― An EvilPurify ― 咲いて散るは薔薇の舞

淡く光ったままの杖を地面へと突き立て、呪文を唱えるとカインの足元に手の甲に刻まれた刺青と同じ模様が出現する。 不穏に感じた彼女は咄嗟にその場から離れると、手の甲が鈍く光り、その場に巨大な無数の紅く鈍く光る針状の結晶が現れた。その形はまるで花の様にも見て取れる

「∑あっぶないもの召喚するんじゃないわよっ!!こうなったら…っ」
目の前にあると邪魔になると判断し、銃弾を撃ち込む事で破壊を試みるが、結晶に弾き返され跳弾となってイザヨイへ。あるいは自分の方へと予測不可能な状態で跳ね返って来た。それにより二人はその場で慌ただしく身を屈めたり横っ飛びで回避などをしていた
『Σうわっ?!危ないじゃないですか!当たり所悪かったら、どうする、つもりですかっ!!』
「アンタがこんなのを!出現、させっからわるいんでしょっ?!Σひゃっ!!」
「ハハハ~!貴様らはそうやって避けてるが良いわ!私は審判だからそんなもの当たらΣぐぉっふ?!」
慌てふためく二人を場外から笑っていた作者だったが、跳弾がそのまま作者の方へ飛んでいき、まさかの撃たれてしまった
さ、作者ぁぁああっ?!ちょっと!アンタがリタイアしたらここからどーすんのよ!」
『その場合はとりあえず適当に終わらせてマリーとデートでもしましょうかねぇ…』
「ぐっ…案ずるでないぞ……作者は原稿がある限りは死なぬ。ってか銃禁止!危ないやろ!当たったのがギャグボロで許される私だったから良かったものの他のギャグが通用しない白組やったらどうするんや!シリアスボロになっちゃうやないか!」

 先程起こった出来事がまるで嘘のようにケロッとした様子でブーイングしてくる作者に、カインはやや困惑した様に眉間に皺を寄せていると、その隙にとイザヨイは再び呪文を唱えまずは自分の足元へと魔法陣を召喚させる。
『あまりそこの小動物に気を取られ過ぎていると…』
そこで一旦言葉を切り、彼が左手を挙げてカインの方へと手を伸ばすと足元に召喚されていた魔法陣が一瞬にして彼女の足元へ召喚され、そして腰の辺りまで上って行きそこで彼が伸ばしていた手を強く握りしめると、魔法陣としての形を保ったまま一気に両腕と共に拘束した。
突然の事で状況が分からず足がもつれ、まともに受け身が取れないまま地面へ転んでしまったカインの近くへと歩み寄り、静かに口元を三日月の様に歪めながら嗤う

『少しだけながら弱めにして差し上げていますが…不縛は如何ですか…?ふっくくく。この状態では反撃するのはもう無理でしょう?素直に負けを認めてはいかがでしょうか?』
~~っ!!くーやーしーいぃぃいっ!!!あんなんなんかに気さえ取られていなければぁああっ!!」
足をバタつかせながら悔しがるカインを嗤いながらイザヨイは作者へ、さっさと終了の合図をするようにと促した。
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