― An EvilPurify ―緑の調べは赤の道
「馬車は私が運転しますので、お二人はどうぞお席でくつろいで下さい」
エントランスに到着し、リュミエールが二頭立て馬車を用意してくれるまでの間。出入り口付近で待機していると行き交う隊員たちの視線の向かう先は全員アコと言えど、やはり気になった
「落ち着かんな…」
「うーんやっぱりスカートって履き慣れないから違和感あるんだよなぁ…なんか変かな?」
「履き慣れていたら大問題だがそうじゃない。君がそもそも背が高いし体格が良いから違和感があるだけだ そしてあまり喋るな。声でバレる」
そう注意されアコは口をつぐむ。適当に懐中時計に眼を通し、時間を潰していると準備が終わったらしいリュミエールがエントランスの扉を開けて呼んでくれた。 彼女の手を引いて共に向かい、先にアコとローゼを乗せてから彼も馬車へ乗り込む
「それでは、行きますよー」
それぞれが乗り込んだことを確認し、御者をする彼女の運転で城下町へと向かった。
街へ到着する頃には前回同様に街灯と月明りが辺りを照らし、空には星が輝いていた。
噴水広場付近に馬車を止め、二人を下ろしてから邪魔にならない所へ馬車を移動させておいた
「よしよ~しお疲れ様。ネロとアントワネット♡私はちょっと用事があるからここで休憩して良い子にしててね」
灰色の体毛と茶色の体毛をした足は短い代わりに胴が太い巨大馬一頭一頭を撫でて労ってやる
(ネロにアントワネット…この子のネーミングとしたら鬱憤か何かあるのかもしれないな…)
「にしてもでっかい馬だよなぁ~…あれだけの距離走ってもまだまだ元気いっぱいって感じだしさ」
「ペルシュロンって種類の子で優しい力持ちさんなんですよ~」
よしよしと撫でながら二頭の鼻先にキスをして別れる。
「じゃあアキ。この前と同じ通り、襟の裏に盗聴器があるから何かあったら呼んでくれ。自分は君の付近を歩く リュミエールさんは…制服が目立つから隠れながら適度に尾行してくれ」
割り振りが決まり、各々が行動を開始する
リオンの時とは違い、足元が慣れたローファーのままだったので軽い足取りでマーレ通りを適当に練り歩き、リュミエールはその後ろを物陰から尾行する
(何も変化ねぇなー…)
行動を開始して数十分経った頃。未だに何も起こらぬ状況に、アコはやや疲れた様子で空を見上げた。 早く帰ってベッドで休みたい。トウカはどうしているだろうか?怪我してないだろうか?帰ったらうんと甘やかして沢山遊んでやろう。と終わった後の事を考えて何とか自分を奮い立たせ再び歩き回る
…だが一時間経っても二時間経っても道を行き交う人々とは何回かすれ違うものの、怪しい動きをするものや彼女へ声を掛けるものは誰一人居なかった。
(…やべ…何か心挫けて来た…)
何だか空しくなってきて鼻をすする。 噴水広場の付近はまんべんなく歩いたが特に収穫も無かったので、休憩にと噴水の端に腰掛けた
「はぁぁぁ…何か疲れた…アコちゃんお疲れだ…」
付けて貰った盗聴器があるのも忘れ、思わず本音を漏らす。
独り言を呟いてから後悔する。(そう言えばこれ…二人に聞こえているんだっけ…)と。
エントランスに到着し、リュミエールが二頭立て馬車を用意してくれるまでの間。出入り口付近で待機していると行き交う隊員たちの視線の向かう先は全員アコと言えど、やはり気になった
「落ち着かんな…」
「うーんやっぱりスカートって履き慣れないから違和感あるんだよなぁ…なんか変かな?」
「履き慣れていたら大問題だがそうじゃない。君がそもそも背が高いし体格が良いから違和感があるだけだ そしてあまり喋るな。声でバレる」
そう注意されアコは口をつぐむ。適当に懐中時計に眼を通し、時間を潰していると準備が終わったらしいリュミエールがエントランスの扉を開けて呼んでくれた。 彼女の手を引いて共に向かい、先にアコとローゼを乗せてから彼も馬車へ乗り込む
「それでは、行きますよー」
それぞれが乗り込んだことを確認し、御者をする彼女の運転で城下町へと向かった。
街へ到着する頃には前回同様に街灯と月明りが辺りを照らし、空には星が輝いていた。
噴水広場付近に馬車を止め、二人を下ろしてから邪魔にならない所へ馬車を移動させておいた
「よしよ~しお疲れ様。ネロとアントワネット♡私はちょっと用事があるからここで休憩して良い子にしててね」
灰色の体毛と茶色の体毛をした足は短い代わりに胴が太い巨大馬一頭一頭を撫でて労ってやる
(ネロにアントワネット…この子のネーミングとしたら鬱憤か何かあるのかもしれないな…)
「にしてもでっかい馬だよなぁ~…あれだけの距離走ってもまだまだ元気いっぱいって感じだしさ」
「ペルシュロンって種類の子で優しい力持ちさんなんですよ~」
よしよしと撫でながら二頭の鼻先にキスをして別れる。
「じゃあアキ。この前と同じ通り、襟の裏に盗聴器があるから何かあったら呼んでくれ。自分は君の付近を歩く リュミエールさんは…制服が目立つから隠れながら適度に尾行してくれ」
割り振りが決まり、各々が行動を開始する
リオンの時とは違い、足元が慣れたローファーのままだったので軽い足取りでマーレ通りを適当に練り歩き、リュミエールはその後ろを物陰から尾行する
(何も変化ねぇなー…)
行動を開始して数十分経った頃。未だに何も起こらぬ状況に、アコはやや疲れた様子で空を見上げた。 早く帰ってベッドで休みたい。トウカはどうしているだろうか?怪我してないだろうか?帰ったらうんと甘やかして沢山遊んでやろう。と終わった後の事を考えて何とか自分を奮い立たせ再び歩き回る
…だが一時間経っても二時間経っても道を行き交う人々とは何回かすれ違うものの、怪しい動きをするものや彼女へ声を掛けるものは誰一人居なかった。
(…やべ…何か心挫けて来た…)
何だか空しくなってきて鼻をすする。 噴水広場の付近はまんべんなく歩いたが特に収穫も無かったので、休憩にと噴水の端に腰掛けた
「はぁぁぁ…何か疲れた…アコちゃんお疲れだ…」
付けて貰った盗聴器があるのも忘れ、思わず本音を漏らす。
独り言を呟いてから後悔する。(そう言えばこれ…二人に聞こえているんだっけ…)と。