― An EvilPurify ― 咲いて散るは薔薇の舞
総本部支部を使い全支部の支部長や退魔師が一堂に集まるイベントとあって会場には招かれた一般市民が多数訪れ、その中には様々な支部の隊員たちも混ざっていた。 対戦相手を決める為にと一足先に抽選箱を持って登場したグレアは歓喜する客席へ会釈を行いながらリングの中央へ立った。
まさに満員御礼と言った会場の中に特別に設置されている巨大なボックス席の中ではRainbow Rose総本部支部長のアーネスト=トールグルーナー=エルフェスゴートが椅子に着席し、隣には秘書のグルワールが立っていた
『ふむ…久方ぶりのイベントではあったが奴らも使うとやはり盛り上がりが違うと言うものだな』
「普段はあり得ない話ですからね。退魔師たちがこの様に一堂に集まって手合わせを行う事など…」
彼の言葉にアーネストは軽く鼻で嗤い、椅子から立ち上がって数歩前に出てグルワールからマイクを受け取った
『会場にお集まりの諸君。本日は我がRainbow Rose総本部支部のイベントへお越し頂き誠に感謝致しております 本日行われるトーナメントは後程行われるイベントの余興であるが、此度も存分に楽しんで頂ける事をお約束しよう
まずは登場して頂こう我が支部自慢の退魔師とメンバーを』
(なーにが自慢よ。勝手に“英雄”の称号渡して来ただけじゃない)
アーネストの紹介にシルドラは内心で毒を吐いて表情を歪ませていたが、一歩会場へと出た途端に定例会議の際に見せた冷たく圧倒的なオーラを纏って外へ出ると会場の熱気は一気に急上昇し口々に名を呼んだ
「キャー!シルドラ様ーっ!!」
「シルドラ様もレトさんもこんなお近くで見られるなんて♡!!」
「レトさんもミコトさんもなんて素敵なんでしょう…!」
挨拶程度に時折手を振って魅せるシルドラに対し、煩わしそうにするリオンへ口元を三日月の様に歪ませたイザヨイがそっと声を掛ける
『ふっくくく。人気ですねぇレト先輩』
「うるさい…」
『ですがここはパフォーマンスでも良いので愛想でも魅せておかないと…』
そこで言葉を切り、優しく微笑んだまま声援のする方へ軽く手を振り、唇に指先を当てて軽く投げキッスをする仕草をしてみせると会場は女性陣からの歓喜の叫びに包まれた
『ふっくくく。チョロイですねぇ』
「それぐらいにしときなさいよ」
肩を震わせて嗤うイザヨイを嗜め、三人はリング上に居るグレアの元へ到着した。
次にBlack Rose。White Rose。Red Rose。Green Rose。が呼ばれ、声援と歓喜に包まれながらリング上へと上がっていった 最後に残されたクロアは大きく息を吐いた
「ききき…緊張してきました…」
「大丈夫ッスよ!俺もジーク様も居るっすから!!」
「ちょっと歩くだけだよ。えぇっと…声援が聞こえたら適当に挨拶するだけで良いから」
「そ、そうですよね…」
カタカタと震えながら前を向き、アーネストから支部名を呼ばれ彼女は意を決して外へと出た。
湧き上がる歓声と歓喜の悲鳴。まだ慣れていないクロアはやや引きつった様な笑みを浮かべながら手を振って返し、コクレイは両腕を振って返事を返していたが、ジークだけは会釈を返して進み、リング上へと到着した。
まさに満員御礼と言った会場の中に特別に設置されている巨大なボックス席の中ではRainbow Rose総本部支部長のアーネスト=トールグルーナー=エルフェスゴートが椅子に着席し、隣には秘書のグルワールが立っていた
『ふむ…久方ぶりのイベントではあったが奴らも使うとやはり盛り上がりが違うと言うものだな』
「普段はあり得ない話ですからね。退魔師たちがこの様に一堂に集まって手合わせを行う事など…」
彼の言葉にアーネストは軽く鼻で嗤い、椅子から立ち上がって数歩前に出てグルワールからマイクを受け取った
『会場にお集まりの諸君。本日は我がRainbow Rose総本部支部のイベントへお越し頂き誠に感謝致しております 本日行われるトーナメントは後程行われるイベントの余興であるが、此度も存分に楽しんで頂ける事をお約束しよう
まずは登場して頂こう我が支部自慢の退魔師とメンバーを』
(なーにが自慢よ。勝手に“英雄”の称号渡して来ただけじゃない)
アーネストの紹介にシルドラは内心で毒を吐いて表情を歪ませていたが、一歩会場へと出た途端に定例会議の際に見せた冷たく圧倒的なオーラを纏って外へ出ると会場の熱気は一気に急上昇し口々に名を呼んだ
「キャー!シルドラ様ーっ!!」
「シルドラ様もレトさんもこんなお近くで見られるなんて♡!!」
「レトさんもミコトさんもなんて素敵なんでしょう…!」
挨拶程度に時折手を振って魅せるシルドラに対し、煩わしそうにするリオンへ口元を三日月の様に歪ませたイザヨイがそっと声を掛ける
『ふっくくく。人気ですねぇレト先輩』
「うるさい…」
『ですがここはパフォーマンスでも良いので愛想でも魅せておかないと…』
そこで言葉を切り、優しく微笑んだまま声援のする方へ軽く手を振り、唇に指先を当てて軽く投げキッスをする仕草をしてみせると会場は女性陣からの歓喜の叫びに包まれた
『ふっくくく。チョロイですねぇ』
「それぐらいにしときなさいよ」
肩を震わせて嗤うイザヨイを嗜め、三人はリング上に居るグレアの元へ到着した。
次にBlack Rose。White Rose。Red Rose。Green Rose。が呼ばれ、声援と歓喜に包まれながらリング上へと上がっていった 最後に残されたクロアは大きく息を吐いた
「ききき…緊張してきました…」
「大丈夫ッスよ!俺もジーク様も居るっすから!!」
「ちょっと歩くだけだよ。えぇっと…声援が聞こえたら適当に挨拶するだけで良いから」
「そ、そうですよね…」
カタカタと震えながら前を向き、アーネストから支部名を呼ばれ彼女は意を決して外へと出た。
湧き上がる歓声と歓喜の悲鳴。まだ慣れていないクロアはやや引きつった様な笑みを浮かべながら手を振って返し、コクレイは両腕を振って返事を返していたが、ジークだけは会釈を返して進み、リング上へと到着した。