― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道
翌日。事件の事で騒がしくなっている街の様子を見に、を宛てなく歩いていたクレイは運悪くルアルへと見つかってしまい、近くの喫湯店にへと再び連れて来られていた
「Roseの方に聞いた所、事件が起こった場所には血文字で“va”と殺害された人の名前の一部が書かれていたそうなんですよ…!」
「へぇぇぇ~凄いねー」
「犯人の動機が分からないです…皆さん出身もバラバラだし年齢もそんなに決まっているみたいじゃないですし…ってクレイさん聞いてますか?興味なさ過ぎですよ!」
「街の猫たちが会議してる内容なら興味あるかな?」
「そ、それは確かに私も興味が…∑って違いますよ!真面目に考えてみてくださいよ!同じ新聞記者同士、ここは力を合わせて事件を解決しましょうよ!」
大きく身を乗り出してそう申し出て来るルアルにややうっとおしさを感じたクレイは、彼女の鼻先に人差し指を当てて押し戻した
「俺を振り向かせたいならもうちょと重要な話を持ってきてくれないとなぁ。それじゃあ協力出来ない」
ぐりぐりと鼻先を押し、少々赤くなった所で止めてやる
「うぅ…流石はクレイさん。高嶺の花って訳なんですね……ですが絶対に協力して頂きますから!」
「はいはい、努力してみてね~じゃあ俺は帰るから」
あーあ疲れた。と内心で思い、気まぐれで街なんかに来るんじゃなかったと後悔する。
なんでわざわざ好き好んで自分があんな奴に協力なんかしなきゃならないんだ。自分が以前に情報を提供したのは遊びに過ぎない筈なのに必要以上に懐かれた事にげんなりとなる
(帰ってレーンをいじって来てたらエッ君でもからかってリークと適度に遊んで……ラガーでもいじり倒そうそうしよう)
脳内で今後の予定を立ててから城へと寄り道する事なくまっすぐに帰宅する。
エントランス目の前の扉を開けた大広間へ向かうと、このイシュヴァリエ国と統治している王様「ラガー=スダット」とその彼の姉「ライチ=スダット」と長女の「ライム=スダット」及び、彼らの従者たちがそこに集まっていた
「あれ?ラガーたちが全員でお揃いなんて珍しいね。どうしたの?」
「ああ、クレイか。お前にはー…関係ある様な無い様な話なんだが…」
「?」
赤い髪に黒いファーと王冠を付けたラガーが伏し目がちに説明する。
「先程、彼らには当分の帯刀禁止令を出した所だ」
「ここ最近の事件は知っているでしょう?ある意味でこの子達にはそのまま護身用としても持たせておいてあげたいのだけれど…変な噂で疑われちゃったら困るでしょう?」
頬に手を当てはぁ…と大きな溜め息を吐きながらライチはそう説明する
「ちなみに範囲とかはどの程度でしょうか?街はともかく城内となると…」
困った様に頭を掻きながら銀茶の髪を三つ編みにした「レーン=ネクスト」が訪ねる
「レーン。お前の言いたい事は解ってるが…とりあえずは城内のみでなら所持を許可する」
その言葉に他二人の従者である青い髪に黒い毛先をした青年「シーラ=タナトス」と茶色の長い髪に赤と青のオッドアイの女性「サン=ファレナ」は安堵した様子だった
「良かった…放したくなかったから」
帯刀している刀を握りしめながらサンは小さく呟く
「当分は連れて歩けないけど我慢してね?ヘルヴェイル」
『構いませんマスター』
シーラが呼びかけると、後ろに背負っている太刀が返事を返してくれた
「話しは以上だ。くれぐれも、外出の時は気をつけるようにな」
話が終わり、ラガー、ライチが広間から退出する中。ライムがクレイの元まで駆け寄った
「クレイ、よく一人でどっかに行くのは構わないけどさ…何かあったらアタシが心配だから絶対これ以上怪我したり無理しないでくれよ?」
「っ…//し、心配性だなぁライムは…俺は大丈夫だよ」
