夢より現れしは紅き退魔の剣
エクが力強く命じたのも束の間。サンが使っていた時の様に、今は金色に光っている目が赤くなったり炎を纏ったりする等の反応は一切無く、彼自身もその理由が解らないのか、その場で数回振ってみたり掲げてみたりしたものの、何一つ変わった様子は無く堪らずレルクが吹き出した
『くっくくく…あーっはははははっ!!!ヤダおっかしぃ~!!危ないかもー。と思って身構えたけど、くくくっ…使いこなせないなんてねぇ~?』
『使いこなせなければ只のガラクタも同然ね…』
「う、うるせいやいっ!!火が使え無くったって別に困らねぇよ!」
やや自棄になりながらではあったが、しっかりと刀を構えたまま先にエクがレルクの方へと駆け出し、その後ろを御幻がセフィリアの方へ向かった。
普通の刀よりややリーチの長い炎魔刀で立てに大きく斬りかかってはみるが彼女は慣れた様子で軽やかに避け、常にレルクの近くをキープしているセフィリアも防御する様子を一切見せず避け続けていた。 いつまで経っても当たらない攻撃に苛立ちと疲労の色がエクに出始めて来た頃を見計らい、そっと出した足に引っ掛けて転ばせた
「Σあででっ?!」
『あらあら、こんな程度で転ぶなんて…さっきの勢いは何だったのかしら~??』
転んでしまったエクを見下ろしながらくくくと嗤い、背中を踏み付けておきながら手にしていた小太刀を彼めがけて突き立てようと構えた
「全くもう…アンタは世話が掛かるんだからっ!!」
セフィリアの相手を一旦中断し、エクの救援に即座に回るべくレルクめがけて装備爪を横に大きく振ったが、彼女は腰に生えている翼を使いながら一回転するようにして空中に大きく避けた後。それを合図にセフィリアが声を掛けてからその場で少しだけ身を屈めると、意味を察したレルクは逆立ちをする様な体制で彼女の背中に両手をついて着地し、身体を弓なりに反らす姿勢をとりながら足のかかと部分を鎌の様に変化させ、両手を使って一気に回転した。
「うあぁぁぁっ!!」
すぐさま危機を察知し、咄嗟に俯きながら両腕を使って防御態勢に入ったが、両腕の前腕部分が大きく斬り裂かれ、激しい激痛と共にそこからは大量の血が流れた。
踏みつけられて怯んだままだったエクがようやく御幻の元へ到着すると、その場に膝を付きながら痛みに必死に耐えようと下唇を噛み締めながら斬り裂かれた両腕を押さえていた。
背中の上で回転を終えて華麗に着地したレルクは、彼らの存在など一切気にも留めない様子でご機嫌そうに微笑みながら求める様に彼女の耳や唇を指先で優しく触れた
『良いタイミングだったわ♪セフィ素敵♡』
『貴女の動きも素敵だったわ 流石よ』
レルクの恍惚とした様な表情に対し、セフィリアは相変わらず目立った表情変化が無かったものの、お返しにと今回は彼女の顎付近を指先でくすぐる様にしてみると照れたようにはにかんでみせた。
完全なまでに余裕さを見せつける二人に悔しさも感じたが、御幻の傷口の一部を持っていた布で止血代わりに縛ってからよろよろと立ち上がった。
『くっくくく…あーっはははははっ!!!ヤダおっかしぃ~!!危ないかもー。と思って身構えたけど、くくくっ…使いこなせないなんてねぇ~?』
『使いこなせなければ只のガラクタも同然ね…』
「う、うるせいやいっ!!火が使え無くったって別に困らねぇよ!」
やや自棄になりながらではあったが、しっかりと刀を構えたまま先にエクがレルクの方へと駆け出し、その後ろを御幻がセフィリアの方へ向かった。
普通の刀よりややリーチの長い炎魔刀で立てに大きく斬りかかってはみるが彼女は慣れた様子で軽やかに避け、常にレルクの近くをキープしているセフィリアも防御する様子を一切見せず避け続けていた。 いつまで経っても当たらない攻撃に苛立ちと疲労の色がエクに出始めて来た頃を見計らい、そっと出した足に引っ掛けて転ばせた
「Σあででっ?!」
『あらあら、こんな程度で転ぶなんて…さっきの勢いは何だったのかしら~??』
転んでしまったエクを見下ろしながらくくくと嗤い、背中を踏み付けておきながら手にしていた小太刀を彼めがけて突き立てようと構えた
「全くもう…アンタは世話が掛かるんだからっ!!」
セフィリアの相手を一旦中断し、エクの救援に即座に回るべくレルクめがけて装備爪を横に大きく振ったが、彼女は腰に生えている翼を使いながら一回転するようにして空中に大きく避けた後。それを合図にセフィリアが声を掛けてからその場で少しだけ身を屈めると、意味を察したレルクは逆立ちをする様な体制で彼女の背中に両手をついて着地し、身体を弓なりに反らす姿勢をとりながら足のかかと部分を鎌の様に変化させ、両手を使って一気に回転した。
「うあぁぁぁっ!!」
すぐさま危機を察知し、咄嗟に俯きながら両腕を使って防御態勢に入ったが、両腕の前腕部分が大きく斬り裂かれ、激しい激痛と共にそこからは大量の血が流れた。
踏みつけられて怯んだままだったエクがようやく御幻の元へ到着すると、その場に膝を付きながら痛みに必死に耐えようと下唇を噛み締めながら斬り裂かれた両腕を押さえていた。
背中の上で回転を終えて華麗に着地したレルクは、彼らの存在など一切気にも留めない様子でご機嫌そうに微笑みながら求める様に彼女の耳や唇を指先で優しく触れた
『良いタイミングだったわ♪セフィ素敵♡』
『貴女の動きも素敵だったわ 流石よ』
レルクの恍惚とした様な表情に対し、セフィリアは相変わらず目立った表情変化が無かったものの、お返しにと今回は彼女の顎付近を指先でくすぐる様にしてみると照れたようにはにかんでみせた。
完全なまでに余裕さを見せつける二人に悔しさも感じたが、御幻の傷口の一部を持っていた布で止血代わりに縛ってからよろよろと立ち上がった。