― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道

「見て見てジーン!今月の雑誌で紹介されてるお店!フォンティーヌ国の方にあるんだけどここ数か月毎回上位に入ってるんだって~!」
「へぇ~すごいな。…って言っても俺あんまりその国知らないからどれくらい凄いのか分かんないけど(笑)」
和気藹々と会話をする二人を眺めていると、その視線に気付いた二人は何か用事かな?と小首を傾げながら駆け寄ってくれた
「ジーク様?どうかしましたか?」
「俺らに出来る事なら言ってくださいね」
「ううん。何でもないよ~心配ありがとう。『…あぁリオン?さっきの部下を貸してーって話だけど…ヤダ。』
 二人へ穏やかに笑みを返し、彼の提案を直球で否定しそして通話も一方的に切った。

「…おいジーク?!おいっ!!……断られた」
「∑早っ!うーん参ったなぁ…それじゃあダメ元でちょっと支部長に聞いてみるよ」
舌打ち交じりにアキへそう報告すると、困った様子で頭を搔いていたが、とりあえず断られることを前提でエトワルに連絡を入れた。
「派遣部隊隊長のアルバトロです」
『アルバトロか。…で?本日の定期報告か?』
「あー…えっとそうじゃなくてその…えっと…」
『用があるならさっさと話せ。用が無いのなら不必要な連絡したとみなし新作の毒薬を試すまでだ』

サラッと言われた言葉に思わず青ざめた表所で身震いするが、リオンに二人の会話は聞こえていないのでその仕草のみを見て訝しそうに眺めていた

「い、いや実はですね…どうも最近起こっている殺人事件の共通点としまして女性の方が被害にあってみるたいでしたから…女装させておとり捜査したらどうかなぁー…なんて…ダメ…ですよね?」
『ほぅ…面白い提案だ。許可してやる 必要なものを言え今すぐに揃えておいてやるから1時間後 支部に戻れ』
「∑…えっ?!良いんですかっ!?ありがとうございます!じゃあー…」
 一時の勢いで提案してみた事が許可された事に驚きを隠せないでいたが、エトワルに必要そうな物品を挙げながらリオンの方へ視線を向けて片手でOKサインを送る

一通り必要そうなものを挙げた後。最後に思い出したようにあることを付け足した
「あ、あと俺らじゃ衣装とかその他諸々分からないですし…Blue Roseの支部長も呼んで貰って良いですか?俺らの後輩でもありますのできっと快く承諾してくれると思うんです」

『デルタを?…仕方ないな……まぁ貴様らには全面的に動いてもらうつもりだったからな。一応は承諾しておいてやる』

 相変わらずの傲慢な言いぶりでアキからの提案を承諾すると通信が終了した。
「やったぜリオン!まさかの承諾されちゃったぜ!」
「自分的には一切喜べないんだが」
彼自身も素直に喜んでいいのか分からず変に引きつった笑みを浮かべながらガッツポーズをするが、リオンは依然として不服そうに眉間に皺を寄せてぶっきらぼう呟いた。

「頼むって!今度また店の手伝いするからー!リオンが囮になってる時もぜーったい守ってやるから!な!」
「…。一切気乗りはしないが…………君が守ってくれるというなら……構わない」

 両手を合わせながら頭を下げて必死にお願いすると、まだ不服そうではあったが次第に眉根を下げて観念したような表情に変わり、彼を信頼しているからこそアキの言葉に静かに頷いて承諾してくれた。
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