― An EvilPurify ― 咲いて散るは薔薇の舞

 網の根元に投げられたワイヤーが当たり、軌道がズレたと同時に網とロープが複雑に絡まってしまい、地面へ到着する頃には一本の巨大なロープの様なものになってしまっていた。
「あっ!えっ?!そ、そんな…;」
網に捕らえてしまえば自分の勝ちだと考えて居た為。頼みの網が複雑に絡まった状態になってしまい、ほかの対策が思い浮かばないリュミエールはとても動揺していた

そんな彼女を他所にコクレイは、先程落ちて来た網を軽々と持ち上げ、そのまま軽く手繰り寄せてから肩に担いで背負い投げをするようにして一気に投げると、装具で繋がったままになっていたリュミエールも空へと放り投げられる
「∑え?えっ?!ひっきゃぁあああっ?!!
「まだまだ行くッスよー!」
何とか受け身を取ろうと姿勢を直した途端。縄が一気に引っ張られてしまい、コクレイの元へ引き寄せられる
でやぁあっ!!
力強い掛け声と共に、コクレイは構えた拳を飛ばされてきたリュミエールのみぞおちめがけて突き上げた
「かはっ!?」
放たれた拳の衝撃に身体が耐えきれず、意識を失った彼女はリング外の外へと叩きつけられた。
天に向けて高々と構えられたままだった拳をゆっくりと肩まで下ろし、そしてガッツポーズを決めた

「俺の勝ち!ッス」
「勝者!拾ってくれた姫の為!特攻だけなら誰にも負けない 女子力皆無な剛腕クラッシャー! コクレイ=ラングドリーヌ!Σリュミエールゥゥウ!!大丈夫か!大丈夫じゃないのは解ってるけど!リュミィイ!!フール!医務室へ!!」
「はいはい~一名様追加ね」
「お、俺のチームが……負けた…っ?!」
 ようやくの第一試合が終了し、湧き上がる歓声の中。担架で運ばれていくリュミエールとモニターへ映し出された試合結果を見てエトワルは口をポカンと開けたままその場へ力なく膝を付いてしまい、クロアはリング上に居た彼女の元へと駆け寄り強く抱きしめた。
「~っ!!コクレイ!コクレイお疲れさまっ!決勝戦進出よ!ありがとう」
「っとデルタ支部長// えへへ…デルタ支部長の為に勝てたッス」
「どこも怪我してなかった?大丈夫?」
「へっちゃらっすよ!」
心配そうに確認するクロアへ、どこも怪我してない。と力強くポーズを決めて見せてくれていると、リング下からエトワルが声を掛けた
「おい デルタ」
「は、はい!」
「この俺のチームを踏み台にしたんだ。決勝戦でどっちが相手になるかは知らないが…無様な戦いはするんじゃない 以上だ」

言いたい事だけを(勝手に)告げると、二人の返答を待たずに彼は足早に会場を後にして医務室の方へと向かって行った。
「なんだかんだで応援してくれてるって事ッスかね?」
「うん。きっとね」
共にリングを降りて控室へと戻り、アキもリックを連れて控室へと一旦戻って行った
残された作者は大きく息を吸ってから、アナウンスを行う

はいはいはいはい~!!お観客の皆様も!試合に参加してくれた奴らも!お疲れさまでした~!と言う訳で、また一回休憩入れますよーリング直すから。そして私がクマツヅラの占いの館へ行って屋台巡ってほかの皆のリングネーム考えるからっ!!

高らかに宣言を行われた会場は、次に行われるWhite RoseとRainbow Roseとの試合に期待を高まらせながら、皆は思い思いの場所へと向かった。
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