夢より現れしは紅き退魔の剣
水晶が斬り込むよりも先にリースが片手を上にあげて両方に召喚した剣を宙に浮かせ、その手を一気に振り下ろすと、その動きに合わせる様にして彼女めがけて回転を伴いながら斬り込んで来た。 細剣では相手するには分が悪いと判断し、大剣の攻撃を全て紙一重で避けながら攻撃の隙を窺いながら屈んだ際に剣同士がぶつかってしまい、その反動で一本は地面へと突き刺さってしまった。
慌ててリースがもう片方の大剣の攻撃を中断して、刺さったままの方へ注意を向けた一瞬の隙を見つけた彼女は攻撃の止まった大剣のはばき部分(刀身が鞘から抜け落ちないようにするための場所)めがけて地面から召喚した鋭利な薄紫色の結晶で突き上げた事で、そこから大きくヒビが入り、音を立てながら刀身部分と柄の部分の二つに分かれる様にして折れてしまった。
『やっぱコレではアカンかっ…!!』
破壊された大剣を先程使った魔法陣で回収し、そこから新たに槍を召喚した。
「次は槍か…厄介だのう」
大剣が二本の時とは違い、突きと斬るの両方の動きを読みながら避けねばならなくなったので、彼女は溜め息交じりにそう呟いてはいたが、彼女の表情は一切の焦りも無い冷静そのもので槍の動きに合わせて避けながら自分の周りに結晶を召喚して幾つかの壁を作って自分の身を護った。
結晶の陰に隠れながら避けられるのが段々まどろっこしくなったらしく、大剣に結晶を砕かせつつ槍で上から手当たり次第に地面に突き刺す事を何回か繰り返している間に、自身の細剣を氷で覆って両手で持つ様な剣の形へとコーティングした水晶が目の前の槍に向けて横なぶりに大きくスイングして弾き飛ばすと、大きく回転をしながら槍はリースの方へと飛んで行った
「持ち主の元へ返却させて貰うぞ?」
『Σえ?!ちょアカンって!!待て!待ったっ!!』
自分でもう一度制御し直そうと焦りながら手をかざしてみるもするも上手く行かず、結晶の破壊を一旦中断して渾身の魔力で大剣を自分の所まで戻して槍を防ぎ、魔法陣で返したのも束の間。両手剣から細剣へと戻して間合いを詰めていた水晶により突きが放たれ、咄嗟に避けたものの頬が微かに斬れた
『接近戦は慣れてないってのっ!!』
的確に大剣のはばき部分やリースへ狙いを定めながら放たれる猛攻に対し、必死に大剣を操りながら防御をしてはいたものの、攻撃の威力に耐えきれず大剣には無数のヒビが入り始めている中。彼は徐々に後ろへと後退させられていた
しばらくして不意に背中へ堅い質感の物が当たったので視線だけを僅かに向けると、自分が知らず知らずのうちに礼拝堂の壁際まで追い込まれていた事を知り、ギリッと歯を軋ませた。
これ以上後退する事も、大剣がそろそろ破壊されると察し、とりあえずは片手でひび割れを起こし始めている大剣での防御を行いつつ、剣がこれ以上持たないと判断した彼はもう片方の手は後ろに隠しながら風の魔法を溜めておいた。
もう片方の手で風の魔法が溜められている事をまだ気付いていない水晶は、しっかりと狙いを定めてから地面から結晶を召喚し、大剣のはばり部分を刺し貫いて破壊したのも束の間。最大まで溜められていた風の魔法がカウンターの様にして一気に放たれた。
慌ててリースがもう片方の大剣の攻撃を中断して、刺さったままの方へ注意を向けた一瞬の隙を見つけた彼女は攻撃の止まった大剣のはばき部分(刀身が鞘から抜け落ちないようにするための場所)めがけて地面から召喚した鋭利な薄紫色の結晶で突き上げた事で、そこから大きくヒビが入り、音を立てながら刀身部分と柄の部分の二つに分かれる様にして折れてしまった。
『やっぱコレではアカンかっ…!!』
破壊された大剣を先程使った魔法陣で回収し、そこから新たに槍を召喚した。
「次は槍か…厄介だのう」
大剣が二本の時とは違い、突きと斬るの両方の動きを読みながら避けねばならなくなったので、彼女は溜め息交じりにそう呟いてはいたが、彼女の表情は一切の焦りも無い冷静そのもので槍の動きに合わせて避けながら自分の周りに結晶を召喚して幾つかの壁を作って自分の身を護った。
結晶の陰に隠れながら避けられるのが段々まどろっこしくなったらしく、大剣に結晶を砕かせつつ槍で上から手当たり次第に地面に突き刺す事を何回か繰り返している間に、自身の細剣を氷で覆って両手で持つ様な剣の形へとコーティングした水晶が目の前の槍に向けて横なぶりに大きくスイングして弾き飛ばすと、大きく回転をしながら槍はリースの方へと飛んで行った
「持ち主の元へ返却させて貰うぞ?」
『Σえ?!ちょアカンって!!待て!待ったっ!!』
自分でもう一度制御し直そうと焦りながら手をかざしてみるもするも上手く行かず、結晶の破壊を一旦中断して渾身の魔力で大剣を自分の所まで戻して槍を防ぎ、魔法陣で返したのも束の間。両手剣から細剣へと戻して間合いを詰めていた水晶により突きが放たれ、咄嗟に避けたものの頬が微かに斬れた
『接近戦は慣れてないってのっ!!』
的確に大剣のはばき部分やリースへ狙いを定めながら放たれる猛攻に対し、必死に大剣を操りながら防御をしてはいたものの、攻撃の威力に耐えきれず大剣には無数のヒビが入り始めている中。彼は徐々に後ろへと後退させられていた
しばらくして不意に背中へ堅い質感の物が当たったので視線だけを僅かに向けると、自分が知らず知らずのうちに礼拝堂の壁際まで追い込まれていた事を知り、ギリッと歯を軋ませた。
これ以上後退する事も、大剣がそろそろ破壊されると察し、とりあえずは片手でひび割れを起こし始めている大剣での防御を行いつつ、剣がこれ以上持たないと判断した彼はもう片方の手は後ろに隠しながら風の魔法を溜めておいた。
もう片方の手で風の魔法が溜められている事をまだ気付いていない水晶は、しっかりと狙いを定めてから地面から結晶を召喚し、大剣のはばり部分を刺し貫いて破壊したのも束の間。最大まで溜められていた風の魔法がカウンターの様にして一気に放たれた。