いつもの強気な姿勢と違い、心底心配しているしおらしい姿にクレイは少し戸惑い赤くなったが、頭に手を乗せてポンポンとすると照れたように微笑まれた。
「Roseの方に聞いた所、事件が起こった場所には血文字で“va”と殺害された人の名前の一部が書かれていたそうなんですよ…!」
「へぇぇぇ~凄いねー」
「犯人の動機が分からないです…皆さん出身もバラバラだし年齢もそんなに決まっているみたいじゃないですし…ってクレイさん聞いてますか?興味なさ過ぎですよ!」
「街の猫たちが会議してる内容なら興味あるかな?」
「そ、それは確かに私も興味が…∑って違いますよ!真面目に考えてみてくださいよ!同じ新聞記者同士、ここは力を合わせて事件を解決しましょうよ!」
大きく身を乗り出してそう申し出て来るルアルにややうっとおしさを感じたクレイは、彼女の鼻先に人差し指を当てて押し戻した
「俺を振り向かせたいならもうちょと重要な話を持ってきてくれないとなぁ。それじゃあ協力出来ない」
ぐりぐりと鼻先を押し、少々赤くなった所で止めてやる
「うぅ…流石はクレイさん。高嶺の花って訳なんですね……ですが絶対に協力して頂きますから!」
「はいはい、努力してみてね~じゃあ俺は帰るから」
あーあ疲れた。と内心で思い、気まぐれで街なんかに来るんじゃなかったと後悔する。
なんでわざわざ好き好んで自分があんな奴に協力なんかしなきゃならないんだ。自分が以前に情報を提供したのは遊びに過ぎない筈なのに必要以上に懐かれた事にげんなりとなる
(帰ってレーンをいじって来てたらエッ君でもからかってリークと適度に遊んで……ラガーでもいじり倒そうそうしよう)
脳内で今後の予定を立ててから城へと寄り道する事なくまっすぐに帰宅する。
エントランス目の前の扉を開けた大広間へ向かうと、このイシュヴァリエ国と統治している王様「ラガー=スダット」とその彼の姉「ライチ=スダット」と長女の「ライム=スダット」及び、彼らの従者たちがそこに集まっていた
「あれ?ラガーたちが全員でお揃いなんて珍しいね。どうしたの?」
「ああ、クレイか。お前にはー…関係ある様な無い様な話なんだが…」
「?」
赤い髪に黒いファーと王冠を付けたラガーが伏し目がちに説明する。
「先程、彼らには当分の帯刀禁止令を出した所だ」
「ここ最近の事件は知っているでしょう?ある意味でこの子達にはそのまま護身用としても持たせておいてあげたいのだけれど…変な噂で疑われちゃったら困るでしょう?」
頬に手を当てはぁ…と大きな溜め息を吐きながらライチはそう説明する
「ちなみに範囲とかはどの程度でしょうか?街はともかく城内となると…」
困った様に頭を掻きながら銀茶の髪を三つ編みにした「レーン=ネクスト」が訪ねる
「レーン。お前の言いたい事は解ってるが…とりあえずは城内のみでなら所持を許可する」
その言葉に他二人の従者である青い髪に黒い毛先をした青年「シーラ=タナトス」と茶色の長い髪に赤と青のオッドアイの女性「サン=ファレナ」は安堵した様子だった
「良かった…放したくなかったから」
帯刀している刀を握りしめながらサンは小さく呟く
「当分は連れて歩けないけど我慢してね?ヘルヴェイル」
『構いませんマスター』
シーラが呼びかけると、後ろに背負っている太刀が返事を返してくれた
「話しは以上だ。くれぐれも、外出の時は気をつけるようにな」
話が終わり、ラガー、ライチが広間から退出する中。ライムがクレイの元まで駆け寄った
「クレイ、よく一人でどっかに行くのは構わないけどさ…何かあったらアタシが心配だから絶対これ以上怪我したり無理しないでくれよ?」
「っ…//し、心配性だなぁライムは…俺は大丈夫だよ」
いつもの強気な姿勢と違い、心底心配しているしおらしい姿にクレイは少し戸惑い赤くなったが、頭に手を乗せてポンポンとすると照れたように微笑まれた。