコニコと微笑まれながらいきなり刹羅から発せられた言葉に、マチルダは動揺してすっとんきょんな声をあげてしまい顔を真っ赤にしながら、慌ててカナメと刹羅を交互に見つめてオロオロしていると、堪えきれずに笑い出したカナメの声で我に帰った
『くっくっく……あ、っはははは!!!分かっていながらあえて言うとは貴様の悪趣味も変わらぬものよのう!コイツはワシの一族の末裔じゃ!今代の当主じゃがワシに似て利口そうじゃろう?』
『ふふふっ。後ろの彼がずいぶん緊張しているみたいだったから少し和ませようと冗談を言ってみただけさ。……それにしても。』
刹羅はそこで言葉を切ると、おもむろにマチルダの方へと歩み寄ったかと思うと彼を観察するかのように顔を覗き込んできた。 彼らにとって【人間】という存在が久しぶりで珍しいのだろうが…それを差し引いてもあまりにも至近距離過ぎて戸惑っていると、やがて刹羅が口を開く
『末裔くん。カナメと血が遠くて良かったね〜。ガサツで口が悪くて面倒くさがりな彼女と違って、君は品があって賢そうな顔をしているね』
再び不意打ちの一言を言われてしまい、マチルダは目を丸くしたまま再び反応に困っていると、彼を押し退けるようにして彼女が間に割って入ってきた
『ええい!!戯言を言うでないわ!まったく貴様という奴は…久しぶりに帰ってきた同胞に対して一言二言余計なんじゃ!!…おい童。この失礼な奴は四季族の一人、【夏】を司る賢者じゃ。見ての通り見た目は優男じゃが口が悪くて難儀な奴じゃが腕は確かじゃ』
『改めて初めまして、末裔くん。ようこそ四季族の住処へ あ、ちなみにカナメはああ言ってるけど只の挨拶だから気にしないでね〜』
刹羅は相変わらず優しい笑顔のまま手を差し出して来たので、マチルダもお辞儀をしながら差し出された手を握り返した。
見た目こそ彼女のいう通り優男ではあるのだが…会話している時の様子的に、カナメよりも歳上である事が何となくだが分かる。
『もちろんじゃ ほれ、行くぞ』
カナメはいつになく嬉しそうにニカっと笑うと、石造りのアーチの門をくぐって先に行ってしまったのでマチルダも慌てて後を追って中に入ると、景色こそ先程まで歩いていた場所とは大差はないのだが、まるで意志を持った森が彼らを歓迎するかのように木々を揺らすことで葉っぱたちがこすれ合う。
先程よりもさらに大きな演奏が始まったかのような心地よい音楽が流れ、太陽の光も遮られていたはずなのに眩しいほど降り注いでいた
まるで絵画のワンシーンを再現したかの様な幻想的な光景に見惚れながら進んでいたが、しばらくしてフリージルとの約束を思い出し懐から折り畳まれた紙を取り出した
(あぁそうだった…ここの門が開いたら合図を送ってほしいって言われてたっけ…)
魔力が込められているモノらしく、空中に放つと鳥の姿になって戻ってくれる。と言われていたので…空に向けて投げると、まるで意志を持つように空中で勝手に開くと、鳥の姿へと変化して飛び立っていった
若干忘れてたり遅くなってしまったががまぁ…約束は守ったのだから良いとしよう
カナメの後ろを追いかけながら歩いていると、足元に広がる草花が目に留まった。花に関してはサンのおかげで少し知識はあったので、気になって観察してみるとそれらはホタルのように青白く発光しているらしい。一つ一つは小ぶりな花だが、この辺りでは数多く自生している様で、周囲を見回すと様々な箇所で青白く発光している姿はどこか神秘的だった。
(…サンちゃんにお土産としてあげたら…きっと喜んでくれたんだろうな……)
