― An EvilPurify ― 咲いて散るは薔薇の舞
「!?うわぁああっ?!あ、何だよコレ!?」
「Σアルバトロ先輩ぃい?!!」
「アキさんっ?!」
突然の事に一同が大慌てする中。少し離れた所から網を放たせた張本人のエトワルが歩み寄った
「これで二人目ゲットだ。悪く思うなデルタ コイツは俺の駒として大会に出させて貰うぜ?おいリュミエール!連れて行け!!」
「はぁい♡ ごめんなさいです。アルバトロさん頂いていきますね」
「く、クロアーっ!!出してくれって!俺はあっちのチームに」
「往生際が悪いな…もしお前が俺の為に勝利を取るって言うなら…年の離れた弟との時間を最大限に取れるように考えてやっても良いんだが?」
こちらを見下ろす様にして口元をニヤリと歪めながら告げると、一瞬トウカの事が脳裏に浮かび抵抗が緩む
「ま、お前がどっちみちお前が抵抗しようがその網は特別性だから切れはしないけどな」
良い人材を手に入れた事による高揚感で笑みを浮かべるエトワルは網の中にアキを入れたまま上層部区画を去って行った。 その場に残されたクロアはがくりと地面に膝を付いた
――――――――――――
会議室を一番に退出したジュウザはフォールン・ソノラにある酒場を訪れていた
「まさかこんな所に貴女が来られるとは驚きですよ」
カウンター越しに白髪交じりに赤い髪。茶色の毛皮のローブを羽織った女店主ヴァレンチノ=レトがそう話すとジュウザは微笑みながら手元の酒を一口含んだ
「うっふふふ。こちらには腕の良い退魔師様がいると聞いて来ましたの」
「引退した身と言え、まだ覚えられて居たとは光栄ですよ して…White Rose支部長が直々に来られたのには何か訳があるのでは?」
回りくどいのは嫌だったらしく、率直に彼女がここへ来た理由を尋ねると長々と説明する時間が省けた事にジュウザは静かに微笑んだ。
「ご察しが良くて助かりますわ 実は今から一週間後に総本部支部でちょっとしたイベントがありますの。三人一組で行われる大会でして…退魔師ならば誰でも参加可能と」
「ほぅ…ですがそれは私に声を掛けなくとも済む話では?」
「ええ、若い者たちに声を掛けるのも重要ですが…これは滅多に無いチャンスだと思いませんか?」
「?」
「貴女は確かご子息様とそのご友人に稽古を行っていたと聞きましたわ」
「昔の話だ」
「ええそう昔の話…ですがこのような機会だからこそ一度成長した彼らと手合わせをする場。と考えてみるのは如何かしら?ご子息のリオンもご友人のアキも参加なさる事は間違いありませんので」
考えてもみなかったジュウザからの提案にヴァレンチノは虚をつかれ眼を丸くしていたが、愉快そうにふっと笑った
「アイツらと手合わせ…か。確かにその考えならば私に断る理由は無いな」
「交渉成立…ね。ならお礼に貴女の地元のお酒を頂ける?勿論二人分で」
「Roseに関わる事はもう無いと思っていたが…ふふふっ。では、私は誓わせて頂こう。貴女を勝利に導くと」
ジュウザに指定された酒の栓を開け、新しい二つのグラスに注ぎ、お互いに乾杯し合ってからゆっくりと飲み干した。
「Σアルバトロ先輩ぃい?!!」
「アキさんっ?!」
突然の事に一同が大慌てする中。少し離れた所から網を放たせた張本人のエトワルが歩み寄った
「これで二人目ゲットだ。悪く思うなデルタ コイツは俺の駒として大会に出させて貰うぜ?おいリュミエール!連れて行け!!」
「はぁい♡ ごめんなさいです。アルバトロさん頂いていきますね」
「く、クロアーっ!!出してくれって!俺はあっちのチームに」
「往生際が悪いな…もしお前が俺の為に勝利を取るって言うなら…年の離れた弟との時間を最大限に取れるように考えてやっても良いんだが?」
こちらを見下ろす様にして口元をニヤリと歪めながら告げると、一瞬トウカの事が脳裏に浮かび抵抗が緩む
「ま、お前がどっちみちお前が抵抗しようがその網は特別性だから切れはしないけどな」
良い人材を手に入れた事による高揚感で笑みを浮かべるエトワルは網の中にアキを入れたまま上層部区画を去って行った。 その場に残されたクロアはがくりと地面に膝を付いた
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会議室を一番に退出したジュウザはフォールン・ソノラにある酒場を訪れていた
「まさかこんな所に貴女が来られるとは驚きですよ」
カウンター越しに白髪交じりに赤い髪。茶色の毛皮のローブを羽織った女店主ヴァレンチノ=レトがそう話すとジュウザは微笑みながら手元の酒を一口含んだ
「うっふふふ。こちらには腕の良い退魔師様がいると聞いて来ましたの」
「引退した身と言え、まだ覚えられて居たとは光栄ですよ して…White Rose支部長が直々に来られたのには何か訳があるのでは?」
回りくどいのは嫌だったらしく、率直に彼女がここへ来た理由を尋ねると長々と説明する時間が省けた事にジュウザは静かに微笑んだ。
「ご察しが良くて助かりますわ 実は今から一週間後に総本部支部でちょっとしたイベントがありますの。三人一組で行われる大会でして…退魔師ならば誰でも参加可能と」
「ほぅ…ですがそれは私に声を掛けなくとも済む話では?」
「ええ、若い者たちに声を掛けるのも重要ですが…これは滅多に無いチャンスだと思いませんか?」
「?」
「貴女は確かご子息様とそのご友人に稽古を行っていたと聞きましたわ」
「昔の話だ」
「ええそう昔の話…ですがこのような機会だからこそ一度成長した彼らと手合わせをする場。と考えてみるのは如何かしら?ご子息のリオンもご友人のアキも参加なさる事は間違いありませんので」
考えてもみなかったジュウザからの提案にヴァレンチノは虚をつかれ眼を丸くしていたが、愉快そうにふっと笑った
「アイツらと手合わせ…か。確かにその考えならば私に断る理由は無いな」
「交渉成立…ね。ならお礼に貴女の地元のお酒を頂ける?勿論二人分で」
「Roseに関わる事はもう無いと思っていたが…ふふふっ。では、私は誓わせて頂こう。貴女を勝利に導くと」
ジュウザに指定された酒の栓を開け、新しい二つのグラスに注ぎ、お互いに乾杯し合ってからゆっくりと飲み干した。