― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道
「今晩はありがとうございました;クレイさん」
「ただの気まぐれだよ まぁ、君も厄介な事にこれ以上巻き込まれたくなかったら手を引いた方が良いんじゃないかな?」
「∑なっ!そう言う訳には行きません!私はあの偉大なお父さんの娘としてこの事件、必ず解決するんです!」
(忠告し甲斐の無い奴…お前の追ってる事件の犯人の一人が俺だってのになぁ…まぁでも、こんなに“馬鹿”が付くほど真面目と言うか真っ直ぐな奴も珍しいけど…)
こんな奴なんかに興味沸く自分も物好きだなぁと思っていると、この近くで甲高く大きな悲鳴が聞こえた。普通の驚いた時などに上げる声よりももっと切羽詰まった 様な叫び声
クレイの静止を無視してルアルは鞄の中に入れていたペンライト片手に声のする方へと駆け出して行った。 彼女の駆けていった方は確か先程Rose隊員の二人とすれ違った方面。ルアルを心配してではなく、好奇心。面白そうな予感に誘われるようにして彼もその方面へと走って行った。
「死は偉大なり イシュヴァリエに赤を」
闇に紛れる黒い衣装は足元に倒れるRose隊員たちの返り血で赤く汚れ、腕や足には抵抗した為と思われる傷があり、致命傷となった胸部の傷からは止めどなく赤い海が広がり彼が手に持っているナイフの先端から赤いしずくが滴り落ちる
「この二人は…違うのか……」
二人の懐から身分証明の懐中時計を探り出し、名前を確認するが残念そうに溜息を吐く。 ならば仕方ない とゆっくりと立ち上がろうとした時に彼の姿はペンライトで照らされる
「そこに誰かいるので…っ!ひぃっ?!!」
路地裏に居た男を照らしたのも束の間。その足元に広がる赤い惨劇に思わず引きつった声を上げると、視線が合い見られた事に彼は一瞬動揺したが黙らせてしまえば問題ない。とナイフを構え遅い掛かってきた。
「あっ…あぁ…っ!!」
逃げなくては殺される。頭ではそう理解しているのに身体は言う事を聞いてくれず立ちすくみ、首が貫かれる寸前の所でクレイがその手を手前に引いて助け出し、的を失って勢いよく飛び出してきた男を(一応)危険と判断したクレイは彼女をそのまま押しのけて無防備になっている背めがけて愛用のナイフを使おうとしたが、男は足を伸ばして踏みとどまって身をかわすとそのまま逃げ去ってしまった。
(ちぇ…逃げられちゃったか……まぁ俺には関係ないけど。 それにしても随分酷い有り様だなぁ…Roseに喧嘩売るなんて物好きだし)
一通り現場を見回してからルアルの方へと歩み寄ると、カメラを抱きしめたまま青ざめた表情で身体をガタガタと小刻みに震わせていた
「さ、さっきは…あり。がとうござい、ました……」
「全くだよ。俺が気まぐれ起こしてなかったら死んでただろうね 君」
「……」
最もな彼の言葉に俯き無言になる彼女とは正反対に、クレイは目の前の光景に動じる様子もなくニコニコと笑ったまま問い掛ける
「こんな光景見ちゃったから事件を追うのは綺麗さっぱり忘れたら?って言ったらどうする?」
彼の言葉は「危険な目に遭いたくないなら手を引け」と言っている様にも「まだ諦めないなら記者としてさっきの犯人を追ってみろ」と言われている様にも聞こえた。
「私は…!」
「ふぅん。目はまだ死んでないね 表情見たら解るよ じゃあ聡明な俺が知恵を貸してあげよう~☆俺としても、これ以上好き勝手されてアイツを困らせられると俺も困るからね」
そう言ってRoseへ事件の出来事を通報した。
「ただの気まぐれだよ まぁ、君も厄介な事にこれ以上巻き込まれたくなかったら手を引いた方が良いんじゃないかな?」
「∑なっ!そう言う訳には行きません!私はあの偉大なお父さんの娘としてこの事件、必ず解決するんです!」
(忠告し甲斐の無い奴…お前の追ってる事件の犯人の一人が俺だってのになぁ…まぁでも、こんなに“馬鹿”が付くほど真面目と言うか真っ直ぐな奴も珍しいけど…)
こんな奴なんかに興味沸く自分も物好きだなぁと思っていると、この近くで甲高く大きな悲鳴が聞こえた。普通の驚いた時などに上げる声よりももっと切羽詰まった 様な叫び声
クレイの静止を無視してルアルは鞄の中に入れていたペンライト片手に声のする方へと駆け出して行った。 彼女の駆けていった方は確か先程Rose隊員の二人とすれ違った方面。ルアルを心配してではなく、好奇心。面白そうな予感に誘われるようにして彼もその方面へと走って行った。
「死は偉大なり イシュヴァリエに赤を」
闇に紛れる黒い衣装は足元に倒れるRose隊員たちの返り血で赤く汚れ、腕や足には抵抗した為と思われる傷があり、致命傷となった胸部の傷からは止めどなく赤い海が広がり彼が手に持っているナイフの先端から赤いしずくが滴り落ちる
「この二人は…違うのか……」
二人の懐から身分証明の懐中時計を探り出し、名前を確認するが残念そうに溜息を吐く。 ならば仕方ない とゆっくりと立ち上がろうとした時に彼の姿はペンライトで照らされる
「そこに誰かいるので…っ!ひぃっ?!!」
路地裏に居た男を照らしたのも束の間。その足元に広がる赤い惨劇に思わず引きつった声を上げると、視線が合い見られた事に彼は一瞬動揺したが黙らせてしまえば問題ない。とナイフを構え遅い掛かってきた。
「あっ…あぁ…っ!!」
逃げなくては殺される。頭ではそう理解しているのに身体は言う事を聞いてくれず立ちすくみ、首が貫かれる寸前の所でクレイがその手を手前に引いて助け出し、的を失って勢いよく飛び出してきた男を(一応)危険と判断したクレイは彼女をそのまま押しのけて無防備になっている背めがけて愛用のナイフを使おうとしたが、男は足を伸ばして踏みとどまって身をかわすとそのまま逃げ去ってしまった。
(ちぇ…逃げられちゃったか……まぁ俺には関係ないけど。 それにしても随分酷い有り様だなぁ…Roseに喧嘩売るなんて物好きだし)
一通り現場を見回してからルアルの方へと歩み寄ると、カメラを抱きしめたまま青ざめた表情で身体をガタガタと小刻みに震わせていた
「さ、さっきは…あり。がとうござい、ました……」
「全くだよ。俺が気まぐれ起こしてなかったら死んでただろうね 君」
「……」
最もな彼の言葉に俯き無言になる彼女とは正反対に、クレイは目の前の光景に動じる様子もなくニコニコと笑ったまま問い掛ける
「こんな光景見ちゃったから事件を追うのは綺麗さっぱり忘れたら?って言ったらどうする?」
彼の言葉は「危険な目に遭いたくないなら手を引け」と言っている様にも「まだ諦めないなら記者としてさっきの犯人を追ってみろ」と言われている様にも聞こえた。
「私は…!」
「ふぅん。目はまだ死んでないね 表情見たら解るよ じゃあ聡明な俺が知恵を貸してあげよう~☆俺としても、これ以上好き勝手されてアイツを困らせられると俺も困るからね」
そう言ってRoseへ事件の出来事を通報した。