夢より現れしは紅き退魔の剣
『うっふふふ。痛い?怖い?泣きたい??こうなる位なら何も知らないちっさなあの時の内に殺して貰った方がよかった?』
問い詰める様な彼女の言い方に痛みでじわりと涙が滲んていたが、強く歯を噛み締めながら耐え、左右に強く頭を振ってからキッと強く睨み返した
「確かに痛いわよ…怖くもあるわよ…だけどっ!一族全員を目の前で殺されて声を上げる事も助ける事も出来なかった無力なあの日の方が何百倍も痛くて怖かったわよっ!! だから私はずっとこの時を待ってた…っ!一族の無念を晴らして退魔の剣として使命を全うすべく!」
『随分立派な啖呵だけど…それが叶うとでも思っているの…?』
突き刺した小太刀を握ったまま刺青を傷付ける意志を込めて肩を斬り裂き、エク同様に腹部めがけて強烈な一撃を入れて壁に叩き付け、セフィリアの元へ戻った。
お互いに背中を強打した二人は酷く疲弊した様子でもあったが、こんなところで諦める訳には行けない。と意地で立ち上がった
「エク…平気?」
「そっくりそのまま返してやるよ…」
「…そぅ。……でもどうにかしてあの二人の連携崩さないと難しいわね… 二人で居られると厄介だもの」
「俺らそんな稽古習って無かったからなぁ……ん、それなら俺に一応考えならあるぜ。使えるかわかんねぇけど…とにかく御幻はあっちのセフィリアって姉ちゃんに向けて走ってくれ もしかしたらチャンスが作れるかもしれないし!」
「?…わ、解ったわ!」
エクの提案に少し戸惑った様子ではあったが、言われた通り彼女が一直線に走ると背後で熱を感じ、視線だけをそちらに向けると、巨大な炎の柱が隣に召喚されていた。 その柱は先に二人の元へ到着し、咄嗟に左右に回避した二人を分断するような壁を作りあげ、防御が疎かになったレルクめがけてもう一度火の玉を召喚して投げると、セフィリアの方へ注意を向けていた事もあり腰の羽を焼き腕と背へと広範囲の火傷を負わせた
『きゃあああっ!!』
『レルク?!何があったのレルクっ!!』
炎の壁が立ちはだかっている為。隣で何が起こっているのか分からなかったが、聞こえたレルクの叫び声に目の前から駆ける御幻よりも彼女の方へ注意を向けてしまった時だった。途中で一気に跳躍して左手を構えながら振り下ろすとセフィリアの額へと直撃し、その額からは血が流れ出た。
『今は貴女に構っている暇なんかないのよ…っ!!』
ようやく御幻の一撃が入ったが、レルクの事もあってセフィリアは距離を空けるべく大鎌を横なぶりに大きく振るうが、その前に防御態勢に入ったお陰で怪我は無く済んだものの、代わりに装備爪が破壊されると共に反動で大きく吹っ飛ばされた。
空中でちゃんと受け身をとってからしっかりと前を見つめていると、二人を分断する為にと壁になっていた炎の威力が徐々に弱まり、とりあえずは合流を果たしてしまった。
『セフィっ!ああっ…綺麗な顔なのに怪我しているわ…!!大丈夫?大丈夫なの?!』
『貴女こそ美しい身体にこんなに火傷を…大丈夫だった?あまり酷いなら下がっても構わないから』
『セフィの為ならこれ位どうって事ないわよ それに…あの少年くんもそろそろ限界みたいだから』
レルクの言葉に御幻もつられてエクの方へと視線を向けると、激しく咳き込みながら少しうずくまる様に両膝と片手を地面に付き、もう片方の手で口元に手を当てて押さえていたが、押さえている手元には血が付着していた。
問い詰める様な彼女の言い方に痛みでじわりと涙が滲んていたが、強く歯を噛み締めながら耐え、左右に強く頭を振ってからキッと強く睨み返した
「確かに痛いわよ…怖くもあるわよ…だけどっ!一族全員を目の前で殺されて声を上げる事も助ける事も出来なかった無力なあの日の方が何百倍も痛くて怖かったわよっ!! だから私はずっとこの時を待ってた…っ!一族の無念を晴らして退魔の剣として使命を全うすべく!」
『随分立派な啖呵だけど…それが叶うとでも思っているの…?』
突き刺した小太刀を握ったまま刺青を傷付ける意志を込めて肩を斬り裂き、エク同様に腹部めがけて強烈な一撃を入れて壁に叩き付け、セフィリアの元へ戻った。
お互いに背中を強打した二人は酷く疲弊した様子でもあったが、こんなところで諦める訳には行けない。と意地で立ち上がった
「エク…平気?」
「そっくりそのまま返してやるよ…」
「…そぅ。……でもどうにかしてあの二人の連携崩さないと難しいわね… 二人で居られると厄介だもの」
「俺らそんな稽古習って無かったからなぁ……ん、それなら俺に一応考えならあるぜ。使えるかわかんねぇけど…とにかく御幻はあっちのセフィリアって姉ちゃんに向けて走ってくれ もしかしたらチャンスが作れるかもしれないし!」
「?…わ、解ったわ!」
エクの提案に少し戸惑った様子ではあったが、言われた通り彼女が一直線に走ると背後で熱を感じ、視線だけをそちらに向けると、巨大な炎の柱が隣に召喚されていた。 その柱は先に二人の元へ到着し、咄嗟に左右に回避した二人を分断するような壁を作りあげ、防御が疎かになったレルクめがけてもう一度火の玉を召喚して投げると、セフィリアの方へ注意を向けていた事もあり腰の羽を焼き腕と背へと広範囲の火傷を負わせた
『きゃあああっ!!』
『レルク?!何があったのレルクっ!!』
炎の壁が立ちはだかっている為。隣で何が起こっているのか分からなかったが、聞こえたレルクの叫び声に目の前から駆ける御幻よりも彼女の方へ注意を向けてしまった時だった。途中で一気に跳躍して左手を構えながら振り下ろすとセフィリアの額へと直撃し、その額からは血が流れ出た。
『今は貴女に構っている暇なんかないのよ…っ!!』
ようやく御幻の一撃が入ったが、レルクの事もあってセフィリアは距離を空けるべく大鎌を横なぶりに大きく振るうが、その前に防御態勢に入ったお陰で怪我は無く済んだものの、代わりに装備爪が破壊されると共に反動で大きく吹っ飛ばされた。
空中でちゃんと受け身をとってからしっかりと前を見つめていると、二人を分断する為にと壁になっていた炎の威力が徐々に弱まり、とりあえずは合流を果たしてしまった。
『セフィっ!ああっ…綺麗な顔なのに怪我しているわ…!!大丈夫?大丈夫なの?!』
『貴女こそ美しい身体にこんなに火傷を…大丈夫だった?あまり酷いなら下がっても構わないから』
『セフィの為ならこれ位どうって事ないわよ それに…あの少年くんもそろそろ限界みたいだから』
レルクの言葉に御幻もつられてエクの方へと視線を向けると、激しく咳き込みながら少しうずくまる様に両膝と片手を地面に付き、もう片方の手で口元に手を当てて押さえていたが、押さえている手元には血が付着していた。