― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道

イシュヴァリエ国で起きている事件の内容はもちろん管轄地域であるGreen Rose支部でも捜査が行われていたが、本日の新聞に一通り目を通した支部長のエトワル=コールディードロップは苛立った様子で新聞を握りつぶし、そして床へ放り投げた
「俺の管轄内で好き勝手しやがって…どこの物好きか命知らずか知らんが…随分舐めた真似をしてくれるな」
「今日の苛立ったエトワル様。頂きます!」
「おいリュミエール!今日は確か非番だった派遣の二人を今すぐにここへ呼び出せ!」
 急な命令に最初はきょとんとした様子だったが、直ぐに敬礼すると通信機を使って彼らに連絡を取った
「今すぐに来い3分以内に。と伝えろ」
「はぁい♡って事でアルバトロさんお願いしますね~3分以内だそうです」
∑えぇ?!無理があブツッ。ツーツー
「終わりました!」
「さて…いつまで経っても証拠らしい証拠も見つけて来られねぇ奴らに代わって俺の手足として動かしてやる」

地面に投げ捨てた新聞を踏みつける様にして移動し、窓から見える景色に目をやった。いつもと変わらない人の行き来。だがこの中にいるであろう犯人は必ず捕まえて自分が制裁を与えると誓い、そして懐中時計へ眼をやっていると激しいノック音が聞こえ
「は…派遣組……とっ到着しましたー…っ!!」

息も絶え絶えになりながら到着した二人ではあったが…

「2分遅刻だ。」

「す、すいません…;」
「フンッ。まぁいい それよりお前らはこの所起きている事件を知っているな?」
「短期間で女性3人。男性1人が犠牲になった通り魔事件ですね」
「それだ。ここにお前らを呼び出したのはほかでもない…この所俺も捜査として部下は使っているがいつまで経っても奴らはまともな証拠すら見つけていない……と言う訳で今日からお前らはしばらく野外部隊として動け。必要ならば家をだしてやろう」
「…∑へ?!ま、待って下さいって!!俺らは只の派遣ですよ!?そんな急に野外にな-バァンー
唐突過ぎるエトワルからの言葉に、アキが反論している途中で躊躇いなく銃が向けられ、そして頬が擦れるギリギリの所を発砲された。

「俺は“やれる”“やらない”の話をしてるんじゃねぇんだ…“やれ”って言っているんだ」
(め、滅茶苦茶だ…っ!!)
 銃口から硝煙が上がる中。何事も無かったかのようにコート裏へ戻した 発砲されたアキは身を縮こまらせながらそっとリオンの陰に隠れてしまったので、代わりに話を行った
「要するに街の調査を現地で行え…と言う訳ですか」
「そうだ。ある程度までの必要物品は出してやるが…報告は一日必ず行え 以上だ」
「承知致しました。…では、調査に致しましてはこちらの家を使わせて頂きます」
「好きにしろ」
リオンからの提案は特に興味が無かったらしく適当に返事を返し椅子に腰掛けた。 もう用事は終わりだろうと察し、一礼してから部屋を後にした


「あー…怖かった…何もあんな突然に発砲しなくってもいいのにっ!!」
「泣くな。…やれやれ参ったな……急に調査をしばらく住んで行えなんて…わざわざ支部に戻らなくて済むんだが、これだと良いのか悪いのか分からないな」
「それよりさ…良いのか?リオンの店使って…それに俺も泊まってさ」
「なんだ改まって…たまに泊まっているんだから今更だろう それに、向こうが用意したモノはあまり信用出来ないからな」
 やや申し訳なさそうに聞き直してみたが、当然の様に返されたので照れくさそうにはにかみつつ、しばらくの間よろしく。の意味を込めて帽子を取って軽く会釈をするとリオンも静かに微笑んだ。
2/56ページ
スキ