― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道
「えー…っと何か分かった事あるかな?」
ついつい遠慮気味に検証をしてくれいている隊員へと声を掛けると、屈んだままこちらに背を向けて壁の血文字を調べていた隊長らしき人物が即座に立ち上がり、一度敬礼してから現段階で分かっていることを報告した
「はっ。まず身元ですが…名は「エルマー=アンドリッシュ」推定年齢は30歳前後。それ以外に出身地等を特定できそうな持ち物は見当たりませんでした…そして、胸部に鋭利な刃物で刺されたと思われる傷以外に特段目立った傷が無かった事から胸部の傷が致命傷だったのは確実です」
「そ…そっか;うん」
「続いて壁の血文字ですが…彼女の名前“Elmer”と書かれており、今までは被害者の名前の一部のみでしたが今回は全て書かれていることから模倣犯の可能性も視野に調査をしております」
検証を行った現段階の状況を報告しては貰ったものの、普段まともに報告を聞いたりせず彼に頼りっぱなしだったので(やっぱりリオンが居てくれたらなぁ…)と後悔交じりに心の中で呟いた
一通りの調査が終わり、検証隊の許可を貰ってアキは壁に書かれてしまった文字を用意したバケツと布で丹念に磨き始めた
(またこの後支部に呼び出されるのかな…?そうなるとまた女装でー…ってなるんだろうし…嫌がるだろうけどリンコちゃんやってほしいな~なんて)
ハハハッと軽く苦笑いを浮かべながら壁を磨き続け、跡が無くなった辺りで作業を終了して店へと戻った
「終わったぁぁ…」
応接室のソファーになだれ込むようにして寝転がっていると、目の前のテーブルへ淹れたてのハーブティーがそっと用意され、その向かい側に自分用のも置いてソファーに腰掛けた
「おかえり、アキ」
「おー…」
うつ伏せのまま手だけで合図を返してしばらくの間じっとしていたが、ゆっくりと座り直してからハーブティーを頂く事に
「はぁ~…あったまるなぁ//」
和んだ様子でそう呟き、先程の調査報告を話そうとした所で伏し目がちに視線をウロウロと忙しなく彷徨わせていたリオンが何とか先に口を開いた
「さっきは…その…悪かった。……」
「へっ?…あ、ああ!気にするなって!それよりさっきの事件だけどさ―」
思わぬリオンからの言葉に一瞬きょとんとした表情をしてしまったが、もう気にしてない。と笑いながら返し先程報告された事を彼とも共有した
「確かに…血文字に関しては引っかかるな。ここまで事件が長引いて大きくなっているんだ 模倣犯が現れるのも無理はないと思う ローゼ 君はどう思う?」
脇に置いていた棺桶を軽くノックして合図すると観音開きになった扉の片方だけが開き、上半身だけを出したローゼだったが分からないと首を振る
(話聞いてると今回の被害者ってあれでしょ?推定時間は昨日の夜。つまり二人が捜査で出かけてる頃だし…)
「…あの時か」
「…あの時だね」
冷静に分析をされてしまい二人は状況を思い出し表情を曇らせた。
「はぁ…確かに疲れてたと言っても自分の店の路地裏で事件が起こってた事に気が付かないなんて情けないな…」
やれやれと溜息を吐いて肩を落とす
「この事支部長に報告しておいた方が良いのかな?」
「まだまともに調査も進んでいないからまだ止めておこう。それに、何度も通うのは骨が折れるんだ」
首を振ってそれを否定し、使い終わった食器を集めてキッチンへと運んでいった。
ついつい遠慮気味に検証をしてくれいている隊員へと声を掛けると、屈んだままこちらに背を向けて壁の血文字を調べていた隊長らしき人物が即座に立ち上がり、一度敬礼してから現段階で分かっていることを報告した
「はっ。まず身元ですが…名は「エルマー=アンドリッシュ」推定年齢は30歳前後。それ以外に出身地等を特定できそうな持ち物は見当たりませんでした…そして、胸部に鋭利な刃物で刺されたと思われる傷以外に特段目立った傷が無かった事から胸部の傷が致命傷だったのは確実です」
「そ…そっか;うん」
「続いて壁の血文字ですが…彼女の名前“Elmer”と書かれており、今までは被害者の名前の一部のみでしたが今回は全て書かれていることから模倣犯の可能性も視野に調査をしております」
検証を行った現段階の状況を報告しては貰ったものの、普段まともに報告を聞いたりせず彼に頼りっぱなしだったので(やっぱりリオンが居てくれたらなぁ…)と後悔交じりに心の中で呟いた
一通りの調査が終わり、検証隊の許可を貰ってアキは壁に書かれてしまった文字を用意したバケツと布で丹念に磨き始めた
(またこの後支部に呼び出されるのかな…?そうなるとまた女装でー…ってなるんだろうし…嫌がるだろうけどリンコちゃんやってほしいな~なんて)
ハハハッと軽く苦笑いを浮かべながら壁を磨き続け、跡が無くなった辺りで作業を終了して店へと戻った
「終わったぁぁ…」
応接室のソファーになだれ込むようにして寝転がっていると、目の前のテーブルへ淹れたてのハーブティーがそっと用意され、その向かい側に自分用のも置いてソファーに腰掛けた
「おかえり、アキ」
「おー…」
うつ伏せのまま手だけで合図を返してしばらくの間じっとしていたが、ゆっくりと座り直してからハーブティーを頂く事に
「はぁ~…あったまるなぁ//」
和んだ様子でそう呟き、先程の調査報告を話そうとした所で伏し目がちに視線をウロウロと忙しなく彷徨わせていたリオンが何とか先に口を開いた
「さっきは…その…悪かった。……」
「へっ?…あ、ああ!気にするなって!それよりさっきの事件だけどさ―」
思わぬリオンからの言葉に一瞬きょとんとした表情をしてしまったが、もう気にしてない。と笑いながら返し先程報告された事を彼とも共有した
「確かに…血文字に関しては引っかかるな。ここまで事件が長引いて大きくなっているんだ 模倣犯が現れるのも無理はないと思う ローゼ 君はどう思う?」
脇に置いていた棺桶を軽くノックして合図すると観音開きになった扉の片方だけが開き、上半身だけを出したローゼだったが分からないと首を振る
(話聞いてると今回の被害者ってあれでしょ?推定時間は昨日の夜。つまり二人が捜査で出かけてる頃だし…)
「…あの時か」
「…あの時だね」
冷静に分析をされてしまい二人は状況を思い出し表情を曇らせた。
「はぁ…確かに疲れてたと言っても自分の店の路地裏で事件が起こってた事に気が付かないなんて情けないな…」
やれやれと溜息を吐いて肩を落とす
「この事支部長に報告しておいた方が良いのかな?」
「まだまともに調査も進んでいないからまだ止めておこう。それに、何度も通うのは骨が折れるんだ」
首を振ってそれを否定し、使い終わった食器を集めてキッチンへと運んでいった。