― An EvilPurify ― 咲いて散るは薔薇の舞

「と言う訳で今回も養成学校組の試合となるんで一番の先輩に来てもらいました~アッキーよろしく」
「あ、よろしくー リオンもクロアも頑張れー!応援してるからなー!!」

 アキの応援を受け、先にクロアが袖の中から取り出したナイフを投げ、彼が棺桶を盾にして防いでいるその隙に一気に間合いを詰める。 剣のリーチが長い分。接近戦でなら咄嗟に使うことは出来ないだろうと判断し、改めて構え直したナイフを使って一気に斬りかかろうとしたが、間にローゼが割って入ったと思ったのも束の間。目の前に現れた赤紫色の巨大な腕によって防がれ、怯んだ所を手の甲で弾き返されてしまい受け身が間に合わず軽く背中を叩き付ける
「流石だなローゼ 腕は?」
(アレ位ならなんてことないわよ)
「クロア!クロア大丈夫か?!おいリオン!幾ら何でもローゼちゃんでそれ使うのあんまりだろ!」
うるさいぞアキっ!解説なんだからそっちに集中しろ!」
「(´・ω・`)」
「ちなみにアッキーはどっち応援派なのかな?ん?」
「……∑!どっちかなんてえらべねぇよぉぉおっ!!!こ、こんなっ…優柔不断な先輩でごめん…っ」
作者からのもっとも過ぎる指摘に頭を抱えてうなだれてしまった。

やれやれ…と溜息を吐くリオンは一旦ローゼを棺桶内へ戻させ、剣に繋がっている鎖を何重にも重ねて持ち、そして立ち上がった彼女めがけて一気に棺桶を放り投げる
「∑きゃっ!?」
慌てて横に駆ける様にして避けたが、すぐさま棺桶が開き先程と同じローゼの腕が迫る
「そ、そう簡単に何度も喰らいませんよっ!」
自信無いのか表情は強張ったままだったがその場で大きくしゃがみ、そして手首の付け根付近へ蹴りを放つ
(∑痛ってて; 引いてリオン!)
腕を普段の姿へ戻し、軽く痺れた様子で腕を擦りながら棺桶に繋がる鎖を引いて合図を送り、安全のためにと自分は棺桶を閉じておく。
先程と同じ勢いで引き戻され、地面に叩き付けられる様にして着地させられる
(…今回のこの扱い何とかならない?衝撃結構来るんだけど)
「利き手と反対で使ってるから扱いにくいんだ」
「おおっと?!ここに来て仲間割れかなー?ローゼ選手文句を訴えてますぞ」
「いやいやアレが通常だよ。確かに普段より雑いけど…」
「それ考えたらよく潰れないなー…あの棺桶…鈍器としても使ってるし飛び道具使いに盾でも使ってるよね?」
「それでも凹んだり破損してる箇所とか見たことないなぁ……それにしてもさっきに比べて足技のタイミングとか上手くなってるな~」

お互いに実況や解説をそっちのけで雑談を交わしている間に、剣に付いた鎖を外したリオンが縦に大きく斬りかかる。ナイフ程度では防ぎきれないと悟った彼女は即座に後ろへ跳ぶ様にして避け、回避と同時に鎖を放って彼の手に巻き付けて行動を制限してから負けじと彼女もナイフを投げた。が、投げる瞬間に拘束された腕を一気に引いたためよろけて投げてしまい軌道が大きくずれる
「わっ?!」
(っと!ちょっと!遠いアタシの方まで来ちゃったじゃない!!)
 軌道がずれたことで肩を狙っていた筈のナイフはケープの裾を切り、そして残りはローゼの棺桶に当たったり場外へ落ちたりした。
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