第二章
『確かに童は、あの二人=頼れる兄の様な存在。と既に確立したイメージというのがあるから気付けないのじゃろ
得体の知れぬ行商人への行動…。あの小娘を思うが故の行動と言えば聞こえは良いかもしれぬが、例えるなら……そうじゃな。独占、支配。に近いモノを感じたのぉ 小娘に対して過保護であり過干渉なんじゃあの童どもは』
「!!……そんなことは…っ」
カナメからの客観的な意見を受け、幼い頃からずっと交流を持っているマチルダにとってその意見は酷く受け入れがたい話だったので、思わず声を荒げ立ち上がりカナメを見たが……少し冷静になって頭を整理していくうちに段々と思考がまとまりはじめ、そして背筋がゾッとした
確かにシーラもレーンも彼女を溺愛している。蝶よ花よと愛でるというよりかは…まるで、彼らだけの世界で愛する人形のような歪な愛し方をしているのでは?と
二人は時々「母さんから任されてるからな」と呟くこともあったが、その言葉を守り続けていた結果。気付けば今の歪な過保護、過干渉に繋がっているのだとしたら…。
それが逆にサンを苦しめているのではないか?その考えが脳裏によぎったが同時に信じたくもなかった。
『……。愛するが故…いや、使命感の暴走じゃな。奴らの母親から小娘を託されたから、愚直にそれを守ってるつもりなのじゃろうが…いつしか自由も教えずカゴの鳥として愛してやることで外からも守る。って感じであろうな』
「~~っ!!で、ですが!俺はずっと昔から三人のこと知ってますよ!?俺はあんな風に警戒されたことも無いですし、何より二人はいつも俺のことを気に掛けてくれて…っ!!」
自分の中でももしかして?といった答えは確かに導き出されてはいるのだが、それでも…彼らはそんな人間じゃないと信じたい気持ちが先立っているので、彼なりに必死に反論を試みたがカナメはあきれた様子で鼻で笑う
『それはそうじゃろ。あの童二人は賢いからちゃんと線引きぐらいしておるわ。
貴様は小娘にとって有害では無いと判断されておるから、友好的に接しておるのじゃろうて。つまりは悪い虫では無いと言うことじゃ
なぁに、嬉しい話ではないか。あんな狼みたいな童の二人共が小娘との接触を許しておるのなら、いっそ【あたっく】してみたらどうじゃ?』
「………っ!!?」
カナメの不意打ち的な発言に、マチルダの思考は一時停止してしまうこと数秒。意味を理解した彼はあからさまに顔を赤らめながらも、なんとか誤魔化そうとするが上手く言い訳することすら出来ず口をモゴモゴさせてうろたえる姿に、彼女は愉快そうにニヤニヤと口角を上げて笑うばかりだ
『なんじゃなんじゃ情けないのぉ…っ少し揺さぶっただけでそんなにも過剰反応するとはな…っくくく
仮にもワシの子孫であるなら意地を見せぬか。こうもヘタレでは先が思いやられるわい。そんなにも気があるならさっさと告白すればよかろうて』
「むぐぅ…」
『ふふん♪図星じゃろ貴様、あの小娘の話をするときは決まって声のトーンが上がっておるからのぉ。童ならあの番犬どもも認めてくれるかも知れぬぞ?ん?』
完全に勝ちを確信したのか、顔を真っ赤にして唸るマチルダを見てケラケラと声を上げて笑い出した。
何故自分はこうも相手に色々と見透かされてしまうのだろうと思うし、今更反論したり否定したところで無駄な気がした…というか下手にここで何かを言えばより一層ドツボに嵌まる気がしたので、ぬるくなってしまったホットミルクの残りを一気に飲み干し「もう寝ます…っ!」とだけ告げて足早に寝室へ駆け込んで行った
『なんじゃ拗ねたのか…つまらんのぉ』