彼女の喜ぶ姿が浮かんだのだが…余計に虚しさがこみ上げてくるばかりだ 今更後悔しても遅いというのに…
『しっかし誰も迎えに来んのぉ…せっかくなら誰か出迎えの一つぐらいせいと言うのに』
ぶつぶつと文句を言い始めるカナメをいつものように宥めている時だった。突然彼らの周囲の木々がザワザワと揺れ始め、やがて強風と共に轟音をかき鳴らしながら二人の目の前に大きな影が降ってきた。
「うわっ!!?」
余りの出来事にびっくりして目をぎゅっと閉じながら、咄嗟に腕を前に構えて防御の姿勢を取ったがそれと同時。カナメの嬉しそうな声が響き渡る。
『おぉ懐かしい顔ではないか!!ずいぶん派手な登場をするから一瞬腰を抜かしそうになってしまったではないか!のぅ刹羅よ!!』
「…っ?」
カナメの嬉々とした声に恐る恐る目を開けると、彼女は色素の薄い黄金色のくせっ毛に白い肌と深緑色の瞳をした青年と談笑していた。
『やぁひさしぶりだねカナメ。…と言っても君がここに帰ってくるなんて何世紀ぶりだったかな?懐かしい声でいきなり門を開けろって呼びかけられたから、長からの命令で迎えに来たんだ』
ふわっとした優しい容姿に柔らかい笑顔を見せる“刹羅”と呼ばれた青年は、カナメとは色違いであるものの生地が前合わせの立て襟になっている衣装を身につけており、どことなく不思議なオーラを感じる人だと思いながら刹羅を見ていると不意に彼と目が合ってしまい思わず身構えたが穏やかに微笑まれた
『ところでカナメ、そちらの彼は…君の新しい彼氏かい?』
「は……っ?!えぇぇっ!!?」
ニコニコと微笑まれながらいきなり刹羅から発せられた言葉に、マチルダは動揺してすっとんきょんな声をあげてしまい顔を真っ赤にしながら、慌ててカナメと刹羅を交互に見つめてオロオロしていると、堪えきれずに笑い出したカナメの声で我に帰った
『くっくっく……あ、っはははは!!!分かっていながらあえて言うとは貴様の悪趣味も変わらぬものよのう!コイツはワシの一族の末裔じゃ!今代の当主じゃがワシに似て利口そうじゃろう?』
『ふふふっ。後ろの彼がずいぶん緊張しているみたいだったから少し和ませようと冗談を言ってみただけさ。……それにしても。』
刹羅はそこで言葉を切ると、おもむろにマチルダの方へと歩み寄ったかと思うと彼を観察するかのように顔を覗き込んできた。 彼らにとって【人間】という存在が久しぶりで珍しいのだろうが…それを差し引いてもあまりにも至近距離過ぎて戸惑っていると、やがて刹羅が口を開く
『末裔くん。カナメと血が遠くて良かったね〜。ガサツで口が悪くて面倒くさがりな彼女と違って、君は品があって賢そうな顔をしているね』
再び不意打ちの一言を言われてしまい、マチルダは目を丸くしたまま再び反応に困っていると、彼を押し退けるようにして彼女が間に割って入ってきた
『ええい!!戯言を言うでないわ!まったく貴様という奴は…久しぶりに帰ってきた同胞に対して一言二言余計なんじゃ!!…おい童。この失礼な奴は四季族の一人、【夏】を司る賢者じゃ。見ての通り見た目は優男じゃが口が悪くて難儀な奴じゃが腕は確かじゃ』
『改めて初めまして、末裔くん。ようこそ四季族の住処へ あ、ちなみにカナメはああ言ってるけど只の挨拶だから気にしないでね〜』
刹羅は相変わらず優しい笑顔のまま手を差し出して来たので、マチルダもお辞儀をしながら差し出された手を握り返した。
見た目こそ彼女のいう通り優男ではあるのだが…会話している時の様子的に、カナメよりも歳上である事が何となくだが分かる。
