夢より現れしは紅き退魔の剣
『うっふふふっあんな目に遭ったのにまだやる気なんて頑張るわね~』
『時間も惜しいからさっさと終わらせましょう。 …トレートルからの圧力が強いのよ』
『自分がちょっと優位だからって私やセフィに好き勝手言って…本当なら八つ裂きでも済まない程の事をしている実感はあるのかしら?』
『今の彼の場合。そんな事も眼中に無いと思うわよ ああ、レルク少し血を貰うわね』
トレートルの存在を思い出し、困ったように眉根を寄せてため息を吐いた後。快く承諾してくれた彼女の指先をほんの少しだけ鎌で切って血を滴らせ、口に含んだ。
何が起こるのか不思議に思っている二人を他所に、僅かではあるが血を飲んだセフィリアは含んでいた指先をそっと放し、自身の背後へと赤く先端が鋭利になっている針状の物が無数に召喚され、二人めがけて一気に放たれた。
「Σうわわわっ!!な、なんだよアレっ!!」
「っ…絶対どこかに怪我するかもしれないけど一応下がってて!私がある程度撃ち落とすから」
パニックになるエクとは対照的に、無理やりにでもに思考を抑えさせた事で酷く落ち着いた様子でそう告げると、半ば押しのけるようにして彼の前に立ったが、直ぐに前に駆け寄るとエクは炎魔刀に命じた
「発動しやがれ炎魔刀っ!!何でもいいから急げ!」
もう一度強く命じても刀が反応する様子が見られないまま、放たれた無数の針は今にも二人に突き刺さりそうな程の距離まで縮まっていたが、彼は諦めずもう一度命じた
「今のご主人はこの俺!エク=グレイルだっ!! 今回…いや、今だけでいいから発動してくれぇぇええっ!!」
『どうせ無駄よ無駄…』
嘲笑交じりに呟き、予想通りの結末にしかならないだろう。と口元に手を当てて興味がなさそうな表情をしていた時だった。 先程まで全くと言っていい程に使いこなせていなかったはずの炎魔刀が微かに光を見せ、エクの目は金色から炎を映したかの様に真っ赤に染まり、その場で縦に大きく振るうと同時に刀から壁の様な巨大な火柱が上がり、放たれていた赤い針状の物を全て飲み込む様にして焼き尽くした
何が起こったのか解らず呆然としていると、その驚きはセフィリア達もだったらしく目を大きく見開いていた
「エクあんた…その刀使えるようになったの??」
「うーん…解らねぇ……何ていうか言葉と一緒に強く思ってみたら出来た感じ…」
『こんなのまぐれに決まってるわ…!』
この状況下で使えるようになる事を予期していなかった為。動揺した様子ではあったが、背中の羽を利用して低い姿勢のままエクの元へと素早く近寄り、一度目の前で片足を付いて着地してからもう一度足に力を込めてジャンプするようにして構えた小太刀で斬り上げた。
辛うじて身体を後ろへ反らせたお陰で胸部は斬り裂かれずに済んだが、代わりに首飾り部分と頬が軽く斬られた。
強制的に付けさせた首飾りがこんな時に役立った…と近くに控えていた御幻は安堵していたが、直ぐにレルクとの一定の距離を保ったセフィリアが御幻へと斬りかかった。
咄嗟に後ろへ軽く跳ぶ様にして回避を行った事で攻撃が当たる事は無かったが、勢いよく叩き付けられた大鎌は足元の地面を割る様にして一旦止まった。
『時間も惜しいからさっさと終わらせましょう。 …トレートルからの圧力が強いのよ』
『自分がちょっと優位だからって私やセフィに好き勝手言って…本当なら八つ裂きでも済まない程の事をしている実感はあるのかしら?』
『今の彼の場合。そんな事も眼中に無いと思うわよ ああ、レルク少し血を貰うわね』
トレートルの存在を思い出し、困ったように眉根を寄せてため息を吐いた後。快く承諾してくれた彼女の指先をほんの少しだけ鎌で切って血を滴らせ、口に含んだ。
何が起こるのか不思議に思っている二人を他所に、僅かではあるが血を飲んだセフィリアは含んでいた指先をそっと放し、自身の背後へと赤く先端が鋭利になっている針状の物が無数に召喚され、二人めがけて一気に放たれた。
「Σうわわわっ!!な、なんだよアレっ!!」
「っ…絶対どこかに怪我するかもしれないけど一応下がってて!私がある程度撃ち落とすから」
パニックになるエクとは対照的に、無理やりにでもに思考を抑えさせた事で酷く落ち着いた様子でそう告げると、半ば押しのけるようにして彼の前に立ったが、直ぐに前に駆け寄るとエクは炎魔刀に命じた
「発動しやがれ炎魔刀っ!!何でもいいから急げ!」
もう一度強く命じても刀が反応する様子が見られないまま、放たれた無数の針は今にも二人に突き刺さりそうな程の距離まで縮まっていたが、彼は諦めずもう一度命じた
「今のご主人はこの俺!エク=グレイルだっ!! 今回…いや、今だけでいいから発動してくれぇぇええっ!!」
『どうせ無駄よ無駄…』
嘲笑交じりに呟き、予想通りの結末にしかならないだろう。と口元に手を当てて興味がなさそうな表情をしていた時だった。 先程まで全くと言っていい程に使いこなせていなかったはずの炎魔刀が微かに光を見せ、エクの目は金色から炎を映したかの様に真っ赤に染まり、その場で縦に大きく振るうと同時に刀から壁の様な巨大な火柱が上がり、放たれていた赤い針状の物を全て飲み込む様にして焼き尽くした
何が起こったのか解らず呆然としていると、その驚きはセフィリア達もだったらしく目を大きく見開いていた
「エクあんた…その刀使えるようになったの??」
「うーん…解らねぇ……何ていうか言葉と一緒に強く思ってみたら出来た感じ…」
『こんなのまぐれに決まってるわ…!』
この状況下で使えるようになる事を予期していなかった為。動揺した様子ではあったが、背中の羽を利用して低い姿勢のままエクの元へと素早く近寄り、一度目の前で片足を付いて着地してからもう一度足に力を込めてジャンプするようにして構えた小太刀で斬り上げた。
辛うじて身体を後ろへ反らせたお陰で胸部は斬り裂かれずに済んだが、代わりに首飾り部分と頬が軽く斬られた。
強制的に付けさせた首飾りがこんな時に役立った…と近くに控えていた御幻は安堵していたが、直ぐにレルクとの一定の距離を保ったセフィリアが御幻へと斬りかかった。
咄嗟に後ろへ軽く跳ぶ様にして回避を行った事で攻撃が当たる事は無かったが、勢いよく叩き付けられた大鎌は足元の地面を割る様にして一旦止まった。