再び一人になったカナメは、退屈そうにソファーへ寝転ぶとそのまま夜明けを待つのだった。
得体の知れぬ行商人への行動…。あの小娘を思うが故の行動と言えば聞こえは良いかもしれぬが、例えるなら……そうじゃな。独占、支配。に近いモノを感じたのぉ 小娘に対して過保護であり過干渉なんじゃあの童どもは』
「!!……そんなことは…っ」
カナメからの客観的な意見を受け、幼い頃からずっと交流を持っているマチルダにとってその意見は酷く受け入れがたい話だったので、思わず声を荒げ立ち上がりカナメを見たが……少し冷静になって頭を整理していくうちに段々と思考がまとまりはじめ、そして背筋がゾッとした
確かにシーラもレーンも彼女を溺愛している。蝶よ花よと愛でるというよりかは…まるで、彼らだけの世界で愛する人形のような歪な愛し方をしているのでは?と
二人は時々「母さんから任されてるからな」と呟くこともあったが、その言葉を守り続けていた結果。気付けば今の歪な過保護、過干渉に繋がっているのだとしたら…。
それが逆にサンを苦しめているのではないか?その考えが脳裏によぎったが同時に信じたくもなかった。
『……。愛するが故…いや、使命感の暴走じゃな。奴らの母親から小娘を託されたから、愚直にそれを守ってるつもりなのじゃろうが…いつしか自由も教えずカゴの鳥として愛してやることで外からも守る。って感じであろうな』
「~~っ!!で、ですが!俺はずっと昔から三人のこと知ってますよ!?俺はあんな風に警戒されたことも無いですし、何より二人はいつも俺のことを気に掛けてくれて…っ!!」
自分の中でももしかして?といった答えは確かに導き出されてはいるのだが、それでも…彼らはそんな人間じゃないと信じたい気持ちが先立っているので、彼なりに必死に反論を試みたがカナメはあきれた様子で鼻で笑う
『それはそうじゃろ。あの童二人は賢いからちゃんと線引きぐらいしておるわ。
貴様は小娘にとって有害では無いと判断されておるから、友好的に接しておるのじゃろうて。つまりは悪い虫では無いと言うことじゃ
なぁに、嬉しい話ではないか。あんな狼みたいな童の二人共が小娘との接触を許しておるのなら、いっそ【あたっく】してみたらどうじゃ?』
「………っ!!?」
カナメの不意打ち的な発言に、マチルダの思考は一時停止してしまうこと数秒。意味を理解した彼はあからさまに顔を赤らめながらも、なんとか誤魔化そうとするが上手く言い訳することすら出来ず口をモゴモゴさせてうろたえる姿に、彼女は愉快そうにニヤニヤと口角を上げて笑うばかりだ
『なんじゃなんじゃ情けないのぉ…っ少し揺さぶっただけでそんなにも過剰反応するとはな…っくくく
仮にもワシの子孫であるなら意地を見せぬか。こうもヘタレでは先が思いやられるわい。そんなにも気があるならさっさと告白すればよかろうて』
「むぐぅ…」
『ふふん♪図星じゃろ貴様、あの小娘の話をするときは決まって声のトーンが上がっておるからのぉ。童ならあの番犬どもも認めてくれるかも知れぬぞ?ん?』
完全に勝ちを確信したのか、顔を真っ赤にして唸るマチルダを見てケラケラと声を上げて笑い出した。
何故自分はこうも相手に色々と見透かされてしまうのだろうと思うし、今更反論したり否定したところで無駄な気がした…というか下手にここで何かを言えばより一層ドツボに嵌まる気がしたので、ぬるくなってしまったホットミルクの残りを一気に飲み干し「もう寝ます…っ!」とだけ告げて足早に寝室へ駆け込んで行った
『なんじゃ拗ねたのか…つまらんのぉ』
再び一人になったカナメは、退屈そうにソファーへ寝転ぶとそのまま夜明けを待つのだった。
