夢より現れしは紅き退魔の剣
一旦離れていた細剣が空を切る様にして振るわれたが、不思議な事にその音が止んでも斬られた筈であろう感覚が無い。疑問に思いつつも恐る恐る目を開けると、普段から覆い隠していた事で狭かった視界がいつもより妙に広く感じられ、随分も頭も軽くなった気がした
何が起こったのか全く理解出来ず呆然と辺りを見回していると、細剣を仕舞った水晶が足元に落ちた髪を拾い上げた
『え??え?一体何がどうなってるんや??ソレって俺の髪…??』
「好きにしろ。と主に言われたので好きにさせて貰ったまでだ 前々からうっとおしいぐらいに伸びた髪をどうにかしてやろうとも思っていたから…コレを持って上手く言えばお嬢様も納得するであろう?」
拾い上げた髪を適当に氷で髪留めを作ってから足に付けているホルダーへと無造作に突っ込んだ。
『そうかもしれんけど……Σそうやなくてっ!!俺はアンタを…聖仙界捨ててこっち側に来てるんやで?!始末されて当たり前やのに…』
「何だ?首とは違う代わりの物を用意して何か問題でもあるのか?」
『問題て…大アリやろ;』
まるで何も無かったかの様にあっさりとした返答を返す水晶の様子に、彼は只々呆然と見つめる以外出来なかった
「主の言っておった者にわざわざ手を出すつもりはないので安心するが良い それとリークの兼だが…アレに関しては断る」
『……ん??悪いなぁ水晶。俺視界が強制的に広がった代わりに耳が悪くなったみたいやねんけど…?』
「だから断ると言っただけだ。私に頼むのはお門違いと言うものだ …確かに私はそこの担当ではあるが…頭を下げるべき相手は私ではない。あやつを拾った者に言うべき言葉であろう?」
『そう…なんかもしれんけど無理やろ;そんなん』
「私に考えはあるが…まずは生きろ。どんな形であっても…またこの様に再会する事があっても良い。だから生きろ!今はもう覚えてないとは言え…心底大事だと思うのであればリークを完全に一人にしてやるでない」
『生きろって…冗談キツいなぁ……俺としてはリークの心配も無くなって安心ついでにアンタと戦って負けたから…潔くここで終わろうと思ってたのに』
先程まで呆然と見つめるだけだったが、突拍子も無い彼女の言葉に驚いたように大きく目を見開いたが、戸惑った様に紫色の瞳が忙しなく動き帽子で目元を隠した
「主が生きて…決心がついた時に私に言うが良い。その時王たちに謁見させてやろう 理由は私に任せよ」
『散々好き勝手言うて任せろて……ホンマ相変わらず酷いなぁ 行く宛もこれ以上無いってのに』
「私が主にも優しくないのは前からなのは知ってい居る筈なのによく言う…それに……主は居候は得意であろう?なんならグレイルの元にでも行ったらどうだ。専属魔導師として」
『そないに勝手なこと言うて…いくらエク君でも流石に怒るやろ…(笑)』
「そうでもないと思うが?あやつの順応性は中々だから恐らく大丈夫であろう」
当然の様に言われ、固く引き絞られたままだった彼の口元が僅かに緩んだ
『そっか……ははははっ。確かにそれも楽しそうやな……あ、でも……一個だけ聞いてエエか?俺がこっちに来て成り行きでハーレムになってた事やけどー…』
「随分こちらではお楽しみのご様子だった事に関して口出しするつもりは毛頭無いが、主が私よりもあの者達を選んだ事等全然微塵も何一つ気にしてはおらぬが?」
表情は普段通りの得意気な笑みを浮かべている筈だったが目元は一切笑っておらず、それを見てしまったリースは一瞬で恐怖を覚えた。
何が起こったのか全く理解出来ず呆然と辺りを見回していると、細剣を仕舞った水晶が足元に落ちた髪を拾い上げた
『え??え?一体何がどうなってるんや??ソレって俺の髪…??』
「好きにしろ。と主に言われたので好きにさせて貰ったまでだ 前々からうっとおしいぐらいに伸びた髪をどうにかしてやろうとも思っていたから…コレを持って上手く言えばお嬢様も納得するであろう?」
拾い上げた髪を適当に氷で髪留めを作ってから足に付けているホルダーへと無造作に突っ込んだ。
『そうかもしれんけど……Σそうやなくてっ!!俺はアンタを…聖仙界捨ててこっち側に来てるんやで?!始末されて当たり前やのに…』
「何だ?首とは違う代わりの物を用意して何か問題でもあるのか?」
『問題て…大アリやろ;』
まるで何も無かったかの様にあっさりとした返答を返す水晶の様子に、彼は只々呆然と見つめる以外出来なかった
「主の言っておった者にわざわざ手を出すつもりはないので安心するが良い それとリークの兼だが…アレに関しては断る」
『……ん??悪いなぁ水晶。俺視界が強制的に広がった代わりに耳が悪くなったみたいやねんけど…?』
「だから断ると言っただけだ。私に頼むのはお門違いと言うものだ …確かに私はそこの担当ではあるが…頭を下げるべき相手は私ではない。あやつを拾った者に言うべき言葉であろう?」
『そう…なんかもしれんけど無理やろ;そんなん』
「私に考えはあるが…まずは生きろ。どんな形であっても…またこの様に再会する事があっても良い。だから生きろ!今はもう覚えてないとは言え…心底大事だと思うのであればリークを完全に一人にしてやるでない」
『生きろって…冗談キツいなぁ……俺としてはリークの心配も無くなって安心ついでにアンタと戦って負けたから…潔くここで終わろうと思ってたのに』
先程まで呆然と見つめるだけだったが、突拍子も無い彼女の言葉に驚いたように大きく目を見開いたが、戸惑った様に紫色の瞳が忙しなく動き帽子で目元を隠した
「主が生きて…決心がついた時に私に言うが良い。その時王たちに謁見させてやろう 理由は私に任せよ」
『散々好き勝手言うて任せろて……ホンマ相変わらず酷いなぁ 行く宛もこれ以上無いってのに』
「私が主にも優しくないのは前からなのは知ってい居る筈なのによく言う…それに……主は居候は得意であろう?なんならグレイルの元にでも行ったらどうだ。専属魔導師として」
『そないに勝手なこと言うて…いくらエク君でも流石に怒るやろ…(笑)』
「そうでもないと思うが?あやつの順応性は中々だから恐らく大丈夫であろう」
当然の様に言われ、固く引き絞られたままだった彼の口元が僅かに緩んだ
『そっか……ははははっ。確かにそれも楽しそうやな……あ、でも……一個だけ聞いてエエか?俺がこっちに来て成り行きでハーレムになってた事やけどー…』
「随分こちらではお楽しみのご様子だった事に関して口出しするつもりは毛頭無いが、主が私よりもあの者達を選んだ事等全然微塵も何一つ気にしてはおらぬが?」
表情は普段通りの得意気な笑みを浮かべている筈だったが目元は一切笑っておらず、それを見てしまったリースは一瞬で恐怖を覚えた。