夢より現れしは紅き退魔の剣
その日の夜。着替えを済ませて布団の上に座り込んでいたエクは今日、水晶に聞かされた言葉を思い出していた
(俺が退魔師??とか言うのと同じ能力がもてるとか水晶ちゃんは言ってたけどー…)
「あーもうやっぱ考えても分かんねえや! 寝て会えば何とかなるだろ!」
もう一度考えてみたが、やはり分からなくなってきてしまったらしく、投げやりな態度で両手を大きく広げた大の字のポーズで布団の上へ大きく寝そべり、適当に布団を自分の上に掛けると直ぐに熟睡した。
声が聞こえた。
いつもは聞こえない筈の声が、今回はハッキリ聞こえた。
気になってエクが薄目を開けると、そこはいつも見る夢の中の光景だった。
何処を見回しても辺り一面には一筋の光も無い漆黒が広がり、地面はその黒を映したかのような仄暗い水面が永遠と広がっていた。
(ここ…そう言えば夢で見てた景色にのような気もするー……けどやっぱどうだって良いや。俺まだ寝足りないんだって…)
寝相を少しだけ変えて、丸まる様にしてもう一度寝直そうとした時だった。
エクの目の前にいた紅く長い髪に金色の眼。首元は赤い宝玉の付いた首飾りと左腕に剣の周りに薔薇が模られた刺青に、左袖のみ金色の装備型の爪三つが付いている。 赤いロングドレスには両方の太腿辺りは大きくスリットが入り踵の高いロングブーツの女性が静かに歩み寄り、そして
「いい加減起きなさいよ!くそガキッ!!」
そんな怒号と共に振って来たのは彼女が履いている踵の高いブーツによる踏み付けだった。
「Σいだだだっ?!!痛いっ?!夢の中のはずなのに何かとってもいたいっ!何で?!!」
「夢の中って表現は間違いじゃないけどー…簡単に言うなら現実との境目みたいな所。とでも言っておいてあげるわ」(エクの上に座り込む)
「お…重っ…ぃ; 境い目?何だよソレ??」(じたばた)
「夢に似てるけど現実みたいにこういった感覚はある感じよ。
さて……言いそびれていたけど、私は暁の剣姫。 名は闇影 御幻(ミゲン)使用者に魔を祓う力と感知力を授ける退魔の剣一族の生き残り」
「退魔の剣一族…確か昼間水晶ちゃん、に教えてもらったけどっ…」
「水晶……まさかね。 で?聞くけどアンタはそんな力が要る?魔を祓えるこの力が。私がアンタを支える武器となるこの力が」
「やっぱりよく分からねえけどもらえるならもらっておくで良いか?」(手を差し出す)
(何か…軽いけど…)「まぁいいわ。アンタがそう言うなら私は契約を交わしてあげるわ。」
少し呆れた様な溜め息交じりに承諾すると、左側の爪でエクの指先を軽く斬って少量の血を流させた。
ピリッとした軽い痛みよりも突然起こった事に完全にどうようしているエクを余所に彼女は先程斬った手を持ったまま、自分の首元に付けている宝玉部分へと押し付けた。
(俺が退魔師??とか言うのと同じ能力がもてるとか水晶ちゃんは言ってたけどー…)
「あーもうやっぱ考えても分かんねえや! 寝て会えば何とかなるだろ!」
もう一度考えてみたが、やはり分からなくなってきてしまったらしく、投げやりな態度で両手を大きく広げた大の字のポーズで布団の上へ大きく寝そべり、適当に布団を自分の上に掛けると直ぐに熟睡した。
声が聞こえた。
いつもは聞こえない筈の声が、今回はハッキリ聞こえた。
気になってエクが薄目を開けると、そこはいつも見る夢の中の光景だった。
何処を見回しても辺り一面には一筋の光も無い漆黒が広がり、地面はその黒を映したかのような仄暗い水面が永遠と広がっていた。
(ここ…そう言えば夢で見てた景色にのような気もするー……けどやっぱどうだって良いや。俺まだ寝足りないんだって…)
寝相を少しだけ変えて、丸まる様にしてもう一度寝直そうとした時だった。
エクの目の前にいた紅く長い髪に金色の眼。首元は赤い宝玉の付いた首飾りと左腕に剣の周りに薔薇が模られた刺青に、左袖のみ金色の装備型の爪三つが付いている。 赤いロングドレスには両方の太腿辺りは大きくスリットが入り踵の高いロングブーツの女性が静かに歩み寄り、そして
「いい加減起きなさいよ!くそガキッ!!」
そんな怒号と共に振って来たのは彼女が履いている踵の高いブーツによる踏み付けだった。
「Σいだだだっ?!!痛いっ?!夢の中のはずなのに何かとってもいたいっ!何で?!!」
「夢の中って表現は間違いじゃないけどー…簡単に言うなら現実との境目みたいな所。とでも言っておいてあげるわ」(エクの上に座り込む)
「お…重っ…ぃ; 境い目?何だよソレ??」(じたばた)
「夢に似てるけど現実みたいにこういった感覚はある感じよ。
さて……言いそびれていたけど、私は暁の剣姫。 名は闇影 御幻(ミゲン)使用者に魔を祓う力と感知力を授ける退魔の剣一族の生き残り」
「退魔の剣一族…確か昼間水晶ちゃん、に教えてもらったけどっ…」
「水晶……まさかね。 で?聞くけどアンタはそんな力が要る?魔を祓えるこの力が。私がアンタを支える武器となるこの力が」
「やっぱりよく分からねえけどもらえるならもらっておくで良いか?」(手を差し出す)
(何か…軽いけど…)「まぁいいわ。アンタがそう言うなら私は契約を交わしてあげるわ。」
少し呆れた様な溜め息交じりに承諾すると、左側の爪でエクの指先を軽く斬って少量の血を流させた。
ピリッとした軽い痛みよりも突然起こった事に完全にどうようしているエクを余所に彼女は先程斬った手を持ったまま、自分の首元に付けている宝玉部分へと押し付けた。