― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道

早い目に店を閉じ終えたリオンも遅れて調剤室に入り、ソファーへと腰掛けると彼の分も用意してくれた が
「…??」
カップとソーサーの柄が違う事に同じように違和感を覚えたらしく数回見直していたが、黙って一口含んでみたが…
「∑…ゔっ…!?…」
 即効でテーブルの上に置いて咄嗟に手で口元を押さえた。普段ならここで大声でツッコミを入れる所だったが…その反論をする気も削がれてしまった
(うっわ…飲まなくてよかった…)
「∑リオン??!おーい大丈夫…じゃないよな;」
「…毒を盛られた気分なんだが……」

青ざめた表情でポツリとつぶやいたがそれ以上の言葉が出ない。危険なので両方とも下げてくれと指示する。
表情はすぐれないままだったが、早速本題に入ろうと話を聞く事にした
「この間保護して貰ったサンって俺のきょうだい弟子なんだけどさ…そっちでお世話になったって聞いてね~」
「彼女が…君のっ?」

 勿論嘘ではあるが、事前にナナシから受け取っておいた彼女の情報はチェックしてあるから騙すのは容易い
「これ以上犯人に好き勝手されるのって癪なんだよね……だから、そっちの調査はどうなってるのかな?と思ってさぁ」
「そう言われると反論できねぇな……でも、一応支部長は目星は付いたって言っていたから直ぐだと思う 後は…」
一旦そこで言葉を切るとリオンにそっと視線を向け
「もう一回リンコちゃんが囮捜査してく「黙れっ!
「あー…なるほどね」
いつでも準備は出来ているのだろうが最終段階で喧嘩に発展していると察し視線はまた冷ややかになる
…あ!じゃあさクレイ君!今度こそ女装で囮捜査に付き合ってくれないかな?!全力で守るからさ!!
…良いよ
「おいアキ 幾ら何でもム……?」
「君たちRoseが不甲斐無いからしかたがなーく付き合ってあげるって言ってるんだよ」
~!ありがとうクレイ君~!!

 前回は断られたのでそもそも了承してくれることは無いとばかり思っていたので、感極まったらしいアキは避ける間もなく上半身をしっかりと抱きしめた
「∑っ//は、放してよ」
「ありがとうな~クレイ君!クレイ君なら絶対綺麗なお嬢さんに変身できるって!俺が保証するから!!」
「全く嬉しくない保証なんだけど…」
最初はさっさと放せ。と押しのけるべく両手を突っぱねようとしていたが、出来そうにもないので手から力を抜く
「それぐらいにしておけ アキ」
「え?あ、あはは!悪い悪い;」
リオンにたしなめられてしまい慌てて放してやる
「それじゃあ俺、支部長に連絡してくるよ!馬車の準備頼むぜ!」

まずはエトワルの方に通信機で連絡を入れ、時間を指定されてから次に女装用の協力者にも連絡を入れる
「~と言う訳なんだ!頼むぜクロア!」
『勿論ですわアルバトロ先輩!お任せくださいませ  …え?コクレイ?』
「?」
『え、えぇ…アルバトロ先輩。私達以外に、同じRoseでそちらの道のプロフェッショナルもお呼びしたいとの事ですので…お招きさせて下さいませ』
(よく分かんないけど)「おう!分かったー!」
快く受け入れる事にした。
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